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「売れてる車、評価が高い車」の知っておきたい短所 5選

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「売れてる車、評価が高い車」の知っておきたい短所 5選

 ユーザーやメディアの評価が高い車種にも短所はある。しかし、評価の高い車種は、メディア等で長所が取り上げられるケースが多く、短所が話題になりにくい。そこで、本記事では特に評価が高い5台の短所を紹介。長所はもちろん、短所も含めて車選びの参考にしてほしい。

文:渡辺陽一郎/写真:編集部

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日産 ノート「e-POWERは重さがネック」

ノート/全長×全幅×全高:4100×1695×1520mm、価格:139万9680~240万840円

 ノートは好調に売れるコンパクトカーだが、高人気の背景には、日産の国内市場を軽視する姿勢と商品開発の冷遇がある。人気車だったティーダは廃止され、セダンのラティオもなくなった。キューブとマーチは設計が古く、緊急自動ブレーキも装着されない。

 現時点で普通に改良を受けているのはノートだけで、そうなるとノートの販売実績は、商品力を超えた過剰なものともいえるだろう。それだけに短所も抱える。

 まず人気の高いノートe-POWERだが、ノーマルエンジン搭載車に比べて車重が170kg上まわり、シャシーとタイヤの負担が大きくなった。走行安定性に不満があり、カーブを曲がる時にはボディの重さを意識させる。

 エコ/パワーモードではアクセルペダルだけで速度を自由に調節できるが、右足だけがデリケートな操作を行うから疲れやすい。ノーマルエンジン車を運転する時は注意が必要だ。e-POWERと違って、アクセルペダルを戻しただけでは強力な減速力が得られない。

 ノート e-POWER「S」はJC08モード燃費が37.2km/Lと優れるが(ほかのグレードは34km/L)、緊急自動ブレーキなどが装着されない。要は集客を目的としたほとんど売る気のないグレードだ。

 荷室に関しては、後席の畳み方が背もたれを単純に前側へ倒す方式だから、広げた荷室の床に段差が生じる。

トヨタ プリウスは「視界と後席がネック」

プリウス/全長×全幅×全高:4540×1760×1470mm、価格:242万9018~319万9745円

 人気の高い定番のハイブリッド専用車だが、当然ながら短所もある。まずは後方視界が悪いことだ。サイドウインドウの下端を後ろに向けて大きく持ち上げたから、斜め後ろが見にくい。真後ろのリヤゲートは、ウインドウを二分割して視界を確保したが、見やすいとはいえない。

 居住性では後席が不満だ。座面の柔軟性が足りず、頭上の空間も乏しい。前述のようにサイドウインドーの下端が高いので、後席に座ると閉鎖感が強く伴う。ドアの開口部が狭いので、乗降時には頭を下げねばならない。

 荷室は床面積を十分に確保したが、リヤゲートを寝かせたので高さは不足している。

 乗り心地は現行型になって向上したが、もう少し柔軟にする余地がある。操舵感の鈍さも改善されて自然に曲がるが、下りカーブなどでブレーキングを強いられると後輪の接地性が不足しやすい。

 このあたりは同じプラットフォームを使うC-HRの方が洗練されている。

 グレード選びではベーシックな「E」に注意したい。JC08モード燃費が40.8km/Lに達する半面(ほかのグレードは37.2km/L)、リヤワイパーなどが装着されず、遮音材も部分的に省いた。装備が乏しい割に価格はあまり安くない。

ホンダ N-BOX「NAは動力性能が不充分」

N-BOX/全長×全幅×全高:3395×1475×1790mm、価格:138万5640~208万80円

 日本国内における2017年の最多販売車種はN-BOXであった。この超絶的な人気の秘訣は、全高が1790mmに達する背の高いボディが生み出す広い室内にある。

 ただし、このセールスポイントが、N-BOXの短所にも結び付いている。プラットフォームを刷新して軽量化も図ったとはいえ、全高が全幅の1.2倍に達するボディは縦長になり、車重も900kg前後に達する。高重心の重いボディで走行安定性を確保するため、操舵に対する反応を鈍めに抑えた。あえて曲がりにくくすることで、危険な状態に陥りにくくしている。

 ボディが重いから、動力性能もノーマルエンジンでは充分とはいえずノイズも拡大しやすい。

 そこで登坂路の多い地域ではターボを推奨したい。標準ボディの場合で駆動力(最大トルク)はノーマルエンジンの161%、JC08モード燃費は95%だから、動力性能が高い割に燃費の悪化が抑えられて効率が優れている。

 また空間効率を向上させるために、前後席ともに床と座面の間隔が開いているので、小柄なドライバーは正確なペダル操作が行えるかも確認したい。

ボルボ XC60は「サイズの割に広くない」

ボルボ XC60/全長×全幅×全高:4690×1900×1660mm、価格:599万~884万円

 XC60は、日本カーオブザイヤー受賞車でボルボのミドルサイズSUV。

 短所はまず全幅が1900mmに達することで、XC90の1960mmに迫る。SUVは視線の位置が高いために遠方は見やすいが、全幅がワイドな車種では左側面の死角が増えてしまう。XC60も同様で駐車時などは気を使う。最小回転半径が5.7mに達するから小回りの利きも良くない。

 居住性は前後席ともに快適だが、後席は特に広くない。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ2つ分だ。4名で乗車するには十分だが、ミドル/LサイズSUVの平均水準にとどまる。車内の広さを考えると、ボディをここまで大柄にする必要はなかったように思われる。

マツダ CX-5「2Lガソリン車は魅力薄い」

CX-5/全長×全幅×全高:4545×1840×1690mm、価格:249万4800~352万6200円

 CX-5は今日のマツダ車の中心的な存在だ。短所としては、海外市場を視野に入れて開発されたSUVだから、全幅が1840mmとワイドだ。ボディ後端のピラー(柱)が太めで、斜め後方の視界も良くないから、車庫入れや縦列駐車を試してから購入したい。

 2WDに搭載される2Lのガソリンエンジンは、1500kgに達する車重に対して動力性能が不足気味。しかもアテンザと同様、ガソリンの2Lと2.5Lを実質的に同価格にしているから、2L/2WDと2.5L/4WDの価格差が22万6800円と少ない。この金額は駆動方式の差額でしかないため、2Lの2WDを選ぶと、エンジンの排気量が500cc減る分だけ損失を被ってしまう。

 走行安定性も不満だ。先代CX-5の足まわりは、基本的に海外モデルに準じた設定だったが、現行型は日本向けのセッティングとした。この効果で乗り心地はゆったりと快適になったが、安定性は良くない影響を受けた。下り坂のカーブで危険回避のためにアクセルペダルを戻したりすると、後輪の接地性が下がりやすい。やや突っ張るような動きを見せる場面もあるので、改善する余地が生じている。

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