ボルボ、絶叫マシンを安全装備のヒントに

ボルボは、2015年に発売予定の新型「XC90」をはじめ、今後登場するニューモデルに、道路逸脱事故時の乗員の安全性を高める新装備「ランオフ ロード プロテクション」を採用する。

この装備は、道路逸脱事故に乗員の身体に伝わる衝撃を軽減し、乗員保護性能を高めるもの。ボルボによればこの手の事故は、車線から外れた後、車両は側溝に落ちたり、空中に飛ばされたりと、さまざなパターンが想定されるため、効果的な安全装備を開発するのが困難だという。

ボルボのエンジニアのひとりはある日テーマパークで目に止まった乗り物を見て、車両開発のヒントを思いついた。その乗り物は、乗員をあらゆる方向に振り回して絶叫させるロボコースターと呼ばれるもの。エンジニアはこの乗り物の動きが道路からの逸脱事故のときに乗員が体験する激しい衝突圧力に似ていることに気づいたのだ。

さっそく類似した産業用ロボットを導入しテストを実施した結果、道路逸脱事故における乗員の動きを再現することが可能になったとか。

こうして生まれたのが、世界初のランオフ ロード プロテクション。これは瞬間的に電動でシートベルトを巻き上げる機能や、地面へのハードランディングの際の縦方向の衝撃をやわらげるシートのエネルギー吸収機能を備える。遊園地の乗り物からヒントを得た安全装備の実用化はもうすぐだ。