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聞かれてみると答えられない! なぜクルマにフォークリフトのような後輪操舵は存在しないのか

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聞かれてみると答えられない! なぜクルマにフォークリフトのような後輪操舵は存在しないのか

 ドライバーの向きやリヤタイヤとの距離が関係する

 クルマには素朴な疑問を抱くポイントがけっこうある。そのひとつが、なぜ前輪が切れて曲がるのかということ。フォークリフトや建機のようにリヤで操舵する乗用車があってもよさそうだが、4WSを除いて後輪が切れるクルマはない。

一時は消えかけた4WSが今高性能車を中心に続々採用されている理由とは

 簡単な理由から挙げると、人は前を向いて運転するわけで、ハンドルの力は通常であれば素直に前に行く。それが後輪操舵だと、前から後ろへと曲げなくてはならないし距離も遠い。ドライバーが後ろ端にでも座れば解消できるかもしれないが、弊害だらけだろう。挙動としてもかなり振り回されるので、気分が悪くなるというか、乗ってられないかもしれない。

 後輪操舵がメリットを発揮するのは狭い場所での旋回時

 そして機能的にはやはり切れすぎるというのが一番の問題だ。フォークリフトなどが採用しているのは狭い場所でも旋回できるからで、クルマの場合、車庫入れでは重宝するかもしれないが、高速で走っているときは逆に危険。一気にスピンだろうし、切れないように制御すれば大丈夫だろうが、メリットを殺してまで切れないようにする意味はない。4WSのクルマは前輪メインで、後輪はそれをアシストすべくホンの少し、わからない程度に切れるわけだ。

 肝心のコーナリング時にも問題があって、基本的にはアクセルを戻したり、ブレーキを進入で踏むため前荷重になっている。それなのに、後輪が切れるとどうなるか? ただでさえ大きく一気に切れるうえに荷重が抜けているので、一気にスピンするか曲がらないかのどちらか。コントロールできたものではないはず。

 そもそもクルマの技術というのは、現状で問題がなければそのままというのが基本でもある。リスクは増えるし、何十年にもわたって進化させてきたものとは別に、イチから開発しなおさなければならないのは無駄だし、意味もない。

 それにクルマが発明されたばかりの試行錯誤の時代には、おそらく後輪操舵も検討されたこともあるわけで、それでも進化発展しなかったのは、やはり無理があると先人が思ったからだろう。

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