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ベントレーが“魔改造”コンチネンタルGT3を開発、2021年もパイクスピーク参戦へ

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ベントレーが“魔改造”コンチネンタルGT3を開発、2021年もパイクスピーク参戦へ

 2018年は市販車SUV部門で、2019年は市販車クラスでも大会レコードを樹立したベントレーは、2021年も6月27日にアメリカ・コロラド州で開催される“雲の上のレース”ことPPHICパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムに参戦すると発表。今回はベントレーが取り組む「持続可能性イニシアチブ」の一環として、再生可能エネルギーで精製されたバイオ燃料を使用し、GT3規定車両をベースに“改良”を施した『コンチネンタルGT3パイクスピーク』を開発。引き続き“King of the Mountain(キング・オブ・ザ・マウンテン)”の称号を持つリース・ミレンのドライブで、タイムアタック1クラスの記録更新を目指す。

 創業101年目を迎えた英国の名門ブランドは、4月12日付けで2021年のPPHIC向けプログラムをアナウンスし、再生可能燃料の研究開発をテーマとしつつ、タイムアタック1記録の“レコードブレイカー”となるべく設計、製造された『コンチネンタルGT3パイクスピーク』を投入し、再生可能燃料で走る最初の競技車両になると発表した。

パイクスピーク・ヒルクライムが新型コロナウイルスの影響で延期に。8月末に開催

 2030年までにロードカーのラインアップをすべて電化する計画のベントレーは、この挑戦に向けて現在、さまざまな燃料の混合物をテストおよび評価しており、標準の化石燃料使用時に比べて温室効果ガス(GHG)が最大85%削減される可能性があるという。

 今後9年間はハイブリッドを含めた「内燃機関搭載モデルを生産する」計画のベントレーだが、現在も路上を走る化石燃料ユニットを使用するカスタマー向けに、真に持続可能な再生可能燃料の提供を目指してプロジェクトに取り組んでいる。

「2030年にフルBEV化を目指す“Beyond100プログラム”の新しいプロジェクト立ち上げとして、再生可能燃料を動力源とした新たな挑戦によって、3度目のパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムに戻ってくることができて光栄に思う」と語るのは、ベントレーのエンジニアリング委員を務めるマシアス・レイブ博士。

「我々のパワートレイン・エンジニアは、電化プログラムと並行して既存の顧客に対する再生可能燃料の研究と、FIAが推進するe-fuel(eフューエル)の双方を研究開発している」

「この『コンチネンタルGT3パイクスピーク』により、当面は再生可能燃料がモータースポーツを責任ある方法で継続できることを示し、3年連続で記録更新の栄誉を獲得することを願っている」

■ベントレー史上最大サイズのリヤウイングを装着

 このプロジェクトには、コンチネンタルGT3を使用してイギリスのタイムアタック大会に参戦してきたカスタマーチームのFastrと、コンチネンタルGT3の車両開発を担ったMスポーツが参画し、実際のPPICH現地ではK-PAXレーシングが実働部隊としてマシンを走らせる。

 タイムアタック1クラスの記録を更新するには、全長12.42マイル(約20km)、156のコーナーを含む高低差5000フィート(約1500m)のコースを、9分36秒未満で走破する必要がある。

 スタートラインからゴール地点では空気密度は海抜0m地点に対して3分の1程度にまで低下するため『コンチネンタルGT3パイクスピーク』にはエンジンと空力パッケージの両面で極度の対応策が盛り込まれた。

 ベントレー史上最大サイズのリヤウイングが目を引く車体後部には、トランスミッションのハウジングを囲むように超大型のリヤディフューザーを装備。空気の薄い環境下でもダウンフォースを獲得するリヤセクションに対応し、フロント側には2枚の大型ダイブプレーン(カナード)を備えたデバイスと、フロア面の2枚のスプリッターによってバランスが取られている。

 エンジンはGT3規定でも搭載する、最高出力約550PSのV型8気筒4リッター・ツインターボをベースに、慎重に精査が進められているバイオ燃料と、空気密度の低いコンディションに対応した燃焼プログラムにより、かなりのパワーが保証されるという。

 さらにリヤウインドウに代わって大型のエアスクープを装着することで冷却性能をアップさせ、アタック中のミレンがセクタータイムを確認できるように、ステアリング脇のロールケージにはタイミングカウンターも装備される。

 現在、この『コンチネンタルGT3パイクスピーク』は英国の拠点で開発とテストのフェーズに入っており、マシンの技術的な詳細やテストの進捗状況に関する最新情報は、第99回大会を前にした5月にもリリースされる予定だ。

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