■ふたつの主要パワートレインが用意されたダイハツ「ロッキー」とトヨタ「ライズ」
2019年11月にデビューしたコンパクトSUVのダイハツ「ロッキー」とトヨタ「ライズ」が、安定した販売を続けています。
2021年11月には、新開発の1,2リッター「e-SMART(イースマート)ハイブリッド」と1.2リッターガソリン車のラインナップを主力に変更し、さらに盤石な体制としています。
ハイブリッド車とガソリン車は、およそ30万円の価格差があります。果たしてどちらが人気で、そしてどちらがお買い得なのでしょうか。
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ロッキーとライズは、ダイハツ主体で開発されたコンパクトSUVです。
ダイハツの新世代開発コンセプト「DNGA」(Daihatsu New Global Architecture)をもとに、プラットフォームやエンジンを新開発し、操縦性や安定性、先進運転支援機能など、すべての面で高レベルな仕上がりとしています。
パッケージングは全長4m未満に抑え、日本の狭い街中でも扱いやすい5ナンバーサイズ内に収めながら、広い室内や荷室も確保。
いっぽうで外観では、小さなサイズを感じさせない、SUVらしい力強さを与えているのが特徴です。
一般社団法人 日本自動車販売協会連合会(自販連)調べによる、2022年上半期(2022年1月から6月)の新車銘柄別販売ランキングでは、ライズが4万5380台を販売し第5位にランクイン。
ロッキーも1万808台を販売し第27位で、ともにデビュー3年目も安定した売れ行きを示していることがわかります。
ロッキー/ライズがデビューした2019年当初は、1リッター 直列3気筒ターボエンジンを搭載し、1.5リッター並みの動力性能と、カタログ燃費18.6km/L(2WD・WLTCモード燃費)のエコ性能を両立させました。
さらに2021年の一部改良では、1リッターターボを4WD専用エンジンとし、2WD車には2つの新開発パワートレインを設定しています。
ひとつめは、新開発の1.2リッター直列3気筒 自然吸気ガソリンエンジンです。
燃焼効率を高め燃費を向上し、さらに低速域での加速性能を向上させたことで、より扱いやすい仕様となりました。
この高効率な1.2リッターエンジンを発電専用にし、100%モーター駆動としたシリーズハイブリッドが「e-SMART(イースマート)ハイブリッド」です。
低・中速域での扱いやすさに重点を置いた設計で、シンプルな構造としたことで、コンパクトなロッキー/ライズにも搭載可能としているのも特徴となっています。
各2WD車の消費税込み価格は、ライズの1.2リッターガソリン車が170万7000円から203万9000円まで。
ライズのe-SMARTハイブリッド車は216万3000円から232万8000円までです。
ハイブリッドシステムを搭載するSUVのなかでは、最も安いモデルとなります(軽自動車を除く)。
なおロッキー/ライズの各2WD車を同グレード間で比較すると、30万6000円から28万9000円の差があります。
ダイハツ広報部によると、直近のロッキーの販売比率は、ガソリン車4割に対しハイブリッド車が6割を占めているとのこと。約30万円の価格差をものともせず、ハイブリッド人気が高いようです。
それではこの2タイプは、実際のところどちらにお買い得感があるのでしょうか。
■価格差30万円は燃費だけで回収できないが違いは「それだけじゃない」
では、ロッキー/ライズの1.2リッターガソリン車とe-SMARTハイブリッド車のお買い得度を比較してみましょう。
経済産業省 資源エネルギー庁発表による、2022年9月20日現在の全国ガソリン小売価格平均価格は169.7円(レギュラーガソリン/消費税込み)。
これをもとに、カタログ燃費値(WLTCモード燃費)で、5万キロ走行時のガソリン消費量とその時の燃料代を計算してみます。
ロッキー/ライズ e-SMARTハイブリッド車のカタログ燃費は28.0km/Lです。
5万キロでガソリン代はおよそ30万3035円かかる計算です。
これに対し、ロッキー/ライズ 1.2リッターガソリン車のカタログ燃費は20.7km/Lです。
5万キロのガソリン代はおよそ40万9903円となりました。
e-SMARTハイブリッド車と1.2リッターガソリン車の差はおよそ10万円ほど。倍の10万キロを走っても、だいたい20万円の差となります。
あくまでも単純計算による目安でしかありませんが、走行距離が長いユーザーでも、およそ30万円高いe-SMARTハイブリッド車の価格差を回収するのは、容易ではないことが見えてきます。
またそれだけガソリン車の燃費も十分に優秀だ、ということもいえるでしょう。
もちろんハイブリッド車の美点は、単なる燃費の良さだけではありません。価格差なりの上質さが体感できるのもうれしいところです。
低速から高トルクを生み出すモーターの特性を活かし、e-SMARTハイブリッドならではのレスポンス良い走りの気持ちよさやなめらかさ、そして静粛性の高さといったあたりが感じられるはずです。
オーナーにとってこの違いは大きく、所有する満足度も高まるでしょう。
ふたつのパワートレインを選ぶ際には必ず販売店で実際に乗り比べ、それぞれの特性を体感した上で決めるとよいでしょう。
※ ※ ※
ハイブリッドを設定するトヨタのコンパクトSUVでは「ヤリスクロス」もラインナップされています。
こちらは「HYBRID X(2WD)」228万4000円からの設定で、ロッキー/ライズのe-SMARTハイブリッド車とも価格帯が重なります。
ヤリスクロス ハイブリッドのカタログ燃費は、HYBRID X(2WD)で30.8km/L(WLTCモード燃費)で、ロッキー/ライズ e-SMARTハイブリッド車よりもさらに優秀な数値をマークします。
先ほどの計算を当てはめてみると、走行5万キロで消費するガソリン代はおよそ27万5487円となります。
低燃費に加え、ハイブリッドならではのモーター走行感覚などを重視するのなら、ヤリスクロス ハイブリッドとも比較する必要があるかもしれません。
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みんなのコメント
燃費で元を取るとか考えていないけど、リアに7~8馬力のモーターは積めなかったのかな。