現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 日本の高級車が4WDで変わる──新型トヨタ・クラウン試乗記

ここから本文です

日本の高級車が4WDで変わる──新型トヨタ・クラウン試乗記

掲載 5
日本の高級車が4WDで変わる──新型トヨタ・クラウン試乗記

フルモデルチェンジしたトヨタ・クラウンのクロスオーバーを、北海道の雪上でテストドライブ。小川フミオがリポートする。

道を選ばない

新型スバル・インプレッサの日本仕様が判明──2.5リッターは設定されず

日本車が(いい方向に)変わったと知りたければ、トヨタのクラウン・クロスオーバーに乗ってみるといい。

クラウン・クロスオーバーは、成り立ちからして凝っている。すでにご存知の読者も多いと思うけれど、ハイブリッドのドライブトレインが2種類も用意されている。

どちらもいい出来なのだけれど、もし、運転が楽しいプレミアムセダンを探しているなら、デュアルブーストハイブリッドシステムを搭載した「RS」シリーズがとくにいいと思う。

新しく採用されたハイブリッドシステムは、フロントはパワフルなターボエンジンと変速機に組み込まれたモーターで駆動。リアは電気モーターで、と従来のハイブリッドシステムと一線を画している。

一般道を走行していて私も、よくまわるエンジンと、力強いモーターの組合せを楽しんだことがある。いっぽう、それ以上にこのクルマに性能ぶりを伝えたいと、さきごろ、北海道の雪上でも乗る機会があった。

このときあらためて感心したのは、やはりRSの走りのよさだ。ひとことでいうと、雪上でも、超をつけたくなるほど安定していて、しかもドライブを楽しめる。

「雪上のような極端な路面は、クルマの素性がよくわかります」

そう教えてくれたのは、クラウン・クロスオーバーの開発を担当した田中義和主査だ。

クラウン・クロスオーバーには全車、後輪操舵機構がそなわる。重量センサーを用いて駆動力配分をし、前後左右に効果的にブレーキをかける。それによって、車体の動きを的確にコントロールしている。

ワインディングロードでも、操舵したときの気持ちよさはある程度経験ずみだった。さらにそれ以上を、トヨタが士別(旭川から1時間ほどのドライブ)に持つ試験場において、強く体感できた。

1992年に完成したテストコースで、「零下20度C以下の日が年間15日以上、積雪50cm以上の日が同2カ月以上、そして超高速テストのために直線が3km以上確保できる」というのが条件だったとトヨタは紹介している。

スタッドレスタイヤを履いた車両は、カーブの手前でパワーをかけていくと、前後輪に動力を適切に配分しながら、少しリアが流れても、ビシっと安定してまわっていく。

「意識したのは、ドライバーが望んだとおりのラインを、雪上でも守れること。状況が悪くても左右のラインから車両がはみ出さないように走れること」

ドライブトレインの開発エンジニアが、テストコースで教えてくれた。

広い幅があるテストコースだったので、私はつい遊ぶように、アクセルペダルを強めに踏みながら運転してしまったが、たしかに、望んだとおりのラインをとれるのだ。

とくにRSは「e-AXLE(イーアクスル)」と名づけられた後輪用のパワフルなモーターが、車両の挙動に瞬間的に反応して、効果的に車体を押し出してくれるのもよい。

従来のハイブリッドでは、4輪駆動といっても前輪主体で、せいぜい後輪には20%程度の駆動力しか配分されないというが、RSでは最大80%まで後輪にトルクがゆく。

雪上では、トルクは抑えめだったようだし、後輪駆動的な走りは味わえなかったものの、それでも、シリーズパラレルのハイブリッドモデルとはあきらかに一線を画すパワー感が堪能できた。

後輪操舵システムは、いまやプレミアムカーのセグメントでは”常識”となっているが、どのぐらい後輪を操舵させるかは、メーカーの考えが反映されている。

クラウン・クロスオーバーは、前輪と同じ方向に角度をつける正位相で最大3度という。

それ以上は現在必要ない、というのがエンジニアの考えとのことで、実際、雪上ではせいぜい1度ぐらいしか切れていないという。それだけでも、安定性は十分なのだ。

ふだんは恩恵を感じにくい、前後の駆動力配分システムや、4輪のブレーキ制御とあいまって、クラウン・クロスオーバーは、見えないところでさまざまなシステムが働いて、乗る人を守り、かつ楽しませてくれるのだ。

文・小川フミオ 編集・稲垣邦康(GQ)

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

災害時&過疎地の新ヒーロー? 「移動ATM車」をご存じか
災害時&過疎地の新ヒーロー? 「移動ATM車」をご存じか
Merkmal
[Pro Shop インストール・レビュー]メルセデスベンツ GLC(根本俊哉さん)by イングラフ 後編
[Pro Shop インストール・レビュー]メルセデスベンツ GLC(根本俊哉さん)by イングラフ 後編
レスポンス
F1ラスベガスGP決勝速報|フェルスタッペンがドライバーズタイトル4連覇! 優勝は盤石ラッセルでメルセデス1-2。角田は9位入賞
F1ラスベガスGP決勝速報|フェルスタッペンがドライバーズタイトル4連覇! 優勝は盤石ラッセルでメルセデス1-2。角田は9位入賞
motorsport.com 日本版
東北道「浦和ICの大改造」ついに“最後のランプ”建設へ 並行ランプを通行止め 側道利用者は注意!
東北道「浦和ICの大改造」ついに“最後のランプ”建設へ 並行ランプを通行止め 側道利用者は注意!
乗りものニュース
トヨタWRCマニュファクチャラーズ王者に豊田章男会が破顔「苦労して獲ったタイトル」ライバルのヌービル初王者にも祝意
トヨタWRCマニュファクチャラーズ王者に豊田章男会が破顔「苦労して獲ったタイトル」ライバルのヌービル初王者にも祝意
motorsport.com 日本版
波乱だらけのラリージャパン! ニッポンの勝田が意地をみせSS連続ステージ優勝で総合4位につける
波乱だらけのラリージャパン! ニッポンの勝田が意地をみせSS連続ステージ優勝で総合4位につける
WEB CARTOP
最新「サファリ」がスゴイ! 「ハリアー」と兄弟車で登場! 「3列7人乗り」&英国風の“超精悍顔”がカッコイイ! 便利機能モリモリのタタ「最上級SUV」とは?
最新「サファリ」がスゴイ! 「ハリアー」と兄弟車で登場! 「3列7人乗り」&英国風の“超精悍顔”がカッコイイ! 便利機能モリモリのタタ「最上級SUV」とは?
くるまのニュース
1000万円以下で買えるV12搭載ランボルギーニ!…世界に4台しかない「ハラマ 400GTS」のAT仕様の出来は当時どうだった?
1000万円以下で買えるV12搭載ランボルギーニ!…世界に4台しかない「ハラマ 400GTS」のAT仕様の出来は当時どうだった?
Auto Messe Web
【この190SLなんぼ?】走行距離わずか4,753kmでこの値段!なんで?このメルセデス300 SLの弟分190SLは掘り出し物?
【この190SLなんぼ?】走行距離わずか4,753kmでこの値段!なんで?このメルセデス300 SLの弟分190SLは掘り出し物?
AutoBild Japan
ソニー損保、自動車保険満足度調査で2部門1位を獲得…事故対応に高評価
ソニー損保、自動車保険満足度調査で2部門1位を獲得…事故対応に高評価
レスポンス
最後までもつれ込んだメーカー対決はトヨタに軍配! 僅差でヒョンデ逃す。総合優勝エバンス|WRCラリージャパンDAY4午後
最後までもつれ込んだメーカー対決はトヨタに軍配! 僅差でヒョンデ逃す。総合優勝エバンス|WRCラリージャパンDAY4午後
motorsport.com 日本版
スズキ 新型「スポーツクロスオーバー」登場! 斬新デザインの“尖った”スタイリング!? 軽量な車体を活かした軽快な走り! 「Vストローム250SX」何が変わった?
スズキ 新型「スポーツクロスオーバー」登場! 斬新デザインの“尖った”スタイリング!? 軽量な車体を活かした軽快な走り! 「Vストローム250SX」何が変わった?
くるまのニュース
勝田貴元が限界ギリギリの力走。トヨタ勢が猛追も、SS12は安全確保を理由にキャンセル/ラリージャパン デイ3午前
勝田貴元が限界ギリギリの力走。トヨタ勢が猛追も、SS12は安全確保を理由にキャンセル/ラリージャパン デイ3午前
AUTOSPORT web
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
くるまのニュース
市川團十郎がF1日本GPの公式アンバサダーに! F1文化に“新たな風”を吹き込むことを目指す
市川團十郎がF1日本GPの公式アンバサダーに! F1文化に“新たな風”を吹き込むことを目指す
motorsport.com 日本版
[かわいい]見た目して超[ホット]!! スズキ[アルトラパンSS]今買うのアリ説
[かわいい]見た目して超[ホット]!! スズキ[アルトラパンSS]今買うのアリ説
ベストカーWeb
追突事故を避ける「2秒ルール」ご存知ですか? あおり運転にならず割り込まれもしない、ほどよい安全な車間距離の保ち方をお教えします
追突事故を避ける「2秒ルール」ご存知ですか? あおり運転にならず割り込まれもしない、ほどよい安全な車間距離の保ち方をお教えします
Auto Messe Web
「足が長くて」スタイリッシュな新型SUVが2024年内に正式発表か!?DSオートモービルズの電動化戦略が新たなステージ
「足が長くて」スタイリッシュな新型SUVが2024年内に正式発表か!?DSオートモービルズの電動化戦略が新たなステージ
Webモーターマガジン

みんなのコメント

5件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

509.9575.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

48.0890.0万円

中古車を検索
クラウンの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

509.9575.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

48.0890.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村