運営元:外車王SOKEN
著者 :高岡 ケン
ベルリンで行われたクラシックカーイベント「Oldtimer Open Air」をレポート。のんびりとした雰囲気ながら、珍車・名車が勢揃い!
皆様はドイツのシュツットガルトといえば何を思い浮かべるだろうか。
ワインやサッカーチームなど有名なものもあるが、もっとも知られているのはポルシェとメルセデス・ベンツではないだろうか。
そう、ここシュツットガルトはポルシェとメルセデス・ベンツが本社を構えており、街中では異常なほどにポルシェとメルセデスが走っている。
著者がシュツットガルトに訪れたのは紛れもなくポルシェミュージアムがお目当てである。
そして去る2022年6月、私は念願叶って人生初のポルシェミュージアムを訪れた。
今回はそんなポルシェミュージアムの魅力について解説していく。
■ポルシェミュージアムについて
ここポルシェミュージアムでは以前、コロナのパンデミックにより一時閉鎖された。
その間、年内に予定されていたメンテナンスやリノベーション、レイアウト変更などが実施されたのだ。
最寄り駅のツフェンハウゼン ポルシェ駅を降りると目の前に近代的で巨大なガラス張りの建物が現れる。
入口には数台のポルシェが展示してあり、主にニューモデルの試乗車として使われているそうだ。
受付では無料のオーディオガイドをレンタルすることができ、日本語の音声もあるので英語やドイツ語が分からなくても問題なく楽しむことが可能だ。
早速エスカレーターを登ると、まず目の前に現れるのはフェルディナント・ポルシェが手掛けた初の電気自動車「ローナー・ポルシェ」が出迎えてくれる。
■ローナー・ポルシェとは?
ポルシェの生みの親であるオーストリア出身のフェルディナント・ポルシェは、幼少期の頃、電気工学に興味があり毎晩自宅の倉庫で研究を行っていた。
1894年にウィーン工科大学で電気工学を学びながら電気機器を取り扱うエッガー社で働いていた。
彼が23歳の頃、馬車メーカーのヤーコプ・ローナーと出会い電気自動車を作りたいという2人の思いが一致したため、フェルディナント・ポルシェをローナー社に迎入れ電気自動車の開発を行った。
1900年のパリ万国博覧会で彼らが手掛けた電気自動車「ローナーポルシェ」が出展され、これをきっかけにフェルディナント・ポルシェは世界中から注目を浴びることになった。
そこからダイムラー社をはじめとした有名企業から声がかかり、自動車業界で数々の成績を収め、1931年にデザイン事務所としてポルシェAGを立ち上げる。
■総展示台数は100台以上!
建物内を反時計回りに見て回ると、初期モデルから最新モデルまで総展示台数約100台のポルシェを見ることができる。
実際に「ル・マン24時間レース」で活躍したラリーカーや「F1」で活躍したフォーミュラカーなども当時のままの姿で展示している。
中でも魅力的だったのは、この996型のポルシェ911、どこかで見覚えはないだろうか?そう。ディズニー・ピクサー映画作品『カーズ』のヒロイン役のサリー・カレラである。ホイールベースが少し短く、フロントガラスには目が付いておりとてもキュートなクルマだ。
子供から大人まで楽しめる作りになっており、所要時間は2時間程度ですべて見て回ることができる。
■ポルシェミュージアムの営業時間と定休日
営業時間は火曜日から日曜日の午前9時から午後6時まで、毎週月曜日は休館日となっている。
料金は大人10€、学生や年金受給者は5€、14歳以下の子どもは無料となっている。
クルマのレイアウトは数ヶ月に一回変更されているため、何度行っても新しいポルシェミュージアムを楽しむことができ、飽きないのが魅力的だ。
これまでにスポーツカーの歴史を牽引してきたポルシェ。ここに来ればスポーツカーの歴史をすべて知ることができると言っても過言ではない。
[ライター・撮影/高岡ケン]
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