6月6日、イギリスのコベントリーにファクトリーを置くジャガー・ランドローバー・クラシックは、往年の名車『ジャガーEタイプ』のレース初勝利を称える限定モデル『JAGUAR E-TYPE ZP COLLECTION(ジャガーEタイプZPコレクション)』を発表した。
ジャガー・ランドローバー・クラシックとは、世界中のクラシック・ジャガーとランドローバー愛好家に向けて、両ブランドの優れたリボーン・レストアや『コンティニュエーション』と呼ばれるオリジナルに忠実なヒストリックカーの製造再開、つまり復刻を行なっている部門だ。
往年のル・マンを制した『ジャガーCタイプ』『Dタイプ』が新車で甦る。6月には一般公開も実施
今回発表されたEタイプZPコレクションは、1961年にグラハム・ヒルとロイ・サルバドーリがステアリングを握り、レースで初優勝を果たした『ジャガーEタイプ』からインスピレーションを受けた特別なモデルだ。この限定モデルの話の前に、まずはオリジナルのEタイプについて少し振り返っておきたい。
1961年に発表されたジャガーEタイプの初期の車両には、レース用にモディファイされた7台の『ZP』と呼ばれるマシンが存在した。エンジンのシリンダーブロックやシリンダーヘッドなどのコンポーネントを強化し、クロスレシオのギヤボックスを組み込んだ『ZP』は、量産型のEタイプがジュネーブモーターショーで世界初公開された翌日に、当時のジャガーのチーフデザイナーであったクロード・ベイリー氏によって発表されることとなる。
この発表からわずか1カ月後の1961年4月15日、イギリスのオウルトン・パークで開催されたGTカーレース、オウルトン・パーク・トロフィーにおいて『ECD400』および『BUY1』の登録番号が付けられた2台のEタイプがそれぞれ1位と3位を獲得する。優勝した『ECD400』のステアリングを握ったのがヒルであり、『BUY1』を駆って3位表彰台を獲得したのがサルバドーリだ。
その後サルバドーリは、同年5月21日にクリスタルパレスでのレースにEタイプを駆って参戦し、自身にとってのEタイプでの初優勝を成し遂げる。ふたりの活躍を皮切りに、Eタイプは1961年から1964年にかけて通算24回の表彰台獲得という目覚ましい成功を収めるのである。
今回発表された『EタイプZPコレクション』では、ヒルがドライブした『ECD400』にインスパイアされたドロップヘッドクーペは、オウルトンブルーのエクステリアにレッドのレザーインテリアが組み合わせられ、サルバドーリの『BUY1』から着想を得たフィックスドヘッドクーペにはクリスタルグレーのエクステリアとダークブルーのインテリアが組み合わせられている。2台のエクステリアカラーに与えられた『オウルトンブルー』と『クリスタルグレー』の名は、それぞれのオリジナルのマシンが初優勝を遂げたサーキットの名を冠したものだ。
2台のインテリアに採用されたレザーは、英国のトップレザーメーカーであるブリッジ・オブ・ウィアー社によるものだ。ほかにもロンドンに拠点を置く彫刻アーティストのジョニー・“キング・ナード”・ダウェル氏が手掛けるアルミニウムコンソールパネルなどの専用アイテムが多数装備され、Eタイプの栄光を称えるに相応しい仕上がりとなっている。
EタイプZPコレクションは、1961年から1964年にかけて生産された『シリーズ1』と呼ばれる3.8リットル直列6気筒XKエンジンを搭載した仕様を基本とし、日常的な扱いやすさを考慮して、電動クーリングファンや電子イグニッションを備えたアロイラジエーター、光沢仕上げのステンレススチール製エキゾーストシステムなどが装着されている。
265馬力を発生するXKエンジンに組み合わされる5速マニュアル・トランスミッションは、すべてのギヤにシンクロメッシュ機構を備え、ヘリカルカットギヤと強化鋳造アルミニウムケーシングを採用することで信頼性と耐久性の向上が図られた。一方、オリジナルを維持することへのこだわりから、このトランスミッションを搭載するためのボディシェルや周辺のコンポーネントへの変更は行われていない。
2台1組、7組限定で製作されるすべての車両は、ジャガー・クラシックのエキスパートが約2000時間をかけて作業し、高度なクラフトマンシップと丹念を込めて製作されるという。
また2023年後半、ジャガーのSVビスポーク・パーソナライゼーションチームは、『EタイプZPコレクション』にインスピレーションを受けたモデルとして、『FタイプZPエディション』を発表予定だ。5.0リットルV型8気筒スーパーチャージドエンジンを搭載したジャガー最後のスポーツカーをベースとしたこの限定車のうち14台は、EタイプZPコレクションを購入したオーナーに割り当てられることになっている。
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