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WEC:プジョー、ル・マン・ハイパーカーから“LMDh”への切り替えも検討へ

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WEC:プジョー、ル・マン・ハイパーカーから“LMDh”への切り替えも検討へ

 グループPSAモータースポーツの代表を務めるジャン-マルク・フィノーによると、プジョーは今後アナウンスされるLMDhプラットフォームの技術規定の内容によっては現在、計画を進めているLMHル・マン・ハイパーカーからプログラムを切り替えることも検討するという。

 プジョーは2019年11月に“ハイパーカー”で2022年からWEC世界耐久選手権/ル・マン24時間レースに復帰参戦すると発表したが、その後スポーツカーレースをとりまく状況は劇的に変化している。

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 そのなかでもひと際大きなトピックだったのが1月にACOフランス西部自動車クラブとIMSAによって発表された“LMDh”プラットフォームの誕生だ。両シリーズによる合意が確認されたことはフランスの自動車メーカーにとってもプログラムの再考につながった。

 IMSAのトップカテゴリーであるDPiの次世代規定であるLMPhは、プジョーがWECの最高峰クラスを戦うこをと可能にする。しかしその場合、マシンは自社製のものではなく外部サプライヤーのベースシャシーと、一部の共通パーツを使用してクルマを組み立てることになる。

 フィノーはプジョーの現在の立ち位置について、LMHプロジェクトの開発を一部スタートさせているものの、それと同時にどちらの方法を採るかを決定する前にLMDhの技術的詳細が発表されるのを待っているとSportscar365に語った。

 これらの詳細は3月18~21日にアメリカ、セブリング・インターナショナル・レースウェイで開催される、WEC第6戦およびIMSA第2戦の併催イベント“スーパーセブリング”のなかでACOとIMSAの技術チームによって明らかにされる予定だ。

「現在、私たちのプロジェクトはLMH規定に基づいているが、LMDhもまた興味深いと考えており検討の対象としている」とフィノー。

「もちろん、これらのレギュレーションにコミットするためにはいくつかの条件がある」

「まず、BoP(バランス・オブ・パフォーマンス)が適切に保たれることが重要であるため、両シリーズの規定で同じエアロダイナミクス、重量、パワーといいた各種項目のレベルが同じである必要がある」

「もちろん、我々は競技者であるため、勝てる可能性がより高いレギュレーションを選択する。その後、マーケティングの効率と、コストについて検討していくんだ」

 また、彼はプジョーが一定の条件の下であれば、ハイブリッドシステムを共有パーツとするLMDhの基本原理を受け入れる意向があることを示唆した。

「(ハイブリッドシステムの)コンポーネントが外部サプライヤーによってデザインされるのか、自社の設計技術者によるものになるのかは当社にとって問題ではない」

「私たちが望むのはパワートレインを扱いやすいものにすることなんだ」

「自動車メーカーにとって大事なのは、より優れたエレクトロニクスを開発することではない。パワートレインの管理を確実にし効率を最適化することだ」

 そう語ったフィノーだが、プジョーブランドにとっては電気および、ハイブリッドテクノロジーも重要な分野であることを強調した。

■仮にLMDhを選択しても、北米シリーズ参戦は行わない見通し

 プジョーは近年、電気自動車市場で存在感を示しており、同社の製品ラインアップには現在2台のフルEVと、3台のPHEVプラグインハイブリッドモデルがある。

 また、同ブランドはかつて、ル・マンを制した『908』のハイブリッドバージョンを開発していたが、2012年のWECシーズン開幕直前にプロジェクトが中止されている。

「プジョースポールの戦略は純粋なICE(内燃機関)から電気自動車へのエネルギー転換である」とフィノーは述べた。

「私たちの提案は低公害車が運転の楽しさや、運転する喜びを提供できることを実証することだ。プジョースポール・エンジニアリングラインでそれを行っていく」

「それを象徴する方法として、スポーツカープログラムをハイブリッドカーで行うことにしたんだ」

 なお、フィノーの話では、LMDhカーがWECとIMSAの両シリーズにどれだけ適しているのかはプジョーの判断要因の中心にはないようだ。

 1月に行われたACOとIMSAの合意発表後もフランスのメーカーは、そのベンチャーをWECプログラムとして言及し続けている。

「アメリカでレースをするのは面白いかもしれないが、それは(LMH又は、LMDhで行う)我々の決定事項ではない」とフィノーは説明した。

「先程も述べたように、私たちの決定はマーケティングの効率とBoPの公平性に基づいて行われるんだ」

「北米シリーズ参戦はチャンスかもしれないが、今のところプログラムの枠内に入っていない。可能であるならば歓迎するよ。しかし、それは私たちが決断することではないんだ」

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