現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ジャーマン3は設定も興味なし? 国内メーカーはなぜステーションワゴンを作らないのか!?

ここから本文です

ジャーマン3は設定も興味なし? 国内メーカーはなぜステーションワゴンを作らないのか!?

掲載 更新 49
ジャーマン3は設定も興味なし? 国内メーカーはなぜステーションワゴンを作らないのか!?

 ジャーマン3を筆頭に、高級車メーカーにはステーションワゴン、もしくはシューティングブレークが設定されている。しかし、国産メーカーには、ハッチバックはあれどステーションワゴンがほとんどないのが現状だ。

 セダンは設定があるし、ステーションワゴン化も可能だとは考えられるが、なぜ設定しないのだろうか? それとも売れないから割り切っているのか? 気になる事情を考察していく。

デジタル化を強化!! マイナーチェンジ版フォルクスワーゲン パサートを発売

文/岡本幸一郎
写真/AUDI、LEXUS、編集部

【画像ギャラリー】レクサスブランドのEVコンセプトモデル『LF-Z Electrified(エレクトリファイド)』を写真でチェック!!

■SUVブームが定着してもプレミアムワゴンは根強い人気

 日本で普通に購入できるブランドの中で、ステーションワゴンをラインアップしているのは、トヨタ、ホンダ、マツダ、スバル、メルセデス、BMW、アウディ、VW、ボルボ、ジャガー、プジョー、ルノーなどが挙げられる。

2020-2021カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したスバル『レヴォーグ』。スバルは『レガシー・ツーリングワゴン』でブランドを確立しその血統は『レヴォーグ』に息づいている

2019年に発売開始されたトヨタ『カローラツーリング』。GA-Cプラットフォームを採用することでコンパクトな車体とシャープなハンドリングを実現している

 日産、三菱、スズキ、ダイハツにワゴンはない。輸入車では、かつてはスポーツワゴンのあったアルファロメオにはすでになく、アメリカのビッグスリーはすでにそのラインアップからワゴンが消滅してひさしい(※調べ切れていませんが、たしかそのはず)。

 一方で、世界的なSUVブームはすっかり定着し、最近ではサイズが小さく価格帯の低いクラスにも続々と多くのメーカーが参入して、まさに百花繚乱状態となっており、それがワゴンにとってかわった部分は小さくない。

 なぜそうなったかを考えると、SUVというのはおそらく多くの人にとってワゴンよりも付加価値が高いように目に映るのではないか。いわば使い勝手に優れるスペシャルティカーというふうに認識されて人気を伸ばしていったと考えられる。

 それが顕著だった北米や、それに追随した中国に比べると、日本にはその波がだいぶ遅れて到達したような気がしているが、このところSUVの台頭が著しいことには違いない。

 ただし、そうはいっても依然としてワゴンの人気は根強く、都市部では欧州プレミアムブランドのワゴンを相変わらずよく見かける。

 プレミアムブランドの多くは、セダン、ワゴン、SUVのいずれも選択肢が豊富に用意されているが、SUVの販売比率が年々高まっていて、セダンはもとよりワゴンも徐々に下がっている傾向にある旨をよく耳にする。

 やはり世の流れのとおり、このクラスでもSUV人気が高まっていることには違いなさそうだが、そんな中でもセダンやワゴンも一定の支持を得ているというのも、それはそれで特徴的であり興味深い。

 プレミアムブランドの中でも、とりわけボルボとアウディはワゴンのイメージが強く、実際に販売的にも、『60シリーズ』や『A4シリーズ』あたりはセダンに比べてワゴンのほうが圧倒的に高くなっている。

ステーションワゴンタイプのアウディ『A4アバント』。ハイパフォーマンスモデルのアウディ『RS4アバント』もラインナップされる

北欧スウェーデンの自動車メーカー、ボルボのステーションワゴン『V60』。ボルボは1980年代から四角い頑丈な車として『240エステート』が人気だった

 アウディにいたっては、最高峰となる「RS」を各シリーズに設定しているものの、『A4』と『A6』についてセダンはなくアバントのみとしているくらいだ。あるいは『Cクラス』や『3シリーズ』も、かろうじてセダンが上回っているが、月によってはワゴンと半々ぐらいの販売比率になるという。

 SUVがあってもあえてワゴンが選ばれているのは、セダンが低迷した現在でも、こうしたプレミアムブランドのセダンが一定の販売を維持しているのに通じるものがあるように思う。むろん理由はいろいろあるだろうし、ブランド力もあってのことに違いないが、そのブランドの、SUVではなくワゴンがよいのだという積極的な気持ちで選ばれている。

■いまのレクサスにシューティングブレークは必要か?

 そこでふと気づくのが、レクサスにワゴンがないことだ。厳密にいうと、過去には唯一、海外では『ISスポーツクロス』というレクサスの一員としてラインアップされ、日本でも『アルテッツァジータ』の名称で販売された、ショートワゴンと5ドアハッチバックのストレッチ版の中間的な、ちょっと変わりダネのモデルがあった。

2001年に登場した『アルテッツァ・ジータ』こと別名レクサス『ISスポーツクロス』。3L直6エンジンを搭載しFRレイアウトと尖がった仕様だった

 独特の雰囲気を持つ同車は、それなりに注目されたように記憶しているが、数としてはレクサスにとって納得いくものではなかったようだ。その後も、『IS』や『GS』『ES』をベースとするワゴンがあっても不思議ではなかったものの、これまで設定されたことはない。

 そのかたわらでレクサスは、SUVのラインアップ強化には積極的だ。日本では長らく『RX』のみだったが、海外には『ランドクルーザー』をベースとする『LX』と『GX』もあるものの、当初はサイズの大きな車種のみだったところに、『NX』や『UX』を加えてフルラインアップ化を図ってきた。

 もともと北米に軸足を置いていたレクサスは、その後も欧州ではいまひとつ伸び悩むいっぽうで、北米や中国では好調だ。そして、北米や中国はワゴンよりもSUVが求められる市場であることも大きく影響しているに違いない。

 もしレクサスにワゴンがあれば、それなりに支持されたことだろうが、自らが開拓した得意のSUVをより強化するほうが賢明と判断するのはごく自然のこと。その意味では、あえてワゴンに「逆戻り」する必要もないのではないだろうか。

 レクサスでは、既存のボディータイプありきでは開発をしておらず、多様化する世界中のユーザーのニーズに迅速かつきめ細かくお応えするクルマづくりを進めており、各モデルで独自の個性や価値を提供して参りたいと考えていて、それを個々の車種だけでなく、ラインアップ全体でどのようにニーズに応えるか考えている。

 そして、初代RXがラグジュアリーSUV市場を開拓したように、今後も新しい価値の提供に向け、あらゆるジャンルのモデルの可能性を追求していくとしている。

 思えば、いまでこそクロスオーバーSUVは当たり前のものだが、1997年に『初代RX=ハリアー』が世に出たときには、非常に斬新に目に映ったものだ。

 当時のリリースには、「高級乗用車の基本性能と、スポーツ ユーティリティの機動性・機能性を併せ持つ、新しい資質を備えたイノベーティブなスポーツ ユーティリティ サルーン」という「新ジャンルの高級車」である旨が記されている。やがて世界中のメーカーから追随したクルマの数々が送り出されることになったのは周知のとおりだ。

 そんな常に新しいものを追求するレクサスは2021年3月30日、ブランド変革に向けた取り組みを、次世代レクサスを象徴するコンセプトカーとともにオンラインで発表した。

2021年3月30日にレクサスブランドのEVコンセプトモデルとして発表された『LF-Z Electrified(エレクトリファイド)』。新たな4駆システム「DIRECT4」を搭載、90kWhのバッテリーで600km走行可能

 これまた、SUVクーペやシューティングブレークといった既成概念にとらわれない、まさしく新しいタイプのクルマのように見受けられる。利便性に優れたクルマを、いかに魅力的に見せるか。SUVラインアップの一段落したレクサスが次に目指すのはそこだろう。

【画像ギャラリー】レクサスブランドのEVコンセプトモデル『LF-Z Electrified(エレクトリファイド)』を写真でチェック!!

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

[大型ミニバン]頂上対決!? レクサス[LM]vsトヨタ[ヴェルファイア]約800万円の価格差はどこ?
[大型ミニバン]頂上対決!? レクサス[LM]vsトヨタ[ヴェルファイア]約800万円の価格差はどこ?
ベストカーWeb
破格の約90万円!! ダイハツ・[コペン]は今こそ買い時でしょ!
破格の約90万円!! ダイハツ・[コペン]は今こそ買い時でしょ!
ベストカーWeb
[BEV]計画着々と進行中!? トヨタが福岡県に[BEV]電池工場を新設
[BEV]計画着々と進行中!? トヨタが福岡県に[BEV]電池工場を新設
ベストカーWeb
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
AUTOSPORT web
モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
AUTOSPORT web
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
ベストカーWeb
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
AUTOSPORT web
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
ベストカーWeb
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
AUTOSPORT web
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
ベストカーWeb
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
Auto Messe Web
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
AUTOCAR JAPAN
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
AUTOSPORT web
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
乗りものニュース
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
AUTOSPORT web
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
AUTOSPORT web
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
くるまのニュース
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

49件
  • ステーションワゴンよりSUVの方が優れてる点てなんだ?
    1目線が高くタイヤもゴツいから多少ドヤれる
    2コンビニのブロックにアゴをヒットしにくい
    それ以外思い浮かばん。
  • 設定が有れば買うのに・・・
    とか戯言を抜かす奴らは買う買う詐欺の常習。

    まあ、セダンと同じ顔なら売れるのも有るかもしれないけど
    マークXジオは特にそう思った。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

310.2576.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

59.8638.0万円

中古車を検索
レヴォーグの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

310.2576.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

59.8638.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村