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日本の高級車が4WDで変わる──新型トヨタ・クラウン試乗記

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日本の高級車が4WDで変わる──新型トヨタ・クラウン試乗記

フルモデルチェンジしたトヨタ・クラウンのクロスオーバーを、北海道の雪上でテストドライブ。小川フミオがリポートする。

道を選ばない

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日本車が(いい方向に)変わったと知りたければ、トヨタのクラウン・クロスオーバーに乗ってみるといい。

クラウン・クロスオーバーは、成り立ちからして凝っている。すでにご存知の読者も多いと思うけれど、ハイブリッドのドライブトレインが2種類も用意されている。

どちらもいい出来なのだけれど、もし、運転が楽しいプレミアムセダンを探しているなら、デュアルブーストハイブリッドシステムを搭載した「RS」シリーズがとくにいいと思う。

新しく採用されたハイブリッドシステムは、フロントはパワフルなターボエンジンと変速機に組み込まれたモーターで駆動。リアは電気モーターで、と従来のハイブリッドシステムと一線を画している。

一般道を走行していて私も、よくまわるエンジンと、力強いモーターの組合せを楽しんだことがある。いっぽう、それ以上にこのクルマに性能ぶりを伝えたいと、さきごろ、北海道の雪上でも乗る機会があった。

このときあらためて感心したのは、やはりRSの走りのよさだ。ひとことでいうと、雪上でも、超をつけたくなるほど安定していて、しかもドライブを楽しめる。

「雪上のような極端な路面は、クルマの素性がよくわかります」

そう教えてくれたのは、クラウン・クロスオーバーの開発を担当した田中義和主査だ。

クラウン・クロスオーバーには全車、後輪操舵機構がそなわる。重量センサーを用いて駆動力配分をし、前後左右に効果的にブレーキをかける。それによって、車体の動きを的確にコントロールしている。

ワインディングロードでも、操舵したときの気持ちよさはある程度経験ずみだった。さらにそれ以上を、トヨタが士別(旭川から1時間ほどのドライブ)に持つ試験場において、強く体感できた。

1992年に完成したテストコースで、「零下20度C以下の日が年間15日以上、積雪50cm以上の日が同2カ月以上、そして超高速テストのために直線が3km以上確保できる」というのが条件だったとトヨタは紹介している。

スタッドレスタイヤを履いた車両は、カーブの手前でパワーをかけていくと、前後輪に動力を適切に配分しながら、少しリアが流れても、ビシっと安定してまわっていく。

「意識したのは、ドライバーが望んだとおりのラインを、雪上でも守れること。状況が悪くても左右のラインから車両がはみ出さないように走れること」

ドライブトレインの開発エンジニアが、テストコースで教えてくれた。

広い幅があるテストコースだったので、私はつい遊ぶように、アクセルペダルを強めに踏みながら運転してしまったが、たしかに、望んだとおりのラインをとれるのだ。

とくにRSは「e-AXLE(イーアクスル)」と名づけられた後輪用のパワフルなモーターが、車両の挙動に瞬間的に反応して、効果的に車体を押し出してくれるのもよい。

従来のハイブリッドでは、4輪駆動といっても前輪主体で、せいぜい後輪には20%程度の駆動力しか配分されないというが、RSでは最大80%まで後輪にトルクがゆく。

雪上では、トルクは抑えめだったようだし、後輪駆動的な走りは味わえなかったものの、それでも、シリーズパラレルのハイブリッドモデルとはあきらかに一線を画すパワー感が堪能できた。

後輪操舵システムは、いまやプレミアムカーのセグメントでは”常識”となっているが、どのぐらい後輪を操舵させるかは、メーカーの考えが反映されている。

クラウン・クロスオーバーは、前輪と同じ方向に角度をつける正位相で最大3度という。

それ以上は現在必要ない、というのがエンジニアの考えとのことで、実際、雪上ではせいぜい1度ぐらいしか切れていないという。それだけでも、安定性は十分なのだ。

ふだんは恩恵を感じにくい、前後の駆動力配分システムや、4輪のブレーキ制御とあいまって、クラウン・クロスオーバーは、見えないところでさまざまなシステムが働いて、乗る人を守り、かつ楽しませてくれるのだ。

文・小川フミオ 編集・稲垣邦康(GQ)

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