自分で交換したりセッティングの自由度の高さが魅力!
旧車人気なのはご存じのとおりだが、その魅力でもあり、欠かせないのがキャブレターだ。現在はクルマでは絶滅、バイクでも絶滅寸前で、インジェクションにどんどんと置き換わっている。ベルヌーイの定理を利用しているもので、負圧によって混合気を作ってエンジンに送り込むといった、仕組みはよく見かけるのでここでは触れず。インジェクションとは違う味わいがどこにあるのかを整理してみた。
なくすには惜しすぎる! 時代の流れで消えるも復活してほしいクルマの技術7選+α
1)自分で替えられる
インジェクションも大容量のものに交換することがあるが、コンピュータの書き換えなども含み、実質素人は無理。その点、キャブレターもある程度の習熟は必要だが、個人でもできる。組み合わせるマニホールドを用意すれば、口径を大きいもの(吸気量が増える)に替えたり、他ブランドのものへの交換が可能だ。
2)数を増やせる
純正でもツインキャブをウリにしていたことからもわかるように、エンジンにひとつとは限らない。インジェクターでもシングルポイント(エンジンにひとつ)やマルチポイント(気筒分)はあるが、キャブの場合、かなり自由。ワンキャブはその名のとおり、エンジンにひとつで、ツインキャブはふたつ。ツインキャブで4気筒の場合はひとつあたり2気筒を担当することになる。
またウェーバーやソレックスのように双胴タイプだと、ツインキャブでも実質、1気筒あたりひとつになって高効率を実現でき、スポーツカーだとこれを大々的にアピールした。また360ccの軽スポーツでも3キャブがあった。ただし、むやみに大きくするのはかぶるなどのトラブルが出るだけ。
3)セッティングの自由度が高い
インジェクションが電子制御なら、キャブレターはアナログ。過渡期には電子制御キャブというのがあったが、基本的にはジェットと呼ばれる内部の部品に空いている穴の大きさを交換すると、燃料の流量が変えられてセッティングができる。チューニングした場合だけでなく、安全マージンを取った純正状態からさらに性能を引き出すために交換することもある。
純正スポーツカーでも気軽に吹き上がりを楽しめた
4)ブランドがいろいろ
イタリアのウェーバー、フランスのソレックスといった二大巨頭以外にも、イギリスのSUやイタリアのデロルト、アメリカだとホーリーがメジャーだ。また日本では三国、日立、京浜などがある。世界的に需要は減っているものの、現在も作っているメーカーはあって、旧車やバイクで使われている。
また、三国がソレックスと提携していて、純正採用も多かった。ソレックス、タコ足、デュアルマフラーのチューニング三種の神器、略してソレタコデュアルと呼んでいたのも懐かしい。また自動車メーカーもカタログで、装着しているブランドをアピールしていたのも今では考えられないことだ。
5)手間がかかる
調子が悪いとかかりにくい。寒いとチョークを引いてかける必要がある。季節によってスクリューと呼ばれる部品を回して調整する必要があったりと、デメリットはあるが、この手間がかかるところが逆に愛着が湧いたりする。また、ツインキャブや6気筒の3キャブと、数が多くなるとかかりにくいというか、かけるのにコツが必要で、気難しいのを一発でかけることができるのもクルマ好きの勲章だった。
また数が多いとそれぞれにアクセルワイヤーがつながっていて引っ張らないといけないので、アクセルペダルがかなり重たい。
6)ダイレクトなレスポンスと豪快な吹け
最後は味わいの部分。インジェクションはきめ細かい制御で扱いやすいが、無駄もない。フライバイワイヤーが主流の現在ではなおさらだ。キャブはセッティングが決まっているのが前提だが、アクセルを開けたときのレスポンスがいいし、踏み込めば豪快に吹けて、ビッグキャブだと荒々しいぐらい。また、純正でもスポーツカーなら、激しくはないが同様の味わいが楽しめた。
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みんなのコメント
多かったんじゃないかな。
ノーマル車でもエアクリーナーを変えるだけで
吸い込む音が薄いボンネットを通して聞こえた。