現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【試乗】次期トヨタ スープラをサーキットで全開走行! 3L 直6ターボのプロトタイプ

ここから本文です

【試乗】次期トヨタ スープラをサーキットで全開走行! 3L 直6ターボのプロトタイプ

掲載 更新
【試乗】次期トヨタ スープラをサーキットで全開走行! 3L 直6ターボのプロトタイプ

2019年1月14日にデトロイトモーターショーで正式発表されるトヨタのスポーツカー「スープラ(Supra)」。このプロトタイプモデルに、ミニサーキットでいち早く試乗する機会を得た。その第一印象は「楽しい!」だった!

コイツは、めっちゃ楽しいスポーツカーだ!

“日産 GT-R 50”、これがGT-Rの最終形なのだろうか!?

試乗会の冒頭に、新型スープラの開発責任者である多田哲也氏から以下のような説明がなされた。

「1978年から始まったセリカXXを含めると、新型スープラは5代目になります。ロゴは先代のJZA80型ものを継承しました。この80スープラが採用していた“フロントエンジン・リアドライブ(FR)、直6エンジン”というヘリテージを生かしながら、何か新しいスポーツカーができないかと模索してきました。

このクルマを開発するにあたり、“ホイールベース、トレッド、重心高”の3つを決定するのに時間をかけました。この3つは決めてしまうと後からイジることはできず、スポーツカーの運動性能車両の特性を決めるからです。ホイールベースは2470mmで、これは86よりも短く(86は2570mm)、水平対向エンジンを搭載している86よりも低い重心高にレイアウトしています。

基本コンポーネントはBMWのZ4と共用していますが、独自に開発したことで明確にZ4とは違う乗り味になっています。86とBRZをスバルさんと共同開発したときは、部品の多くを共用しましたが、スポーツカーの競合がより厳しいカテゴリーへの挑戦ということで、スープラとZ4はなるべく共通部品を使わないように、9割は違うものを使っています。

テスト車両の評価には、徹底的に世界の道を走り込んできました。全体の9割は公道で評価しています。ドイツのアウトバーンでは、250km/h付近での直進安定性は並み居るスポーツカーのライバルたちに引けを取らないレベルに仕上がったと思っています。」

以前にWebモーターマガジンに掲載した「新型スープラ開発責任者 多田哲哉氏が語ったBMWとの共同開発の舞台裏」はこちら。

さて、そんな新型スープラのプロトタイプに、いち早く試乗することができた。場所は千葉県の袖ケ浦フォレスト・レースウェイ。1周約2kmのショートコースだが、アップダウンあり、低速・中速コーナーを織り交ぜたテクニカルコースである。試乗時はドライブモードを「スポーツ」、VSCを「完全オフ」で、タイヤはかなり熱が入った状態で行った。

ピットロードからコースインして、1コーナーを立ち上がり、アクセルを全開にしてみると、自分の想像していた以上の加速力にまずはビックリさせられた。「はっ、速い!」 軽い気持ちで乗り込んだが、この速さを乗りこなすのはちょっと手ごわそうだ。

先ほど新型スープラにはBMW Z4と基本コンポーネントを共用していると書いたが、今回の試乗車は3L直6ターボが搭載されている。Z4の同エンジンの最高出力は340ps、最大トルクは500Nmということだが、このあたりのスペックはほぼ変わらないだろう。しかし、Z4よりも車両重量は100kg近く軽いということで、Z4の0-100km/h加速性能4.5秒よりも速いことは想像に難くない。

コーナーへの飛び込みでフルブレーキ。じわりとステアリングを切り込んでいこうとすると、これまた自分が想像していた以上にフロントがインを向く。軽く修正舵をあてるが、車両はとくに暴れることなく挙動は安定している。

そしてコーナーのクリップを抜けて立ち上がりにかけてアクセルをじわりと踏み込んでいくが、少しのテールスライドを伴いながらも、確実に前方向にトラクションをかけ続けてくれる。試乗は3周だけだったが、どのコーナーでもアンダーステアを感じさせず、ニュートラルステア~弱オーバーステアの間で挙動が非常につかみやすい。安心してアクセルを踏めるので、運転していてとても楽しい。

このあたりは新型スープラに採用されているリアの「アクティブディファレンシャル」が功を奏しているのだろう。このデフは0~100%の間でロック率を無段階に制御してくれるという。おそらくブレーキング時にはデフを100%ロックにしてリアの挙動を安定させ、そこからコーナーへのターンインに向けてはデフをフリーにしてアンダーステアを抑える。

そしてコーナーのクリップを抜けて立ち上がりにかけてはデフをアクティブに制御して、アンダーステアを抑え込みながらトラクションを発揮できるようにする…おそらくこのような制御をしてるのだろう。

以前、多田氏がこのアクティブデフがこのクルマのキーテクノロジーのひとつと言っていたが、その意味がわかったような気がした。

あっという間に試乗時間は終わったが、速いスポーツカーを自分でコントロールしているという感覚が強い。実際には、アクティブデフを含めた車両側の制御システムが自分のテクニックのいたらなさをアシストしてくれているのだろうが、とにかく運転していて楽しかった。

「新型スープラは決してサーキットベストのクルマではなく、ワインディングなどで気持ち良く走らせて欲しい」と多田氏は語っていたが、それでも今回、サーキットでその片鱗を感じて十分にそのパフォーマンスを楽しむことができた。発売されてから公道を走らせることが楽しみになった。(文:加藤英昭/写真:井上雅行)

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
AUTOSPORT web
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
AUTOSPORT web
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
ベストカーWeb
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
AUTOSPORT web
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
ベストカーWeb
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
AUTOSPORT web
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
ベストカーWeb
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
Auto Messe Web
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
AUTOCAR JAPAN
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
AUTOSPORT web
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
乗りものニュース
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
AUTOSPORT web
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
AUTOSPORT web
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
くるまのニュース
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
AUTOCAR JAPAN
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
AUTOCAR JAPAN
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
AUTOSPORT web
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
Auto Messe Web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

499.5789.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

94.81488.0万円

中古車を検索
スープラの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

499.5789.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

94.81488.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村