アラゴンGPから連戦で行われているサンマリノGPの木曜日プレスカンファレンスで、フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)は自分のフィジカル・コンディションについて、こう語っていた。バニャイアは先週末に行われたアラゴンGPの決勝レースで、アレックス・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)と接触し、転倒を喫している。
「肩と鎖骨から首にかけて痛みがひどい。思うように体を動かせない」
1043日ぶりの勝利の背景。マルク・マルケスが味方につけた「特殊なコンディション」/第12戦アラゴンGP
アラゴンGPを終えて、バニャイアはチャンピオンシップのランキングトップから23ポイント差のランキング2番手に後退している。これ以上、ランキングトップのホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)との差を拡大させないためにも、このサンマリノGPはバニャイアにとってひとつのポイントになるだろうと思われたが、初日のプラクティスはバニャイアがトップ。バニャイアがトップタイムを叩き出した瞬間、スタンドのおそらくはイタリア人だろうファンから歓声と拍手が起こった。
バニャイアは初日の体調とパフォーマンスについて、囲み取材で「痛み止めが素晴らしいんだよ」と笑った。
実際のところ、フィジカル・コンディションはまだ万全ではなかったという。午前中のフリープラクティス1は8番手だったが、このときは痛みがあった。午後に痛み止めを使用することで状況が好転したのだ。午前中からバイクは変更しなかった、と語っていることから、午前中のパフォーマンスの背景には痛みがあったことが窺える。
「今朝は少し怖かったんだ。あまり気分がよくなかった。痛みがひどかったし、ベストの状態ではなかった。午後は痛み止めを使用することにしたんだけど、ウォームアップに必要な最初の2、3周を除いて、なにもかもがよくなったよ。100パーセント、ライディングとセットアップを考えるのに集中できたわけではなかったけどね」
もうひとつ、バニャイアにとって幸いだったのは、サンマリノGPの開催地がミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリであったことだ。
「ミサノは知り尽くしているサーキットだからね。ライディングへの集中は、多くの違いを生む。それは僕にたくさんの自信を与えてくれた。今日の目標はトップ10に入ることだったけど、1番手で終えた。タイムアタックがうまくいったんだ。ペースもよかった。とても満足しているよ」
「初日がいちばん悪い状態だったと思う。今、僕は自分に何が必要なのかわかっている。終わったらすぐに、僕の理学療法士と一緒に取り組みを始めるよ。明日はよくなると思うし、日曜日はもっとよくなるだろう。衝撃を受けただけで、骨折しているわけじゃないからね。日に日によくなっているよ」
さて、土曜日のQ2でバニャイアとポールポジションを争うだろうと目されるひとり、マルク・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)は、プラクティスの最初のアタックではクリアラップをとれたが、次のアタックのためにコースインすると渋滞にはまってしまったという。マルケスはプラクティスを2番手で終えているが、納得の順位だったようだ。
「ペコ(バニャイア)は今日、僕よりも速かった。2番手は現実的なポジションだよ」
また、優勝争いの有力候補である現在のランキングトップのマルティンは、プリマ・プラマック・レーシングのリリースによれば、胃痛による体調不良を抱えた状態でミサノにやって来たという。プラクティスで3番手だった。
マルティンは、プラクティスの序盤にはリヤのソフトタイヤで問題があったのだと、囲み取材で説明していた。
「今日はとてもよかったよ。午前中はすべてが完璧で、素晴らしかった。バイクは変えなかったんだけど、午後に(リヤに)ソフトタイヤで走りだしたら、バイクを止めるのにすごく問題があったんだ。1分31秒台をコンスタントに刻むのに問題があった。いつも(リヤが)フロントをプッシュしすぎるんだ。だから、何度か変更して、最終的にソフトで満足のいくタイムが出せた。でも、リヤのソフトにすごく自信を持てるわけじゃないんだ。ミディアムのほうがずっといいと感じる。明日はどちらのタイヤがベストなのか、考えるよ」
プラクティスの4番手はフランコ・モルビデリ(プリマ・プラマック・レーシング)、5番手にはエネア・バスティアニーニ(ドゥカティ・レノボ・チーム)が続いている。予選Q2では、またしてもドゥカティ同士の熾烈なポールポジション争いが繰り広げられることになりそうだ。
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