縦置き直6エンジン&FR戦略をスタートさせたマツダだが、そのイメージリーダーとなるはずだった上級クーペとセダンの開発が止まっているという。今、何が起きているのか? 総力を挙げ取材!
※本稿は2022年7月のものです
文・予想CG/ベストカー編集部、写真/MAZDA、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2022年8月26日号
新型マツダ6に危機!? コスモ直系クーペも開発中止か??? マツダFR戦略に立ち込める暗雲を追え!!!
■次期MAZDA6の開発は「保留状態」に
2022年6月に発表され、9月から発売となるCX-60から始まったマツダのエンジン縦置きプラットフォームは「ラージアーキテクチャー」とも呼ばれ、MAZDA3/CX-30よりも大きなDセグメント以上のクルマをカバーする新しいテクノロジーだ。
CX-60のパワーユニットは縦置きの直6、3.3Lディーゼルと直4、2.5Lガソリンで、ガソリンエンジンにはPHEV、ディーゼルエンジンにはマイルドハイブリッドも設定される。
トルコンレスの新開発8速ATが組み合わされ、駆動方式はFRとFRベースの4WDとなる。
この新しいプラットフォームはMAZDA6にまず採用され、このMAZDA6にはクーペも用意される、というのがかつてベストカーに入っていた情報だった。
しかし、フタを開けてみると、日本市場も欧米市場も登場したのはSUVのみ。
日欧向けは2列シートのCX-60と3列シート+ワイドボディのCX-80、北米向けは2列シートのCX-70と3列シート+ワイドボディのCX-90(CX-60以外は未発表)。
気になる次期MAZDA6の開発は「保留状態」になっているというのだ。
直6FRプラットフォームの目玉として期待されているMAZDA6(奥)とコスモ直系ラグジュアリークーペだが、現時点での情報では保留状態にあるもよう。マツダのブランド力アップのためにも、ぜひ実現してほしいクルマだが……(画像はベストカーによる予想CG)
人気の高さを考えれば、まずSUVから始めるのは理解できるところだが、関係者によると「ラージアーキテクチャーはSUV専用アイテムになりそうだ」というから驚き。それが真実なら、次期MAZDA6は誕生しないことになってしまう。
次期MAZDA6は、そのデザインの美しさから欧州で「コンセプトカー・オブ・ザ・イヤー」も受賞した「ビジョンクーペ」(2017年の東京モーターショーで世界初公開)がベースになると思われていた。
また、ビジョンクーペは4ドアだが、流麗さに磨きをかけた2ドアクーペ版も用意するとの情報もあった。往年の名車、コスモ直系のラグジュアリークーペである。
■北米市場へ狙いを定めての直6FR戦略 SUVだけで開発費を回収できるのか?
そもそもマツダが直6FR戦略を始めたのは、北米市場で確固たる地位を築くためだ。
販価が高く、利益率の大きなモデルを作らなければ生き残りは難しい。その危機感から思い切った勝負に出たわけで、端的に言えば、マツダのブランド力を大幅に上げるための戦略。
それにはベンツやBMWと真っ向から勝負できるデザイン性と走行性能に優れた高級セダン&クーペは不可欠なはずなのだが……。
関係者の証言を続ける。
「まずは土台を固めるということです。ビジョンクーペのようなクルマは、マツダの社員であれば、誰でも実現したいと思っているものです。一方で“理想ばかり追い続けていていいのか?”という声があるのも事実。好きなことばかりやっていると社内で思われないよう、SUVシリーズをしっかり売っていかなければなりません」
直6FR戦略を強力に推進し、次期社長候補の筆頭と見られていた藤原清志副社長が6月に突如退任。
その理由についてさまざまな憶測が流れているが、本人が語っていない以上「わからない」と言うほかはない。
CX-60に続いては3列シートのCX-80が登場予定。北米用のCX-70、CX-90も含めて直6FRプラットフォームは大型SUV専用で使われていくことになりそうだ(画像はベストカーによる予想CG)
一方で人気のCX-5はこのプラットフォームを使わず、現行モデルの販売を継続する
しかし、次期MAZDA6、コスモ直系ラグジュアリークーペの計画が立ち消え状態になっていることとの関係がまったくないとも言い切れず、マツダに何か大きな動きが出てきていると感じてしまうのは事実だ。
この縦置きエンジンプラットフォームはトヨタと共用するという説もあったが、最新情報ではその線も薄い。
BEVへの転用も可能なように作られているとはいえ、基本的には先ゆき不透明な内燃機関用のアイテムだ。マツダ単独で、しかもSUVだけで多額の開発費を回収できるのかという疑問も生まれる。
■様々な情報を総合すると
ベストカースクープ班が多方面から集めた情報を整理しての結論は「次期MAZDA6の開発は保留状態、ラグジュアリークーペの開発は中止」となる。
そして「その先はSUV群の売れゆきにより決められる」といったところだろうか。
もうひとつ考えられるのは、MAZDA6はスモール商品群とラージ商品群との隙間に存在するCX-5のような立ち位置になるというもの。
すなわち、直6FRではなく現行型のコンポーネントを使いながらフルモデルチェンジ(もしくはマイナーチェンジ)するということ。その場合は、もちろんFFベースということになる。
不明な点が多いマツダの新戦略だが、クルマ好きの心に刺さるものだけに期待は無限大。引き続き今後の動向を注視しお伝えしていきたい。
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みんなのコメント
FRレイアウト、直6エンジン発表当時はそれなりの需要が見込めたんでしょう。
トヨタも当時は乗り気だったのかも。
只、突然の電動化への移行で全てが狂って行ったんだろうね。
6気筒もディーゼルのみなのに北米中心のは笑わせる 北米でディーゼルなんて誰が買います?