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【Road Test】マセラティ MC20 チェロがオープンスタイルで実現した理想「稀有なしなやかさと開放感の共存」

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【Road Test】マセラティ MC20 チェロがオープンスタイルで実現した理想「稀有なしなやかさと開放感の共存」

マセラティの新時代を象徴するスーパースポーツモデル、それがMC20である。ミッドシップレイアウトを採用し、自社開発の高性能3L V6ツインターボエンジンを搭載。クーペに続いて登場した、開放感溢れるコンバーチブルモデルのチェロに試乗した。(Motor Magazine 2023年1月号より)

クーペからの「派生」を感じさせない手の込んだ造り込み
ミッドシップスーパースポーツモデルをクーペからコンバーチブルにコンバートするだけならば、ボディから切り離したルーフに電動もしくは油圧式の開閉機構を装着して完成! というケースだって、なきにしもあらずだろう。

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だが、マセラティMC20のコンバーチブル版モデル「チェロ」にはそれとは別次元の、相当に手が込んだモディファイが施された。

そもそもMC20のカーボンモノコックは、一般的なモールド製法ではなくプリプレグ式。しかもクーペ版ではルーフ部分も応力を負担している。その不足分を補うためにチェロでは、カーボンファイバーを積層する向きなどを工夫して、コンバーチブルだからといって妥協のない高剛性を実現した。

エクステリアデザインそのものも、微妙に異なっている。クーペではほぼ直立していたCピラーをチェロで前傾気味に改めたのは、ルーフを開けた状態でも、AピラーからCピラーまでが流れる曲線でつながっているように見せるのが目的だ。

このアレンジを無理なく実現するため、前側のルーフを切り取るポイントにこだわった。フロントウインドウで立ち上がった曲線が、水平近くまで折れ曲がっていく部分が選ばれたという。

さらに、リアフェンダーの肩にあたる部分はクーペより3~4cmほど高くされたが、これはヘッドレストから後方に伸びるフェアリング部分とのつながりをよくするためだ。加えて、フェアリン
グ部分に見える3つの窪みは、通常ならフロントフェンダーに設けられるエアアウトレットを移設し
たもので、MC20チェロがミッドシップであることを示している。

荒れた路面でも乗り心地良し。深い安心感で満たしてくれる
MC20チェロの国際試乗会は、イタリアのシシリー島で開催された。かつてこの島で行われていた「タルガフローリオ」というレースで、マセラティは1937年から40年まで歴史的な4連覇を成し遂げている。

また、美しいワインディングロードからひどく舗装が荒れた路面まで、さまざまな環境でMC20チェロを堪能して欲しいとの思いから、開催地に選ばれたそうだ。こうした彼らの狙いは、見事に達成されたといっていい。

何よりも驚かされたのは、荒れた路面でも乗り心地が良好なことであり、そしてボディが底付きしにくいことだった。MC20チェロのサスペンションストロークは、スーパースポーツカーとしては異例に長く、これが極めて快適な乗り心地をもたらしていることは承知していたが、シシリー島の悪路では、その実力を改めて思い知らされた。

とにかく、深めのヘコみを車輪が通過したり大きな段差を乗り越えたりしても、直接的なショックを感じることは皆無で、滑らかな乗り心地に終始した。また、ときにはフロントの車高を上げるリフトアップも使用したが、大抵の場合は、これを使わなくてもアゴを摺ることはなかった。その意味でも、実用性は極めて高いといえる。

快適なグランドツアラーから、快速ワインディングダンサーに変身
そうした、しなやかな足まわりはワインディングロードでも良好なロードホールディング性を生み出し、安心感の強いハンドリングをもたらす。だが一方で、コーナリングを積極的に楽しもうとすると、反応がワンテンポ遅れる傾向が出てくる。

そんな時はドライビングモードをGTからスポルトに切り替えるとレスポンスが俊敏になり、次から次へと迫るコーナーをリズミカルにクリアできる。しかも、そういった状況でもスタビリティは一切失われず、ドライバーを深い安心感で満たしてくれる点がMC20チェロのもうひとつの魅力だ。

インテリアではドライビングモード切り替えが中央に液晶パネルを備えたものに変更されたが、同じダイヤルは2023年モデル以降のクーペにも採用予定だ。

オープンにすれば限りない開放感が味わえるMC20チェロは、マセラティらしいグランツーリスモとしての持ち味とスーパースポーツカーのパフォーマンスを併せ持つ、世界的にも極めて珍しいコンバーチブルモデルだといえる。(文:大谷達也/写真:マセラティ ジャパン)

マセラティMC20チェロ主要諸元
●全長×全幅×全高:4669×1965×1218mm
●ホイールベース:2700mm
●車両重量:1540kg
●エンジン:V6DOHCツインターボ
●総排気量:3000cc
●最高出力:470kW(630ps)/7500rpm
●最大トルク:730Nm/3000-5500rpm
●トランスミッション:8速DCT
●駆動方式:MR
●燃料・タンク容量:プレミアム ・60L
●タイヤサイズ:前245/35R20、後305/30R20

[ アルバム : マセラティMC20チェロ はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

1件
  • 車もROLEXも
    新車より中古車のほうが遥かに高額になる事態はなんとかならんのか
    アホらしくなる
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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