最近はチト影が薄いけど、秘めた実力は本物。そんなクルマのパフォーマンスを再評価するこの企画。今回は自動車評論家 鈴木直也氏が3台をピックアップします!
※本稿は2022年9月のものです
文/鈴木直也、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年10月10日号
「イメージに捉われず我が道を進むクルマに光を!」 自動車評論家 鈴木直也が「再評価したい国産車」3選
■レクサスES。FFでも十分高級感を備えるセダンだ
レクサス ES
高級車はFRに限る……。いまだにその固定観念は根強いものがある。
世の中のクルマの大半がFFになったからこそ、残されたFRには独自の付加価値がある。スポーツカーと高級セダンは、FRに残された牙城といってもいい。
そんななかで、例外的に成功しているFFプレミアムセダンがレクサスESだ。
ご存知のとおり、レクサスESはカムリと基本メカニズムを共有するFFセダン。エンジンにもシャシーにも突出した差異はない。
そのわりに、350万~470万円というカムリの価格ゾーンに対し、レクサスESは600万~718万円。えらい強気な値付けといっていい。
この価格差をすべてエクテリアとインテリアの質感向上に注ぎ込んだのがレクサスESの真骨頂。そこにこのクルマの存在意義がある。
そのコンセプトを高く評価したのは、北米、中国、そしてアジアのマーケットで、現地で見るレクサスESはハッとするほどアカ抜けている。
日本市場でも、もっと評価されていいクルマだと思う。
■激戦区のコンパクトハッチ。今こそフィットに注目すべきだ
ホンダ フィット
強敵ヤリスとの競合、コロナ禍、そして半導体不足。
さまざまな理由から期待したほど販売が伸びていないフィット(ホンダ)だが、バランスのとれた総合性能ではコンパクトハッチバック随一。再評価すべき魅力を備えている。
とりわけフィットが優れているのは、後席の居住性、使い勝手のいいラゲッジスペース、そしてe:HEVのスムーズな走りだ。
癒やし系のデザインに賛否両論があるのかもしれないが、これだってファミリー向けの優しい乗り味を表現したという意味で、グッドデザインなんじゃないかなぁ。
■最後に、デザインが抜群にいい「あのクルマ」のこともやっぱり再評価したい!
マツダ CX-3
最後に、2015年デビューなのに、いまだに堅実に売れているスタイリッシュなコンパクトSUVとして、CX-3(マツダ)を再評価したい。
デザインはコンパクトSUVナンバー1。かっこよさはぜんぜん衰えていないよね。
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