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2桁ナンバー物語 Vol.5 三重33のBMWアルピナ 3.0CSL B2S (後編)

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2桁ナンバー物語 Vol.5 三重33のBMWアルピナ 3.0CSL B2S (後編)

BMWアルピナの「3.0CSL B2S」を所有する前田哲さんは、幼少期より『サーキットの狼』に登場する隼人ピーターソンが持つ3.0CLSに憧れていたという。

ギャラリー:2桁ナンバー物語 Vol.5 三重33のBMWアルピナ 3.0CSL B2S (後編)前田さんが所有する3.0CSLは1971年製。車体番号などが記されているプレートは当時のまま。オーナーの前田哲(写真右)さんと、「CS Garage」(千葉県流山市)を経営する平澤秀一(写真左)さん。20年以上の付き合いという。搭載するエンジンはB9用の3.5リッター直列6気筒。ボンネット・フードは軽量化のため、アルミ合金製。警告シールなどは新品に交換されている。BMWやアルピナとは異なる専門業社が復刻版を作成・販売しているそうだ。バッテリーはラゲッジルームに搭載。購入時、ステアリング・ホイールはアルピナ製に換装されていたという。アルミホイールはゴールドカラー。ユニークな形状のリアスポイラーは純正品。「年間走行距離は2000km程度です。夏や冬は乗らないです」と、前田さん。シフトノブもアルピナ製に換装。インテリアのウッドパネルは新車時のまま。ニコル主催のイベントで表彰されたときの証書。3.0CSLはカルマン社が製造した。それを示すプレートは新車当時のまま。BMW アルピナ 3.0CSL B2S現在の走行距離は約12万km。オリジナル・シートは現在レストア中のため、コブラ社製(イギリス)に換装されている。ドアライニングは灰皿付き。ボディは、アルピナ創立家のひとりであるアンディ・ボーフェンジーベ氏のサイン入り。BMW アルピナ 3.0CSL B2Sとオーナーの前田さん。BMW アルピナ 3.0CSL B2SBMW アルピナ 3.0CSL B2Sそこで、夢を実現するべく、アメリカで約4万ドルの3.0CSLを1995年に購入した。

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「あたりまえですが、当時は電話とFAXのやりとりだったので、クルマの状態はよくわかりませんでした。購入した個体は、なんとなく状態がよくないことはわかっていたので、名古屋港で実車をみたとき、それほど焦りはしませんでした」

まず、三重県にあるショップでキャブレターをウェーバー社製に換装するなど、約120万円掛けて、普通に走行出来る状態にしたという。

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「実は3.0CSLを購入したら、B2Sに仕上げようと心に決めていました。購入前、『CAR GRAPHIC』でB2Sの存在を知り、デザインと走行性能の高さに惹かれたんです」

3.0CS好きが高じて警察を退職し、古いBMWの専門店「CS Garage」(千葉県流山市)を興した平澤秀一さんに、購入した個体をB2Sにすべく託したという。

「すべてをアルピナのパーツに換装するため、あらゆるものを本国から取り寄せました。エンジン本体(新品)も、アルピナ本社から取り寄せました。当時、アルピナの輸入元であるニコルの広告には『エンジン単体を販売します』と、書いてあったんです」

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換装したエンジンは「B9」(E28)のモノという。当時のアルピナ本社にはエンジンがいくつも置かれた棚のある部屋があったそうだ。

「購入した個体は、ステアリング・ホイールこそ最初からアルピナのものでしたが、それ以外は異なっていましたので、あらゆるアルピナ・パーツを取り寄せました。また、サビの処理も大変でしたね」

前田さんの3.0CSLがB2Sに仕上がるまで要した時間はなんと約6年。その間、1度も乗れなかったという。気になる費用はというと、総計1000万円ちかくになったそうだ。

ギャラリー:2桁ナンバー物語 Vol.5 三重33のBMWアルピナ 3.0CSL B2S (後編)前田さんが所有する3.0CSLは1971年製。車体番号などが記されているプレートは当時のまま。オーナーの前田哲(写真右)さんと、「CS Garage」(千葉県流山市)を経営する平澤秀一(写真左)さん。20年以上の付き合いという。搭載するエンジンはB9用の3.5リッター直列6気筒。ボンネット・フードは軽量化のため、アルミ合金製。警告シールなどは新品に交換されている。BMWやアルピナとは異なる専門業社が復刻版を作成・販売しているそうだ。バッテリーはラゲッジルームに搭載。購入時、ステアリング・ホイールはアルピナ製に換装されていたという。アルミホイールはゴールドカラー。ユニークな形状のリアスポイラーは純正品。「年間走行距離は2000km程度です。夏や冬は乗らないです」と、前田さん。シフトノブもアルピナ製に換装。インテリアのウッドパネルは新車時のまま。ニコル主催のイベントで表彰されたときの証書。3.0CSLはカルマン社が製造した。それを示すプレートは新車当時のまま。BMW アルピナ 3.0CSL B2S現在の走行距離は約12万km。オリジナル・シートは現在レストア中のため、コブラ社製(イギリス)に換装されている。ドアライニングは灰皿付き。ボディは、アルピナ創立家のひとりであるアンディ・ボーフェンジーベ氏のサイン入り。BMW アルピナ 3.0CSL B2Sとオーナーの前田さん。BMW アルピナ 3.0CSL B2SBMW アルピナ 3.0CSL B2Sホンモノのアルピナへ仕上がった3.0CSLを、はじめて運転したときの印象はいかに?

「富士スピードウェイの本コースを走ったのですが、ひとことで言えば“バケモノ”でした。とにかく速い。ストレートで260km/h出ました」

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希望通りに仕上がってから約18年。そのあいだ、大きなトラブルはなかったというが、B9のエンジンに換装したため、「(強大なパワーのせいで)ドライブシャフトが曲がってしまうなどのトラブルはありました」と、前田さん。

整備は年に1回で、オイル交換は5000kmごと。基本は、地元・三重県にあるショップに依頼しているそうで、症状によっては平澤さんが営むCS Garageに持ち込むという。

ギャラリー:2桁ナンバー物語 Vol.5 三重33のBMWアルピナ 3.0CSL B2S (後編)前田さんが所有する3.0CSLは1971年製。車体番号などが記されているプレートは当時のまま。オーナーの前田哲(写真右)さんと、「CS Garage」(千葉県流山市)を経営する平澤秀一(写真左)さん。20年以上の付き合いという。搭載するエンジンはB9用の3.5リッター直列6気筒。ボンネット・フードは軽量化のため、アルミ合金製。警告シールなどは新品に交換されている。BMWやアルピナとは異なる専門業社が復刻版を作成・販売しているそうだ。バッテリーはラゲッジルームに搭載。購入時、ステアリング・ホイールはアルピナ製に換装されていたという。アルミホイールはゴールドカラー。ユニークな形状のリアスポイラーは純正品。「年間走行距離は2000km程度です。夏や冬は乗らないです」と、前田さん。シフトノブもアルピナ製に換装。インテリアのウッドパネルは新車時のまま。ニコル主催のイベントで表彰されたときの証書。3.0CSLはカルマン社が製造した。それを示すプレートは新車当時のまま。BMW アルピナ 3.0CSL B2S現在の走行距離は約12万km。オリジナル・シートは現在レストア中のため、コブラ社製(イギリス)に換装されている。ドアライニングは灰皿付き。ボディは、アルピナ創立家のひとりであるアンディ・ボーフェンジーベ氏のサイン入り。BMW アルピナ 3.0CSL B2Sとオーナーの前田さん。BMW アルピナ 3.0CSL B2SBMW アルピナ 3.0CSL B2Sはじめて間近で見る3.0CSL B2Sは、きわめてコンディションがよそうだ。約1000万円掛けて、徹底的に直しただけのことはある。アルミ製のドアも凹みなどは皆無。タワーバーなどオリジナルパーツも装着されている。

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「所有する3.0CSL B2Sは、アルピナ本社からも認められた個体なんです。以前、アルピナの輸入元であるニコル主催のイベントで表彰されました」

前田さんの3.0CSLは、正真正銘のB2Sだ。アルピナ社の柔軟性をしめすエピソードである。そういえば以前、「B8」(E36)を所有するオーナーを取材したときも「ドアミラーやボディカラーを、設定のないM3(E36)用にしてくれました」と、話していたのを思い出した。

「本来は装着されていないオイルクーラーなど、走行関連部分は色々と手をいれています。点火系や燃料供給装置も最新タイプに換装しました。というのも、250km/h以上になると燃料供給が追いつかなくなるからです」

誰にも譲る気はありませんインテリアもいくつか手を入れたというが、ほとんどはオリジナルのまま。

「ウッドパネルなどはオリジナルのままですが、シフトノブなどはアルピナのものに換装しました。シートは今、レストア中ですのでコブラ社製(イギリス)に換装しています」

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オリジナルのシートは今、前田さん自らレストアしているという。「(経営する建設会社が所有する)建設機械のメンテナンスをいつも自分でしていますから、クルマいじりは得意なんです」と、話す。

現在の走行距離は約12万km(推定)。前田さんは「年間走行距離は約2000kmです。基本は春と秋、気候の涼しいときにしか乗りません。あとはイベントに参加するときぐらいですね」と、述べる。

ギャラリー:2桁ナンバー物語 Vol.5 三重33のBMWアルピナ 3.0CSL B2S (後編)前田さんが所有する3.0CSLは1971年製。車体番号などが記されているプレートは当時のまま。オーナーの前田哲(写真右)さんと、「CS Garage」(千葉県流山市)を経営する平澤秀一(写真左)さん。20年以上の付き合いという。搭載するエンジンはB9用の3.5リッター直列6気筒。ボンネット・フードは軽量化のため、アルミ合金製。警告シールなどは新品に交換されている。BMWやアルピナとは異なる専門業社が復刻版を作成・販売しているそうだ。バッテリーはラゲッジルームに搭載。購入時、ステアリング・ホイールはアルピナ製に換装されていたという。アルミホイールはゴールドカラー。ユニークな形状のリアスポイラーは純正品。「年間走行距離は2000km程度です。夏や冬は乗らないです」と、前田さん。シフトノブもアルピナ製に換装。インテリアのウッドパネルは新車時のまま。ニコル主催のイベントで表彰されたときの証書。3.0CSLはカルマン社が製造した。それを示すプレートは新車当時のまま。BMW アルピナ 3.0CSL B2S現在の走行距離は約12万km。オリジナル・シートは現在レストア中のため、コブラ社製(イギリス)に換装されている。ドアライニングは灰皿付き。ボディは、アルピナ創立家のひとりであるアンディ・ボーフェンジーベ氏のサイン入り。BMW アルピナ 3.0CSL B2Sとオーナーの前田さん。BMW アルピナ 3.0CSL B2SBMW アルピナ 3.0CSL B2Sアルピナの輸入元であるニコル・グループ主催の「NICOLE Circuit Day」(場所:富士スピードウェイ、不定期開催)にもよく参加するそうだ。

「NICOLE Circuit Dayに行くと、ニコル・グループのトップであるC.H. ニコ・ローレケさんから『(B2Sを)譲ってくれないか?』と、半分冗談、半分本気でお願いされますが丁寧にお断りしています。一生所有しようと決めたクルマですので」

前田さんは今、ポルシェ「カイエン」やRUFが手がけた「911(964)」なども所有する。が、3.0CSL B2Sに対する思い入れは、ほかのクルマと大きく異なる。

「コツコツと、何年も掛けて仕上げたクルマですから思い入れが強いんです。手塩にかけて育てた1台ですからね。家族の理解ですか? 3.0CSL B2Sにかんしては諦めているようです(笑)」

幼少期の憧れにくわえ、アルピナ化も実現した前田さんの情熱には驚くばかりだ。3.0CSL B2Sを一生所有し続けたいと思うのも納得である。

文・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.)

【2桁ナンバー物語 過去記事】

Vol.1 春日部33のブガッティ EB110 前編/後編

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