1111psが生む拷問のような加速力
純EVスーパーサルーンのアクセルペダルへ、軽く力を込める。拷問のような加速力で、身体がシートへ押し付けられる。最高出力1111psのルーシッド・エアなら、そんな体験が味わえる。
【画像】1111psの純EV ルーシッド・エア 競合するハイパフォーマンス純EVサルーンと比較 全98枚
前後に1基づつ搭載された駆動用モーターの最大トルクは、合計で141.4kg-m。0-100km/h加速2.5秒というロケットダッシュに、腕や首の筋肉は耐えることができない。関節すら痛くなる。
すさまじい瞬発力は、テスラ・モデルS プレイドなどと渡り合う上で必要な能力なのだろう。しかも、パワーだけで挑むのではない。1度の充電で走れる航続距離は、最長836kmが主張されている。
アメリカのEPA値で比較すると、モデルS プレイドより160km以上も遠くを目指せる。90psほど最高出力が高いにも関わらず。
欧州市場への進出も前提にあり、右ハンドル車の生産予定もあるとのこと。つまりこのエアは、英国でも2022年のうちに注文できるようになる見込み。
ただし、お値段を聞くと近づきにくい。今回アメリカ・カリフォルニアで試乗したクルマは、トップグレードのドリームエディション・パフォーマンスだったが、約13万1000ポンド(2187万円)のプライスタグを下げていた。
ちなみに、ルーシッド・モータース社はアメリカ・カリフォルニアに拠点を置く、新興純EVメーカー。創業は2007年で、テスラ・モデルSの開発へ関わったピーター・ローリンソン氏がCEOを務めている。
低くドラマチックなプロポーション
エアに投じられた技術力は非常に高度。インテリアやボディは美しく仕上げられ、クラス最長といえる航続距離を実現している。メルセデス・ベンツEQSに並ぶ存在として、その価値を見出す人もいるだろう。
滑らかなフォルムは、サイズ感を狂わせる。目の当たりにすると、写真で見る以上に大きい。全長が4976mm、全幅は1939mm、全高は1410mmあり、実際はEQEに近い。
このスタイリングを描き出したデザイナーは、現行のマツダMX-5(ロードスター)やフォルクスワーゲン・シロッコも生み出した人物。低くドラマチックなプロポーションは、モダンなシトロエンDSの様な風格を漂わせる。
ツートーンのボディ塗装も印象的。メルセデス・ベンツEQEとは異なる、エキゾチックさがある。パワートレインは驚くほどコンパクトにまとまり、駆動用バッテリーがフロアに敷き詰められたスケートボード構造を持つ。
ホイールベースは2960mmと長く、ローリンソンの言葉を借りれば、メルセデス・ベンツSクラス並みの車内空間を創出したという。それに準じるラグジュアリーさも。
彼の経歴は、誰もが羨むような華やかさだ。ロータスとジャガーで主任技術者を務め、テスラ・モデルSの父となった。その経験が、ルーシッド・エアに完璧なスターティング・ポイントを与えたといって良い。
F1チームの、レッドブル・レーシングへ協力を仰ぎ、空力特性が煮詰められている。徹底的なドラッグ低減を図り、空気抵抗を示すCd値は0.21と充分に低い。ちなみにメルセデス・ベンツEQSは、0.20を実現している。
優れたパッケージングで広々とした車内
インテリアは、テスラとは別世界。明らかに空間にゆとりがあり、雰囲気が良い。パノラミック・サンルーフを備えているにも関わらず、リアシート側も広々。身長の高い大人が座っても、膝前にも頭上にも余裕を感じる。
大きく開くトランクリッドの内側には、465Lの荷室がある。フロント側には、使い勝手の良い202Lのフランクもある。パッケージングに優れていることは明らかだ。
ただし、エアでは最大となる113kWhの駆動用バッテリーを選択すると、フロアが1段高くなる。足を少し前方へ投げ出すような格好になり、居住性でいえば、容量は小さい方が優れるようだ。
とはいえ、リアシートの背もたれは飛行機のビジネスクラス風に倒せる。運転は専属ドライバーにお任せし、オーナーは後ろでゆったり寛げるはず。
ドライバーの正面、ダッシュボード上部にはインフォテインメント用モニターと一体になった、メーター用モニターが据えられている。経験の長いドライバーでも、モデル3のように戸惑うことはないだろう。
センターコンソールから立ち上がるように、膝の横には大きなタッチモニターも用意されている。タブレット端末と同様にスワイプし、ナビゲーションの設定などをまかなえる。
エアコン操作などのショートカットとして使える、実際に押せるハードボタンも備わる。タッチモニターでメニューを掘り下げる必要がないのは、プラスポイント。インフォテインメント・システムは、もう少し反応が素早くても良いだろう。
この続きは後編にて。
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