2025年シーズンからヤマハはサテライトチームとしてプラマックを陣営に迎え入れる。RNFが2022年限りで陣営を離れて以来のサテライトチームとなるが、来年のライダーラインアップ選定は、ヤマハがMotoGPにおける復活への決意を知る手がかりとなるだろう。
ヤマハは来シーズンのファクトリーチームのラインアップを既に、ファビオ・クアルタラロとアレックス・リンスで確定している。一方でプラマックのラインアップは未定となっているのが現状だ。
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ただ未発表ではあるものの、プラマックの1席はミゲル・オリベイラ(現在トラックハウス・レーシング)になることが確実視されていて、残る1席への注目が集まっている。
なおプラマックのライダーラインアップについては、ヤマハが決定権を握っている。
「(プラマックは)我々のパートナーチームであり、ヤマハがバイクを供給し、ライダーは我々が決定する。もちろん、プラマックの利益や考えに同意していくことになるのは、言うまでもない」
Autosprot/motorsport.comのインタビューに応じたヤマハの幹部は、ライダーラインアップの決定について訊かれるとそう語った。
「第一のシナリオは、経験豊富なライダー(オリベイラ)と若いライダー、ルーキーを連れて来ることだった」
「ふたつ目のシナリオだが、そちらはバイクの開発をより速くする助けとするために、このカテゴリーを良く知っている経験豊富なライダー2名と契約することだった」
「プラマックと話をした後、スポンサーの考えの問題などから、我々は若いイタリア人ライダーの可能性を評価したんだ」
プラマックはイタリア籍のチームにイタリア企業をメインスポンサーとして迎えている。
当初はヤマハ幹部の言う若手として、Moto2のセルジオ・ガルシアやアロンソ・ロペスが挙げられていたが、スポンサー面のアプローチから同じくMoto2のイタリア人ライダー、トニー・アルボリーノが急速に有力候補として浮上してきたと見られている。
ただ、ここで考えるべき要素がある。ヤマハはYZR-M1の開発にどこまで注力する考えを持っているのかというものだ。つまりサテライトチームの国籍やスポンサーを考慮し若手を選ぶのか、それとも開発を優先して経験豊富なライダーを選ぶのかという問題と言い換えることもできる。
そして開発を優先するのならば、今のライダーマーケットには“利用可能”なライダーがいる。それが、KTMから追われることになったジャック・ミラーだ。
ミラーは今シーズン限りでシートを失ってしまうため求職中だが、イギリスGPでは2025年に向けて「オファーがない」と認めている状況にあった。
そんなミラーの状況に対しては救いの手が伸べられつつある。かつて在籍したプラマックのホスピタリティをマネージャーのアキ・アヨや、MotoGPの商業部門のメンバーとともに訪れている姿が目撃された。まだ明らかになっていることはないが、ミラーはプラマック加入の現実的な選択肢になっていると考えられる。
仮にミラーがプラマックへと加入した場合、チームは同じような特徴を持つライダーを2名抱えることになる。オリベイラとミラーはどちらも29歳で世界選手権では14年のキャリアで、優勝経験もほぼ同数。ファクトリーチーム、サテライトチームをともに経験していて仕事に精通しており、ポルトガルとオーストラリアという国籍もそれぞれの国を代表した立場となるため、商業面で魅力もある。
ヤマハがミラーを起用することが、解決策になると判断したならば、それは完全に理にかなった選択あろう。しかしもしヤマハが外圧からミラーの“救出”に動いたとするならば、それはヤマハのプロジェクトに重大な懸念が生まれることになる。
このMotoGPは常に国籍の多様性を奨励してきた。しかしドルナのカルメロ・エスペレータCEOは現状のグリッドについては「グリッドにイタリアやスペイン人ライダーが多いのは、彼らが速いからだ」と弁護していた。
ライダーを国籍に基づいて選んだとすれば、それは年末にもMotoGPの買収を完了するオーナー(リバティ・メディア)が、スピードよりも多様性を重視しているという結論にも繋がるかもしれない。
その一方で、ヤマハが何よりもバイクの開発と成長を優先事項の中心に据えているという、彼らの決意を真に表すことになるだろう。
今後、ヤマハとプラマックが誰をライダーに選んだのか、その発表も注目したい。
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みんなのコメント
ファビオはアルボリーノ推してるし、ガルシアはランキング1位だし。
ミラーに1年のオファーで開発重視がいいのかとは思うけど。
ホンダと比べて沼から出てきたかと思ったらなんかそうでもないような感じだし。
プラマックのもう1つのシートはさて誰になるでしょうね。