改善が見られないまま挑んだ週末
MotoGP第5戦フランスGPは、スペインGP後の月曜日、ヘレスで公式テストが行なわれたあとのグランプリでした。しかし、ホンダ勢ではテストされたものや新しいアイテムが投入されることもなく、これまでと変わらないマシン、パッケージで挑む週末となったのです。
【画像】2024年シーズンのMotoGPクラスに臨む中上選手を見る(6枚)
こうした状況だったため、中上貴晶選手(イデミツ・ホンダLCR)をはじめ、ホンダのライダーたちは、フランスGPでの好結果は望めないだろうと考えていました。
そして金曜日のセッションを終えて、中上選手はやはり、厳しい状況を説明するのです。
「悲惨ですね。路面状況とか関係なく、フリープラクティス1から、びっくりするくらいにグリップがないんです。フリープラクティス1から午後のプラクティスにかけていろいろ作業をしたけど、一向によくなりませんでした。相当フィーリングは悪いですね」
「立ち上がりでのスピニングも多く、アクセルを開ける前からリアの感覚がわからない。リアのエッジグリップが薄く、アクセルを開けて感覚を引き出そうとすると、リアが滑り出してしまう。コーナー進入でもリアの感覚が薄く、バイクを倒しこめない」と、聞けば聞くほど、状況としては「厳しい」の一言に尽きるものでした。
土曜日のスプリントレースでは、ファクトリーライダーのジョアン・ミル選手(レプソル・ホンダ・チーム)が転倒を喫しています。
ミル選手は「リアに多くの問題を抱えていて、2秒も遅れて走っていたよ。そして、スロットルを開けていないのに8コーナーでクラッシュした。フロントからじゃない、リアからだ。全く予想がつかなかったよ……」と語っており、リアのエッジグリップについて、どのホンダライダーも苦しんでいたことが窺えます。実際のところ、中上選手もアクセルを開けたときにあわや転倒、というシーンが何度もあったということです。
中上選手は、グリップを改善すべく土曜日から短めのスイングアームを投入しました。ただ、それは少しの改善にはなっても解決策にはなりませんでした。
結局のところ、フランスGPの金曜日から日曜日まで、中上選手はほとんど改善のないまま走ったのです。しかし、日曜日の決勝レースでは転倒者が続出したとはいえ、ポイント圏内の14位ゴールを果たしました。
「現状、何も変わっていないですね。遅いし……遅いのにすごく疲れます。バイクに信頼して(体を)預けられない。旋回もうまくしないし、押さえつけて走らないといけなくて、自然な感じでは乗れていないんです。今日もレース後半、腕上がりに近い状態でした。悲しいですね……。こんなに遅いのに、こんなにもフィジカル的に厳しいなんて」
レース後に話を聞いた中上選手は、そう言って力なく苦い笑いを浮かべました。
ホンダは次戦へと赴く前、イタリアのムジェロ・サーキットでプライベートテストを行ないます。現状改善のヒントが見つかることを、ライダーは期待しています。
次戦となる第6戦カタルーニャGPは、5月24日から26日、スペインのバルセロナ‐カタルーニャ・サーキットで行なわれます。
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みんなのコメント
復活はまだまだ先になりそうです。
詳しい設計はわかりませんが根本からおかしいんでしょうね。
誰がこの問題を解決できるのやら。
ヤマハの方がまだマシっぽいです。