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57年前に憧れたボンドカーを現実に!「2006年式アストンマーティンDB9」オーナー、村上延正さん(72才)

掲載 更新 15
57年前に憧れたボンドカーを現実に!「2006年式アストンマーティンDB9」オーナー、村上延正さん(72才)

学校を卒業して社会人となり、結婚して子どもを育て、家族を養うべく必死に働いて…。

約47万km走破!生まれたときから一心同体、ボルボ940エステートクラシックのオーナー、生方紀広さん (21才)

やがてお子さんは立派に成長し、巣立っていく。ご自身は親として、またひとりの大人のとしての役目を立派に果たし、新たな人生のスタートを切る。しかし、時間とある程度のお金もあるはずなのに、何をすればよいか分からず悶々としているうちに1日、1年と過ぎ去っていく。そのうち気力が衰えてきて…といった日々を過ごしているのはあまりにももったない!



せっかく「頑張ってきたお父さんにこそ許された時間・特権」をおおいに堪能したいところです。その点、今回、取材させていただいた村上延正さん(72才)は、理想的な第二の人生、そしてカーライフを送っていらっしゃる方と断言できます。



息子の大介さん(32才)の強力なサポートを受けて、昨年末に高校時代から50年以上ものあいだ、憧れの存在だったボンドカーのベースとなったアストンマーティンを手に入れたそうです。



漫然とした日々を過ごしているそこのお父さん!村上さんのように長年の夢、叶えてみませんか?



── オーナー紹介&どんな仕事をされてきたのですか?

▲ 2006年式アストンマーティンDB9とオーナーの村上延正さん



大学を卒業後、日本初のオイルシールメーカーに就職。65才で定年退職するまで働いていました。当初は設計部門に在籍していましたが、その後、品質管理部門へと移り、全国各地にあるデポ(物流拠点)を年4回まわっていた時期もありましたね。



── 設計部門に在籍していた際、どんなお仕事を手掛けたのですか?

▲緩やかなカーブを描くDB9のフロントグリル



H2ロケットのシールを設計したり、F15戦闘機のシールの国産化にごきつけたり、ホバークラフトや軍事用ヘリ、潜水艦の部品の設計などを手掛けてきました。H2ロケットのシールは、何回かの燃焼試験を行い、パスしたものを本番のロケットに採用するんです。いわば「燃焼試験にクリアした部品そのもの」がロケットに使われるわけなんです。



── その後、品質管理部門へ移られたのですね

▲ドアは真横ではなく、斜め上に開くのです!



品質管理に関する知識を身につけ、年4回、全国行脚しました。このとき、ただダメなところを指摘するのではなく、各地のデポのスタッフと一緒に考えてクレームを減らす対策を練る手法を実践しました。現場の方たちと信頼関係を構築し、地道な取り組みを積み重ねた結果、クレームが出る確率を1ppm(0.0001パーセント)まで下げることに成功できたときは嬉しかったですね。おそらくは世界でもトップクラスの確率だと思います。



── 新卒で入社した企業に定年退職まで在籍したことになるわけですね



▲アルミ製のボンネットの裏側。村上さん曰く、信号待ちのときなどダクトから熱気が輩出されるのが確認できるそうです



勤続40年を越え、単身赴任した時期もありました。いろいろなことがありましたが、我がサラリーマン人生に悔いなしです。



── 村上さんの愛車について教えてください



▲決して威圧的ではないけれど、じっくりと眺めれば眺めるほどその存在感に圧倒されるフロントマスク



2006年式アストンマーティンDB9です。



── 現在の愛車を手に入れたきっかけを教えてください



▲サイドブレーキはフライオフ式。フェラーリ テスタロッサもこの方式でしたね。ブーツも内装と同じレザーで覆われます



もう50年以上も前のことです。当時は高校生でした。映画「007 ゴールドフィンガー(1964年公開)」を観たんです。日本にもボンドカー、つまりアストンマーティンDB5がやってきたんですね。当時の初任給は3万円くらい。その一方でボンドカーは"ウン千万円"というほど別世界の存在でした。



その後、2006年にリメイクした「007 カジノ・ロワイヤル」を観たとき、主演のダニエル・クレイグの操るボンドカーがアストンマーティンDBSだったんですね。「こんなクルマに乗れる人がうらやましい。維持費も高いんだろうなあ」という気持ちが正直なところで、このときもとても買えるクルマだとは思えませんでした。



007シリーズのDVD(最新版はBlu-ray)はすべて保有しているほど好きな映画です。



── そこから急転直下、DB9を手に入れることになったわけですね

▲ボンネットに誇らしく輝くアストンマーティンのバッジ



アストンマーティンへの想いは抱いていましたが、前述のように私が買えるクルマだとは思っていませんでした。インターネットで調べても「アストンマーティンを維持するにはお金が掛かる」という記事や書き込みばかり。私には維持することはできないと思い込んでいました。アストンマーティンは無理でも、メルセデス・ベンツEクラスあたりなら買えるかも…。そんなふうに考えていました。



あるとき、自動車関連の仕事をしている息子から「アストンマーティンは維持費が掛からない」という趣旨をまとめた動画を送ってきてくれたんですね。息子がいうなら大丈夫かもしれない…。そんな折り、自宅から3キロほどの中古車販売店にこのDB9が売られているのを見つけたんです。



── DB9の売り物が生活圏で見つかること自体、レアかもしれません

▲なだらかなルーフライン。シンプルだけど美しいフォルムはずっと眺めていたくなります



私の住まいは郊外ですし、DB9のようなクルマが売られているのは珍しいことでした。しかも、中古車検索サイトで探してもなかなか見つからなかった好みの内外装の組み合わせ、走行距離も2万キロ台…。しかし、"こんな高いクルマ、買えないよね"と悶々としているうちに中古車検索サイトからリスト落ちしたんですね。ショックでしたが、決して安い金額ではありませんし、よい意味で諦めようと思いました。



自宅から5キロ離れたスイミングスクールまでランニングして、プールで泳ぎ、また5キロ走って自宅まで戻ることを日課にしています。ランニングコースにDB9が売られている中古車販売店があるのですが、帰り道に寄ってみたら置いてあるんです。



── 息子さんの後押し。あとは、奥さまをどう説得するかですね

▲レザーとアルカンターラ、アルミ素材が大部分を占める内装。プラスチック部分はスイッチ類やエアコンの吹き出し口くらい



私はいま、72才です。息子の大介から「これから先、年齢を重ねてからアストンマーティンに乗りたいと思っても無理かもしれないよ。いまから乗っていれば大丈夫だから」と背中を押されました。しかし、私ひとりの決断で買うわけにはいきません。妻の同意を得る必要があります。その妻の反応ですが‥。



「えー!」でした(苦笑)。何しろ、私にとって初の輸入車がアストンマーティンですからね。しかし、ここでも息子の存在が功を奏しました。息子もアストンマーティンに乗ってみたい。夫の私ならともかく、息子にもいわれたら母親は弱いですよね。結局「勝手にしたら」ということになり(笑)、DB9を契約することにしました。



── このDB9が初の輸入車とのことですが、愛車遍歴を教えてください

▲シートの縫い目もシンプル。実はシートベルトの付け寝部分も内装と同じ素材のカバーで覆われています



スバル360 トヨタ カローラ、チェイサー、マークII、クラウンなど。国産車がメインです。



── 手に入れて良かった点、苦労している点を教えてください

●手に入れて良かった点



DB9のフォルム、オニキスブラックという名のボディカラーと内装のレザーの色の組み合わせも気に入っています。あと、アクセルを踏み込んだときの12気筒エンジン特有の奥深さを堪能しています。



土埃が目立つので、週に1度は洗車をしないといけないことくらいでしょうか。これも苦労というより、ボディラインを眺めながら楽しんでやっています。



▲魅惑の6リッター、V12エンジン。最高出力517馬力、最高速度295km/h、0~100km/h4.6秒のスペックを誇ります



●苦労している点



クルマに関するマイナートラブルやメンテナンスは、大介と、大介が10代の頃から懇意にしている主治医のおかげで感じたことはありません。しいていえば車高が低いので、段差やクルマ止めに対して注意することくらいでしょうか。



▲一見するとホイールボルトかと思いきや、これはカバーなのです。まさに、お洒落は足元から



── DB9を維持するうえで、大介さんの存在は大きいですね

▲村上さんのカーライフの良き理解者であり、強力なサポーターでもある大介さん。自動車関連業に携わっていらっしゃるだけに、その知識量は伊達じゃありません



そうなんです。維持費を抑えつつ、DB9のコンディションを保つには大介のサポートが必要不可欠です。すべてディーラー任せにすると維持費が掛かるのは事実ですから(ブレーキパッド1台分でウン十万円だとか!)。灰皿がクリスタル製で、これだけで7万円(!)もすると知ったときはさすがに驚きました。



▲クリスタル製の灰皿。お値段なんと7万円!



盗難防止用にDB9を停めているところに監視カメラを取り付けてあるのですが、洗車をしているとカメラを通じて大介から「その洗い方ではダメ!」と指摘されることもあります(笑)。



── 理想的なカーライフですね。奥さまの反応はいかがでしたか?

▲メーターパネル。スピードメーターの針は時計回りに。タコメーターの針は反時計回りに動きます



1度、一緒に出掛けました。妻の感想は「クラウンの方が乗り心地がいいみたい」だそうです(苦笑)。とはいえ、クルマを囲んで父子が喜んでいるのを眺めているのが嬉しいみたいです。



── 不躾ながら、予算抜きで、欲しいクルマBEST3は?

▲魅惑のリアフェンダー。ここを撫でられるのはオーナーにのみ許された特権です



将来、DB9に乗れなくなったとしたら、このクルマは大介に託してその時代のメルセデス・ベンツCクラスにしようかなと思っています。あるとき、息子が試乗車を借りてきてくれて乗ってみたら「やはりドイツ車なんだなぁ」と造りの良さを実感しましたね。



── (野暮な質問ですが)では、村上さんにとって「アガリの1台とは?」

▲DB9のボディサイズは全長×全幅×全高:4720×1904×1282mm。数値以上に引き締まって見えます



それはこのDB9でしょう。長年の夢が叶ったんですから。



── 村上さんにとって、愛車はどんな存在ですか?

▲DB9を「宝物」と語る村上さん。50年以上も前に抱いた夢がかなって良かったですね!



「宝物」です。持っているだけで気持ちが満たされます。



DB9は息子とのコミュニケーションツールでもあるんです。私は3人の子どもがいて、大介の上に姉と兄がいます。2人にとって私は「父親」という存在ですが、この子はもう少し今どきというか「親しみをもって接してくれる親子」のような関係なんですね。



※子どもたちが還暦祝いにと、007 ゴールドフィンガーでショーン・コネリーが身につけていたROLEXと同じモデルの最新モデルをプレゼントしてくれたんです。いまでも愛用しています(もちろん取材時にも)



3人の子どもたちは独立してそれぞれ家を出ていきましたが、大介とはアストンマーティンがあるお陰で共通の話題も増えましたし、いちばんよく会っているかもしれません。



仕事も家庭も趣味も、いま命が尽きてもいいくらいと思えるくらいよい人生が送ってこられたと思います。惜しむらくは、戦時中は飛行機乗りだった、90才で他界した私の親父にも見せてあげたかったですね…。



── 取材後記

▲工場の検査員が手作業で貼っているというプレート



このDB9は手に入れたのは数ヶ月前だという村上さん。これまでこの種のクルマばかり乗り継いできたかのような、落ち着きと自然体な佇まいに「本当ですか!?」と2度聞きしてしまったほどです。



起床後、クラシックギターを弾き、5km走ってスポーツ施設で水泳(ストレッチ後、15分間はバタ足で体を慣らすのだとか。それから"TIスイム"という美しいフォームを保ちながらクロールで泳ぐ)。そしてまた5km走ってご自宅へ。一休みしてギターを楽しみ、そして夜は愛車に乗ってスポーツ施設で水泳…。漢字の書き順の練習。そしてゴルフは週1ラウンド。左利きの村上さん、長年愛用のクラブをとても大切していらっしゃる姿が印象的です。



日頃の鍛錬の成果なのか、村上さんはもちろんのこと、奥さまも薬を一切飲まない生活を送っていらっしゃるのだとか。



▲週1回、ゴルフ場でプレーを楽しんでいるという村上さん。DB9購入時も、トランクにゴルフバッグが収納できるか確認したそうです



家でダラダラ過ごしているそこのお父さん、村上さんのような時間の過ごしかたを少しでも実践してみては…?(自戒を込めて…)



傍目にはものすごくストイックかと思いきや、ご本人とってはあくまでも1日のルーティンワーク。つまり、無理してやっていないのです。誰でも与えられる時間は1日あたり24時間。時間をもっと有効に使わねばと人生の先輩から教わったような気がします。



▲実はレフティの村上さん。長年愛用しているというゴルフクラブも左利き用



本当に欲しいモノほど、簡単には手に入らない。「自分には手が届かない」と諦めてしまう(自分自身を納得させる)ことはいつでもできます。「その一歩を踏み出せるか、否か」。もし、この記事をご覧になっている方のなかで憧れを現実にするか迷っているとしたら…「その一歩を踏み出してみて」ください。遠くから眺めていたはずの憧れの存在が突然、バッと身近なところに現れるかもしれません。



▲取材当日、愛車のBMW i3に乗って駆けつけてくださった大介さんと父子のツーショット



そして、忙しい合間を縫って愛車BMW i3で取材場所に駆けつけてくださった息子の大介さん。遠慮のない会話はまさに父親と息子のやりとりそのもの(笑)。取材中もクルマ好きの父親がいちどは夢想するであろう、愛する我が子と一緒にカーライフを楽しんでいる姿が目に浮かぶようでした。



── オーナープロフィール

お名前:村上延正さん
年齢:72才
職業:無職
愛車:アストンマーティン DB9
年式:2006年式
ミッション:6速AT



── 取材協力:五千頭の龍が昇る聖天宮

・施設名:五千頭の龍が昇る聖天宮
・住所:〒350-0209 埼玉県坂戸市塚越51-1
・TEL:049-281-1161 
・URL:https://www.seitenkyu.com
・アクセス:関越自動車道 鶴ヶ島IC・坂戸出口から3.5km(無料駐車場120台)
・拝観時間:10時~16時(年中無休)
・拝観料:大人 500円(高校生以上)中学生 250円(中学生のみの拝観は可能)。小学生以下は無料(大人の付き添いが必要)
・施設のご紹介:五千頭の龍が昇る聖天宮は台湾・中国の道教のお宮です。どなたでもご自由に拝観いただけます。豪華絢爛なたたずまいは悠久の宮殿を思わせ、色鮮やかな創りは遠くから目をひき一見の価値があります(※公式ホームページより抜粋)



[ライター・撮影/松村透]

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みんなのコメント

15件
  • 読みにくい
  • 文章を読ませたいのか、意味不明に間に挟むウンチクを読ませたいのかどっちかはっきりして欲しい。
    ちゃんと物書きの勉強してる?
    題材が素晴らしいだけに、ライターのセンスの無さで台無しにしてる感じの記事ですね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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