LH、そしてLS型などのハイテク版、そして最先端を行くセンシスSSSなど、確実に世代交代が進む固定式オービス。事実、旧型のループコイル式やレーダー式は現在、絶賛撤去中だが、それでもオービスの元祖、オービスIIIは未だに100機以上が全国で目を光らせていることを忘れちゃいけません!
カメラは銀塩式、しかも36枚でフィルム切れを起こすめんどくさいやつ!
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この旧型ループコイル式オービスが国内に導入されたのは、今を去ること40年前の1976年。アメリカはロッキード社が開発した「オービスIII」を日本の計測器メーカー、東京航空計器が輸入&販売したのがその始まりだ。つまり、「オービス」という名称はれっきとした商標なのだが、国内ではいつのまにか「自動速度取締機」の通称となってしまっている。
そのメカニズムは路面に埋設されたループコイルで速度を測り、設定速度を超えたクルマを約20m後方の本体に設置されたカメラで撮影するというもの(計測方法は下記を参照)。ここまでは最新型のLH、LS型に継承されている。
が、最新型と違うのが、銀塩式のカメラを使っているということ。しかも、入っているフィルムはたったの36枚しか撮れないから36回光ったら、あとはただの箱になってしまう。つまり、定期的なフィルム交換が必要となり、そのフィルムが回収されない限り、呼び出しは来ない。当然、撮影
(無限)→電送というシステムのLHやLSに比べ、どうしても被疑者への通知が遅れてしまう。また、中央装置から速度の設定が行えるLHやLSに対し、オービスIIIはいちいち現場まで出向く必要がある。そんな手間を考えても、警察にとって、新旧交代は急務というわけだ。
ダミーでも抑止効果抜群の不気味さも怖い!
とはいえ、いまだに100機以上が現存し、改良された新しいヴァージョンも見かける、オービスIII。ループコイルを埋める手間はLHやLSと同じだが、道路上にアーチを設けなければいけないLHよりも設置は簡単だし中央装置との通信システムも必要がないというのも考え方によっては利点(シンプルイズベスト?)であることに間違いはない。
もちろん、いずれは消えゆく運命ではあるけれど、路肩や中央分離帯というクルマの走行には影響を与えない場所に設置されているため、例え稼働を中止したとしても、そこに置いておくだけでオービスIIIはドライバーにとって明らかに抑止力となる(LHやHも同様といえば同様だが、道路の頭上にあるため放置しておくと錆や金属疲労により部品が落下したりする恐れがある)。事実、現存する100機以上の中に、ダミーと思われるオービスIIIが相当数、あるのだ。
いずれにせよ、最新型に比べて格段に目立たないという手ごわさは健在。最近のレーダー探知機はGPS機能によりレーダー波を感知しなくても警告を発してくれるからループコイル式の強みは薄れてはいるが、「ついうっかり」まではカバーしてくれない。特に夜、闇夜に突然、現れるオービスIIIにはくれぐれも注意だ!
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