商用車の実力に『旅の視点』を加えて
アウトドア、モビリティ、エコロジーといった最新潮流を『知って・買えて・体験できる』総合展示会、『東京アウトドアショー2025』。今年も会場には多様なメーカーがブースを構えていましたが、筆者が真っ先に足を運んだのは、いすゞブースでした。大型免許を取得(編集部注:【大型免許、取得しました】シリーズ、下記リンク参照)した身としては、惹かれてやまない場所です。
【画像】中身の詰まった一台、いすゞトラヴィオ・エクスペデイション・ストライカー 全16枚
いすゞブースでは、広々とした区画に3台の車両を展示。
ひとつは、話題の小型トラック『エルフミオ』のキャビンスペースを300mm延長し、室内の居住性を向上させた『エルフミオ・スペースキャブ特別仕様車』。もうひとつは、オフロードスタイルの外装パーツを装着した『エルフミオ・クロス・コンセプト』。そして3台目が、キャンピングカー専用シャシー『Travio(トラヴィオ)』をベースにした最新キャンピングカーです。
本稿で取り上げるのは、『トラヴィオ』をベースに日本特種ボディーが架装した最新モデル『トラヴィオ・エクスペデイション・ストライカー』。キャンピングカーでありながらAT限定普通免許での運転が可能という親しみやすさを兼ね備えます。
安全・快適・コンパクト、その三拍子が魅力
まずはベースとなるトラヴィオをおさらい。
一般的にキャンピングカーと聞くと、車体が大きくて運転が難しそうという印象を持たれがちです。トラヴィオは8ナンバー登録のキャンピングカーですが、そうした不安を覆す要素が備わっています。
特筆すべきは、最小回転半径が4.4mに抑えられていること。このサイズの車両としては驚くほど小回りが利きます。筆者が現在所有しているスバル・フォレスターのそれは5.4mで、SUVとしては比較的小回りの利く部類に入ります。それと比較しても、一回り小さいスペースで方向転換が可能なのです。これは、都市部での移動や狭い道の走行でストレスの少ない扱いやすさにつながるでしょう。
安全面でも配慮が行き届いており、レーンキープアシストや全車速対応のクルーズコントロールといった、長距離移動時の疲労軽減につながる機能をしっかり採用。ドライバー異常時対応システムも搭載しており、運転中に意識を失うなどの異常が発生した場合には、自動でハザードランプを点滅させつつクラクションを鳴らし、周囲に異常を知らせながら減速・停止します。
さらに、ドライバーステータスモニター、右左折時にも対応するプリクラッシュブレーキ、フロントブラインドスポットモニターなど、先進的な運転支援装備が数多く盛り込まれています。
旅先でも、日常でも、都市と自然のあいだを快適に行き来できる。トラヴィオは、まさにその『ちょうどいい中間』を狙った存在といえるのではないでしょうか。
走りも装備も『道具としての完成度』で選ぶなら
搭載されるエンジンは、いすゞがタイ市場で展開しているピックアップトラック『D-MAX』にも採用されていた、1.9L直列4気筒ディーゼル『RZ4E』。現地では『国民車』と呼ばれるほどの人気を誇るモデルであり、その信頼性の高さは折り紙付きといえるでしょう。
最高出力は88kW(120ps)、最大トルクは320Nm(32.6kgf-m)と、数値的にも十分な性能を発揮します。長距離移動や登坂など、キャンピングカー特有の使用環境においても、トルクフルなディーゼルの力強さが心強い味方となってくれそうです。
著者自身、同エンジンを搭載した、普通免許で運転可能な『エルフミオ』に試乗した経験があります。発進時のじわりとした滑らかな出だしから、中高速域でのしっかりとした伸びまで、一貫して扱いやすく頼もしい走行フィールが印象に残りました。キャンピングカーという重量級のボディを背負った状態でも、安心して移動を楽しめるだろうと確信しています。
装備面でも高い完成度を誇ります。室内は明るく開放感がありながらも、動線や収納の配置に無駄がなく、水回りも清潔かつ機能的。換気性能といった、旅先での実用性に直結する要素にも手抜かりはありません。
さらに、旅の快適性を高めるための装備として、家庭用エアコンや冷蔵庫、ソーラーパネルなども標準で装備。キャンプや車中泊はもちろん、長期滞在や災害時のシェルターとしても活躍が期待できます。
商用車の堅牢な骨格に、日本特種ボディーによる丁寧な造作が組み合わされたトラヴィオ・エクスペデイション・ストライカー。『中身の詰まった一台』と言えるでしょう。
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