現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【自動車博物館へ行こう】現在のSUBARUの技術的原点は ff-1 1300G 4WDバンにあった

ここから本文です

【自動車博物館へ行こう】現在のSUBARUの技術的原点は ff-1 1300G 4WDバンにあった

掲載 更新
【自動車博物館へ行こう】現在のSUBARUの技術的原点は ff-1 1300G 4WDバンにあった

SUBARU矢島工場(群馬県太田市)の敷地内にあるスバルビジターセンター。ここに現在のSUBARUにつながる興味深い1台が展示されている。(Motor Magazine 2018年6月号より)

初めての乗用4WDモデルは試作のまま販売されず
スバルの小型車は1965年の東京モーターショーに登場したスバル1000から始まった。水平対向4気筒OHVを縦置きしたFFとして登場したモデルで、水平対向エンジンはピストンが互いに向かい合って動くことで往復運動の不平衡慣性力を打ち消し、低重心にできることで大きな注目を集めた。

【やんちゃなトヨタ】セラ トヨタのやり過ぎた傑作車たち その1

ただしヘッド部のオイル管理、排気の取り回しなど難しいところも多く、スバル1000はエンジンの後方にデフ、ギアボックスを配していた。シンメトリカルはここから誕生している。さらにデュアルラジエターに電動ファン、インボード式フロントブレーキと、メカニズムの面でも先進性に富んでいた。

翌1966年5月から発売されたスバル1000は、1967年11月に68psのスポーツを追加する。国産初のラジアルタイヤを採用し、フロントブレーキはインボード式ディスクとなる。そして1969年3月にはボアアップでエンジンを1088ccとして「スバルff-1」を名乗る。ベースは62 ps、スポーツは77 psだった。

そうこうしていると、このクラスにライバルが増え、パワーを競うようになる。それに対抗すべく、さらなるボアアップで1297ccを得て1970年7月に「スバル ff-1 1300G」が登場、80 psと93 psというパワーを手にしたのだった。

こうした中、1971年の東京モーターショーに4輪駆動の「スバルff-1 1300Gバン」が登場する。もともとは1970年に東北電力から「快適な巡回用車両」の依頼を受けたことが発端で、FFのスバル1000バンを4輪駆動に改造することになったのだった。

FFレイアウトをベースに、リアアクスルを組み込み、プロペラシャフトは無理やり室内を貫通させたという。その試作車は積雪地域でのテストで手応えを得て、本格的な開発に入ったが、結局、「スバルff-1 1300G 4WD バン」は市販には至らず、その4WDシステムはレオーネで陽の目を見ることになる。

4輪駆動の「スバルff-1 1300Gバン」は8台が製作され、うち5台が東北電力に納品されたという。スバルビジターセンターにはそのうちの1台が展示されているが、現存モデルはこの展示車のみだ。

スバル ff-1 1300Gバン 4WDバン(1971年)主要諸元
●全長×全幅×全高=3880×1480×14300mm
●エンジン= 水平対向4気筒
●排気量=1267cc
●最高出力=80ps/6400rpm
●最大トルク=10.1kgm/4000rpm
●車両重量=835kg

スバルビジターセンター
群馬県太田市のスバル矢島工場敷地内にあるミュージマム。工場正門を入ってすぐ右側にある。その名のとおり、工場を訪れた人に、スバルのモノ作り、歴史、哲学を広く理解してもらうための施設で、入場は無料。見学の際には担当者が丁寧に案内してくれるので、事前に予約が必要となっている。SUBARUの歴史を振り返ると、スバルの真面目なクルマ作りの一途さがひししと伝わって来る。

●住所:群馬県太田市庄屋町1-1 
●入館料:無料(電話にて要予約/見学可能人数1名~200名) 
●開館時間(見学時間):9:00~/11:00~/13:00~ (1日3回/所要時間約2時間) 
●休館日:スバルビジターセンター ホームページの開館カレンダー参照 
●駐車場:あり(無料、事前申し込みが必要) 
●問い合わせ先:☎0276-48-3101 
●クルマでのアクセス:東北道那須 館林ICより約70分、北関東自動車道 太田桐生ICより約30分 
●電車でのアクセス:東武鉄道「太田駅」より車で約20分、同駅南口より朝日バス「熊谷駅」行き乗車、「マリエール太田前」下車、徒歩約10分、JR「熊谷駅」より車で約50分
●展示車両は入れ替わる場合あり。

こんな記事も読まれています

アルピーヌ、今季初のハイパーポール進出。ミレッシ「散々だった前戦イモラの”癒やし”になったよ」
アルピーヌ、今季初のハイパーポール進出。ミレッシ「散々だった前戦イモラの”癒やし”になったよ」
motorsport.com 日本版
日産「新型エルグランド」登場! ド迫力の「超ワイドグリル顔」に反響あり! 進化する次期型「キング・オブ・ミニバン」のデザインどうなる!
日産「新型エルグランド」登場! ド迫力の「超ワイドグリル顔」に反響あり! 進化する次期型「キング・オブ・ミニバン」のデザインどうなる!
くるまのニュース
マツダCX-5級だから「日本にジャストサイズ」 BMWの新型「X2」は“クーペSUVらしく”カッコいい! ゆとりの室内&力強い走りも魅力的
マツダCX-5級だから「日本にジャストサイズ」 BMWの新型「X2」は“クーペSUVらしく”カッコいい! ゆとりの室内&力強い走りも魅力的
VAGUE
ご飯がススム「かつ鍋」に大満足!! 夜の首都高「大黒PA」
ご飯がススム「かつ鍋」に大満足!! 夜の首都高「大黒PA」
バイクのニュース
「アバルト595」の柔と剛を使い分け!? トライアルのストリート仕様とサーキット仕様を乗り比べました【デモカー試乗】
「アバルト595」の柔と剛を使い分け!? トライアルのストリート仕様とサーキット仕様を乗り比べました【デモカー試乗】
Auto Messe Web
トラック好きじゃなくても圧倒される展示内容! ジャパントラックショー2024は激熱車両だらけだった
トラック好きじゃなくても圧倒される展示内容! ジャパントラックショー2024は激熱車両だらけだった
WEB CARTOP
至極のラグジュアリースポーツ「グラントゥーリズモ」にオープンスーパースポーツの「MC20」も! マセラティ出展情報【ル・ボラン カーズ・ミート2024 横浜】
至極のラグジュアリースポーツ「グラントゥーリズモ」にオープンスーパースポーツの「MC20」も! マセラティ出展情報【ル・ボラン カーズ・ミート2024 横浜】
LE VOLANT CARSMEET WEB
【映画】F1界の帝王を描く「フェラーリ」の場面写真などが解禁に。公開は2024年7月5日!
【映画】F1界の帝王を描く「フェラーリ」の場面写真などが解禁に。公開は2024年7月5日!
Webモーターマガジン
新コースレコード樹立のマルティンPP獲得。マルケス、Q1敗退の13番手|MotoGPフランスGP予選
新コースレコード樹立のマルティンPP獲得。マルケス、Q1敗退の13番手|MotoGPフランスGP予選
motorsport.com 日本版
マツダ『CX-5』次期型に、マツダ製ハイブリッド搭載へ
マツダ『CX-5』次期型に、マツダ製ハイブリッド搭載へ
レスポンス
マツダ、好調な業績を発表:2024年3月期決算
マツダ、好調な業績を発表:2024年3月期決算
レスポンス
ホンダ「過去最高」の営業利益1.4兆円! 2020年後半に向けて電動化追及へ
ホンダ「過去最高」の営業利益1.4兆円! 2020年後半に向けて電動化追及へ
くるまのニュース
煙幕にドアハンドルの電気ショックの007パッケージってナニ!? コルベットを1000馬力に仕上げた「ビースト」がもはやSFアニメのクルマだった
煙幕にドアハンドルの電気ショックの007パッケージってナニ!? コルベットを1000馬力に仕上げた「ビースト」がもはやSFアニメのクルマだった
WEB CARTOP
ステランティス ジープラングラーの24年モデルを発表し国内販売を促進
ステランティス ジープラングラーの24年モデルを発表し国内販売を促進
Auto Prove
フォーミュラE、バッテリーに懸念? ベルリン連戦でアタックモード使用時間を短縮
フォーミュラE、バッテリーに懸念? ベルリン連戦でアタックモード使用時間を短縮
motorsport.com 日本版
初日3番手の勝田貴元「今回は最初から最後までとにかく攻め続ける」/WRCポルトガル デイ1後コメント
初日3番手の勝田貴元「今回は最初から最後までとにかく攻め続ける」/WRCポルトガル デイ1後コメント
AUTOSPORT web
いまクルマを買うなら絶対選びたい装備5選! でも超便利装備なハズなのに……あれ? とならないための注意点とは
いまクルマを買うなら絶対選びたい装備5選! でも超便利装備なハズなのに……あれ? とならないための注意点とは
WEB CARTOP
スズキが“新”「斬新軽トラ」を実車展示! めちゃ「画期的な荷台」がすごい! 精悍ブラック顔×4WD採用の「軽トラ市」向けモデルとは
スズキが“新”「斬新軽トラ」を実車展示! めちゃ「画期的な荷台」がすごい! 精悍ブラック顔×4WD採用の「軽トラ市」向けモデルとは
くるまのニュース

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

105.6117.1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

159.0159.0万円

中古車を検索
レオーネの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

105.6117.1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

159.0159.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村