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限定車ベースの超限定車まであった! 最後の自然吸気V12ランボルギーニ「アヴェンタドール」の「華麗すぎる」特別モデルの世界

掲載 更新 23
限定車ベースの超限定車まであった! 最後の自然吸気V12ランボルギーニ「アヴェンタドール」の「華麗すぎる」特別モデルの世界

 この記事をまとめると

■ランボルギーニのフラッグシップであるアヴェンタドールがまもなく生産終了を迎える

ノーマルでも爆音気味のスーパーカーは車検に通るのか?

■10年以上に渡り生産されたアヴェンタドールには数多くの派生モデルや限定モデルが存在

■アヴェンタドールは自然吸気のV型12気筒エンジン搭載の最後のランボルギーニとなる

 ランボルギーニ史上もっとも成功した12気筒エンジン搭載車!

 アヴェンタドールは、2010年に生産を中止した12気筒モデルの「ムルシエラゴ」の後継車として誕生した新世代の12気筒2シーター・ミッドシップ車だった。

 ディアブロが、当時の親会社であったクライスラーの意見を重視し、「P132」、「アコスタ」、「カント」とさまざまなプロトタイプを製作したうえで誕生したのに対して、ムルシエラゴは1998年にランボルギーニを手中に収めたアウディの影響力の強さもあり、比較的容易にそのスタイリングがまとめられた。その事情はここからさらに10年を経て誕生したアヴェンタドールにおいても変わらない。

 アヴェンタドールは、もちろんカウンタック以来の伝統であるV型12気筒エンジンを、リヤミッドに縦置き搭載したモデルではあるが、デビュー時に当時のCEOであり、先日再びランボルギーニへと戻ってきたステファン・ヴォンケルマンによれば、それは「2世代分を一度のフルモデルチェンジで進化させたモデル」であるという。

 たしかにそのメカニズムを仔細に見れば、排気量はムルシエラゴにほぼ等しい6.5リッターながら、ボア×ストローク値を88×86.8mm~95×76.4mmに変更するなど、新開発されたV型12気筒エンジンをはじめ、それに組み合わされる7速セミAT(ISR)、電子制御クラッチによる4WDシステム、さらにはプッシュロッド形式のサスペンション、そして最新のカーボンファイバーによるセミモノコック構造の採用など、その進化は歴代V12モデルのなかでも、ミウラとカウンタックの関係と同じくらいにドラスティックな内容だ。

 そのアヴェンタドールの生産が、10年という時間を経て終了することになった。この間に登場したアヴェンタドールのバリエーションはじつに幅広く、超高級ブランドが展開する「多くの種類の製品を、それぞれ少ない数で販売する」という手法が、ついにスーパーカーの世界でも採り入れられていることが理解できる。カスタマーはその商品の特徴とフィニッシュに共感し、売り手がつけたプライスを勝手に理解してそれを購入する。それが現在の勝ち組スーパーカーメーカーの現実なのである。

 さて、それではこの約10年間に、アヴェンタドールにはどれだけのモデル、あるいは派生モデルが誕生したのだろうか。まず基本となるのは、2011年のジュネーブ・ショーで発表された「アヴェンタドールLP700-4(LP700-4、以下同)だろう。ここからさらに50馬力のエクストラパワーを得た「ハイパフォーマンスモデルのLP750-4SV」が誕生し、2016年には「S」へとマイナーチェンジがおこなわれる。

 モデル名が簡略化されたのは、Sのデビューに前後して、ランボルギーニ社のCEOがステファン・ヴィンケルマン氏からステファノ・ドメニカリ氏に変わったことが理由としては大きいようだ。ちなみに前期型のLP750-4に相当する高性能版は2018年に「SVJ」として登場。「J」が伝説のモデルたるあのイオタを示すのは常識だろうか。

 多くの商品を、各々少なく売る。そのコンセプトの第一弾が現実になるのは2012年のジュネーブ・ショーでのことだった。ここでランボルギーニは、その名も「J」と呼ばれる伝統的なイタリアン・バルケッタのスタイルを持つワンオフのオープンモデルを披露。

 ロードスター、ワンオフモデル、限定車、数多くのバリエーション

 この年には「LP700-4ロードスター」も発表されたが、ルーフがムルシエラゴまでのファブリックから左右分割式のカーボン製に進化したことで、使い勝手は非常に高くなった。

 また、翌2013年にはランボルギーニ社の創立50周年を記念した「50°アニヴェリサリオ」も誕生。もはや毎年のようにランボルギーニからニューモデルのリリースが届くことに驚く者はいなくなった。

 2015年には600台の限定で「SV」が販売されているが、同年夏にはそのオープン仕様となる「SVロードスター」が500台の限定数を掲げて発表されている。

 生誕50周年を迎えたミウラのために、「ミウラ・オマージュ・エディション」が50台の限定、5パターンのカラー・コーディネイトで製作されたのは2016年。翌2017年には、日本のランボルギーニ・ディで「Sロードスター・50thアニバーサリー・ジャパン」の発表も行われた。

 すでにこの頃には、ベースのアヴェンタドールは、後期型ともいえるSに進化を遂げているが、特別仕様車や限定車、そして派生モデルといったもののほかに大きな話題といえたのは、このSそのものの大幅な進化だった。

 参考までにSの最高出力は740馬力。ランボルギーニは先日、自然吸気のV型12気筒エンジン搭載車は、今後登場することはないと正式にコメントしているから、その後のV12モデルに変わる姿はさまざまに予想できる。気筒数を減らした、いわゆるエンジンのダウンサイジング、V12エンジンはそのままにハイブリッドシステムを組み合わせた、いわゆる「シアンFKP37」に似るモデル。いずれにせよランボルギーニは現在、まさに歴史的な岐路に立っている。

 V12エンジンのみを駆動力とする最後のランボルギーニ

 限定車、派生車の話に戻ろう。アヴェンタドールの後期型、SVJをベースに、さらに高性能化が図られたのが「SVJロードスター」だ。これは500台の限定車として発表されたが、アメリカ、とくに西海岸では高い人気を博している。

 そしてこのSVJロードスターをベースに、ランボルギーニはさらに63台の「SVJ63ロードスター」を製作。限定車のさらに限定車という、さすがはランボルギーニらしいコンセプトの1台として注目を集めたことを記憶している。

 アヴェンタドールからの派生モデルとしては、ランボルギーニ50周年の2013年に披露された「ヴェネーノ」(3台のクーペのほかに、のちに9台のロードスターが作られた)や、クーペ、ロードスターの各々が20台製作された「チェンテナリオ」、そして2019年に発表された、バッテリーにスーパーキャパシタを採用した、PHEVモデルの「シアンFKP37」などがある。

 また、ランボルギーニのカスタマーレース部門であるスクアドラ・コルセからも、「SC18アルストン」、「SC20」、「エッセンサSCV12」などのモデルが誕生しているが、これらはいずれもランボルギーニのレース活動によるノウハウが詰め込まれたモデル。エッセンサは40台の限定車として販売される予定となっている。

 約10年間に及ぶアヴェンタドールの歴史。その中で我々はずいぶんと刺激的なランボルギーニの世界を味わってきた。そのラストモデルは、先日モントレーで発表された「LP780-4ウルティメ」。

 久々に車名からダイレクトに、780馬力の最高出力と4WDの駆動方式をイメージすることが可能なラストモデル。生産台数はクーペが350台、ロードスターが250台の限定となる。ランボルギーニの最後の自然吸気V型12気筒エンジン搭載車。600人の選ばれしオーナーは、まさに幸せの一語に尽きるに違いない。

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みんなのコメント

23件
  • 最期の純NAでV12搭載のアヴェンタドールウルティメのロードスターを来春、ウチの屋内ガレージに置き、既にある991GT2RSと992GT3、それに先週末に納車されたローマと登録を抹消したハンドメイド時代の117クーペを含めた5台のスペシャルな車が荘厳に並ぶのを楽しみにしてる。
  • ウラカンevo納車された後にウルスオーダーしてその後にSVJ一台ありますがいかがですか?とか言われたけど
    おせーわw もう二台も買っちゃったよ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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