ジャーマン3を筆頭に、高級車メーカーにはステーションワゴン、もしくはシューティングブレークが設定されている。しかし、国産メーカーには、ハッチバックはあれどステーションワゴンがほとんどないのが現状だ。
セダンは設定があるし、ステーションワゴン化も可能だとは考えられるが、なぜ設定しないのだろうか? それとも売れないから割り切っているのか? 気になる事情を考察していく。
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文/岡本幸一郎
写真/AUDI、LEXUS、編集部
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■SUVブームが定着してもプレミアムワゴンは根強い人気
日本で普通に購入できるブランドの中で、ステーションワゴンをラインアップしているのは、トヨタ、ホンダ、マツダ、スバル、メルセデス、BMW、アウディ、VW、ボルボ、ジャガー、プジョー、ルノーなどが挙げられる。
2020-2021カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したスバル『レヴォーグ』。スバルは『レガシー・ツーリングワゴン』でブランドを確立しその血統は『レヴォーグ』に息づいている
2019年に発売開始されたトヨタ『カローラツーリング』。GA-Cプラットフォームを採用することでコンパクトな車体とシャープなハンドリングを実現している
日産、三菱、スズキ、ダイハツにワゴンはない。輸入車では、かつてはスポーツワゴンのあったアルファロメオにはすでになく、アメリカのビッグスリーはすでにそのラインアップからワゴンが消滅してひさしい(※調べ切れていませんが、たしかそのはず)。
一方で、世界的なSUVブームはすっかり定着し、最近ではサイズが小さく価格帯の低いクラスにも続々と多くのメーカーが参入して、まさに百花繚乱状態となっており、それがワゴンにとってかわった部分は小さくない。
なぜそうなったかを考えると、SUVというのはおそらく多くの人にとってワゴンよりも付加価値が高いように目に映るのではないか。いわば使い勝手に優れるスペシャルティカーというふうに認識されて人気を伸ばしていったと考えられる。
それが顕著だった北米や、それに追随した中国に比べると、日本にはその波がだいぶ遅れて到達したような気がしているが、このところSUVの台頭が著しいことには違いない。
ただし、そうはいっても依然としてワゴンの人気は根強く、都市部では欧州プレミアムブランドのワゴンを相変わらずよく見かける。
プレミアムブランドの多くは、セダン、ワゴン、SUVのいずれも選択肢が豊富に用意されているが、SUVの販売比率が年々高まっていて、セダンはもとよりワゴンも徐々に下がっている傾向にある旨をよく耳にする。
やはり世の流れのとおり、このクラスでもSUV人気が高まっていることには違いなさそうだが、そんな中でもセダンやワゴンも一定の支持を得ているというのも、それはそれで特徴的であり興味深い。
プレミアムブランドの中でも、とりわけボルボとアウディはワゴンのイメージが強く、実際に販売的にも、『60シリーズ』や『A4シリーズ』あたりはセダンに比べてワゴンのほうが圧倒的に高くなっている。
ステーションワゴンタイプのアウディ『A4アバント』。ハイパフォーマンスモデルのアウディ『RS4アバント』もラインナップされる
北欧スウェーデンの自動車メーカー、ボルボのステーションワゴン『V60』。ボルボは1980年代から四角い頑丈な車として『240エステート』が人気だった
アウディにいたっては、最高峰となる「RS」を各シリーズに設定しているものの、『A4』と『A6』についてセダンはなくアバントのみとしているくらいだ。あるいは『Cクラス』や『3シリーズ』も、かろうじてセダンが上回っているが、月によってはワゴンと半々ぐらいの販売比率になるという。
SUVがあってもあえてワゴンが選ばれているのは、セダンが低迷した現在でも、こうしたプレミアムブランドのセダンが一定の販売を維持しているのに通じるものがあるように思う。むろん理由はいろいろあるだろうし、ブランド力もあってのことに違いないが、そのブランドの、SUVではなくワゴンがよいのだという積極的な気持ちで選ばれている。
■いまのレクサスにシューティングブレークは必要か?
そこでふと気づくのが、レクサスにワゴンがないことだ。厳密にいうと、過去には唯一、海外では『ISスポーツクロス』というレクサスの一員としてラインアップされ、日本でも『アルテッツァジータ』の名称で販売された、ショートワゴンと5ドアハッチバックのストレッチ版の中間的な、ちょっと変わりダネのモデルがあった。
2001年に登場した『アルテッツァ・ジータ』こと別名レクサス『ISスポーツクロス』。3L直6エンジンを搭載しFRレイアウトと尖がった仕様だった
独特の雰囲気を持つ同車は、それなりに注目されたように記憶しているが、数としてはレクサスにとって納得いくものではなかったようだ。その後も、『IS』や『GS』『ES』をベースとするワゴンがあっても不思議ではなかったものの、これまで設定されたことはない。
そのかたわらでレクサスは、SUVのラインアップ強化には積極的だ。日本では長らく『RX』のみだったが、海外には『ランドクルーザー』をベースとする『LX』と『GX』もあるものの、当初はサイズの大きな車種のみだったところに、『NX』や『UX』を加えてフルラインアップ化を図ってきた。
もともと北米に軸足を置いていたレクサスは、その後も欧州ではいまひとつ伸び悩むいっぽうで、北米や中国では好調だ。そして、北米や中国はワゴンよりもSUVが求められる市場であることも大きく影響しているに違いない。
もしレクサスにワゴンがあれば、それなりに支持されたことだろうが、自らが開拓した得意のSUVをより強化するほうが賢明と判断するのはごく自然のこと。その意味では、あえてワゴンに「逆戻り」する必要もないのではないだろうか。
レクサスでは、既存のボディータイプありきでは開発をしておらず、多様化する世界中のユーザーのニーズに迅速かつきめ細かくお応えするクルマづくりを進めており、各モデルで独自の個性や価値を提供して参りたいと考えていて、それを個々の車種だけでなく、ラインアップ全体でどのようにニーズに応えるか考えている。
そして、初代RXがラグジュアリーSUV市場を開拓したように、今後も新しい価値の提供に向け、あらゆるジャンルのモデルの可能性を追求していくとしている。
思えば、いまでこそクロスオーバーSUVは当たり前のものだが、1997年に『初代RX=ハリアー』が世に出たときには、非常に斬新に目に映ったものだ。
当時のリリースには、「高級乗用車の基本性能と、スポーツ ユーティリティの機動性・機能性を併せ持つ、新しい資質を備えたイノベーティブなスポーツ ユーティリティ サルーン」という「新ジャンルの高級車」である旨が記されている。やがて世界中のメーカーから追随したクルマの数々が送り出されることになったのは周知のとおりだ。
そんな常に新しいものを追求するレクサスは2021年3月30日、ブランド変革に向けた取り組みを、次世代レクサスを象徴するコンセプトカーとともにオンラインで発表した。
2021年3月30日にレクサスブランドのEVコンセプトモデルとして発表された『LF-Z Electrified(エレクトリファイド)』。新たな4駆システム「DIRECT4」を搭載、90kWhのバッテリーで600km走行可能
これまた、SUVクーペやシューティングブレークといった既成概念にとらわれない、まさしく新しいタイプのクルマのように見受けられる。利便性に優れたクルマを、いかに魅力的に見せるか。SUVラインアップの一段落したレクサスが次に目指すのはそこだろう。
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みんなのコメント
1目線が高くタイヤもゴツいから多少ドヤれる
2コンビニのブロックにアゴをヒットしにくい
それ以外思い浮かばん。
とか戯言を抜かす奴らは買う買う詐欺の常習。
まあ、セダンと同じ顔なら売れるのも有るかもしれないけど
マークXジオは特にそう思った。