現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 7シリーズへ劣らず快適至極 BMW X7 xドライブ40d Mスポーツへ試乗 小変更

ここから本文です

7シリーズへ劣らず快適至極 BMW X7 xドライブ40d Mスポーツへ試乗 小変更

掲載 3
7シリーズへ劣らず快適至極 BMW X7 xドライブ40d Mスポーツへ試乗 小変更

48VのISGで12ps増強された40d

BMWの大型SUV、X7がフェイスリフトを受け大胆さを一層強めた。3.0L直列6気筒ディーゼルターボを積むxドライブ40dの最高出力も、340psから352psへ、僅かながら上昇している。その見た目へ歩調を合わせるべく。

【画像】7シリーズへ劣らず快適至極 BMW X7 xドライブ40d 競合クラスの大型SUVと比較 全153枚

ただし、この追加となった12psは、8速AT側へ搭載された電圧48Vで稼働するスターター・ジェネレーター(ISG)が生み出している。加速を僅かに鋭くすること以上に、エネルギー効率を高めるためという点が、現代的らしい。

まもなく、新しいBMW MモデルのSUV、XMが公道を走り始める。あちらはアグレッシブなスポーティさに重点が置かれているが、7シーターのX7は、洗練性や上質感に軸足がある。今回の小変更で、更にその特徴を強めたようだ。

今回のリフレッシュでは、フロントマスクへ大幅に手が加えられた。ヘッドライトが上下2段に分かれ、XMとは異なる性格付けと裏腹に、好戦的な容姿が与えられている。目つきはかなり鋭い。そもそも大きかったキドニーグリルは、拡大されていないが。

全体のスタイリングは、多くの人が指定するであろう、Mスポーツとのマッチングが良いと筆者は思う。ちなみに英国仕様には、エクセレンスと呼ばれる快適性志向のグレードも設定されている。

X7のキャラクターと調和する洗練性

ディーゼル・ターボエンジンはスポーティさと結びつきにくいものの、X7のような大型SUVの場合、魅力的な動力源であることに間違いはない。高速道路の合流車線で右足へ力を込めると、余裕のトルクであっという間に流れへ追いつける。

0-100km/h加速に必要な時間は、5.9秒。全長5181mmもある7シーターで、車重は2490kgあるが、怒涛のダッシュを披露する。1750rpmから発揮される最大トルクは71.2kg-mもあり、かつてのフェラーリ・エンツォフェラーリを凌駕する。

X7でもっと鋭い加速を味わいたいなら、別のパワートレインも用意されている。xドライブ40iを指定すれば、380psを発揮するB58型直列6気筒ターボエンジンが付いてくる。こちらでも、ISGによるアシストの恩恵がある。

これでご不満なら、M60iが控えている。同じくマイルド・ハイブリッド化された4.4L V8ツインターボガソリンが、530psを繰り出す。ここまでパワフルなSUVを求める人は限られると思うが。

B57型ディーゼルターボのxドライブ40dなら、12.0km/L前後という、大きさを考えれば悪くない燃費を得られる。驚くほど滑らかに回転し、サウンドもディーゼル特有のカラカラという賑やかさはない。

その洗練性は、X7のキャラクターとも調和できている。Mスポーツ・グレードであっても、快適で安楽に移動できる。

慣れれば3シリーズを操っているかのよう

シャシーは、グレートブリテン島には少々手に余るかもしれない。動力性能ではなく、ボディサイズという点で。制動力に不足はない。コンパクトカーのホイールと同じくらいの直径を持つディスクを、巨大なキャリパーで挟む。

ホイールは21インチと巨大で、タイヤも肉薄ではあるが、乗り心地はフラットでスムーズ。見た目の心配を裏切るほどの、最高の快適性を与えてくれる。気になる点といえば、荒れた路面で響きがちな、ランフラットタイヤのノイズくらいだった。

ステアリングは、驚くほどダイレクトでタイト。カーブの続く一般道では、ボディサイズを小さく感じさせるほど。乗り慣れてくると、ひと回り大きいBMW 3シリーズ・ツーリングを操っているかのように思えてくる。

これは特筆すべき特長といえ、このクラスのSUVでは他に例がない印象だといっていい。車内空間には非常にゆとりがあり、助手席側の人が隣車線のクルマに乗っているように思えるほど、離れているにも関わらず。

ドライバーズシートは、至って快適。電動で細かな位置調整が可能で、マッサージ機能も内蔵されている。よほど身長の高い大人でも、窮屈に感じることはないだろう。

ダッシュボードの上部には、12.3インチのメーター用モニターと、14.9インチのインフォテインメント用タッチモニターが一体になった、カーブを描くパネルが鎮座。筆者には、少し情報過多に思えた。

7シリーズに負けず劣らず快適至極

インフォテインメント・システムは多機能で、お手持ちのiPadの方ができることは少ないかもしれない。マニュアルを読み込まなければ、手放すまで使用しなかった機能も出てきそうに思える。

ナビの起動やアップル・カープレイ、デジタルラジオの選曲などは簡単。だが、新しくスマートフォンと連携させるのは、少々難しく思えた。駐車時は、センサーやカメラなどがドライバーを助けてくれる。

ムードあるアンビエントライトも指定できる。筆者の好みはフラミンゴ・モード。サンルーフ側にもLEDライトが内蔵され、ハイテクな光の演出に浸れる。

リアシート側も広々で快適。小柄な大人であれば、3列目でも充分くつろげるはず。2列シート・レイアウトにすれば、巨大な荷室が出現する。

筆者は実際に試乗するまで、X7の大きすぎるボディに困惑するだろうと予想していた。運転しにくく、馴染めないのではないかと。しかし、それはまったくの杞憂だった。

背の低いリムジンの7シリーズの方が、コンフォートでラグジュアリーな移動手段として適切ではあるものの、X7も負けず劣らず快適至極。実用性の高さでは、比べ物にならないはず。

加えて、大型SUVの動力源としてディーゼルターボは未だにベスト。多くの支持を集めたとしても疑問は抱かない。英国で懸念すべきは、バッテリーEVへの変革期であることと、ウルトラ・ローエミッションゾーン(ULEZ)への立ち入りくらいだろう。

BMW X7 xドライブ40d Mスポーツ(英国仕様)のスペック

英国価格:8万9405ポンド(約1565万円)から
全長:5181mm
全幅:2000mm
全高:1835mm
最高速度:244km/h
0-100km/h加速:5.9秒
燃費:11.6-12.8km/L
CO2排出量:204-225g/km
車両重量:2490kg
パワートレイン:直列6気筒2993ccターボチャージャー+ISG
使用燃料:軽油
最高出力:352ps/4400rpm
最大トルク:71.2kg-m/1750rpm
ギアボックス:8速オートマティック/四輪駆動

関連タグ

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

【特集】レッドブルの非情なドライバー育成……しかし彼ら以上にドライバー育成に注力してきた存在はゼロ
【特集】レッドブルの非情なドライバー育成……しかし彼ら以上にドライバー育成に注力してきた存在はゼロ
motorsport.com 日本版
前の車との「車間距離」めちゃ大事! でも運転中「どうやって」測る!? 「高速」や「一般道」で適切な車間を取る方法とは
前の車との「車間距離」めちゃ大事! でも運転中「どうやって」測る!? 「高速」や「一般道」で適切な車間を取る方法とは
くるまのニュース
まるでリアルRPG!? 目指せ鈴鹿8耐優勝! レーシングライダー石塚健が新チーム立ち上げを発表
まるでリアルRPG!? 目指せ鈴鹿8耐優勝! レーシングライダー石塚健が新チーム立ち上げを発表
バイクのニュース
デジタル装備が進化、走行性能もアップ!フリークも納得した新型「ゴルフ8.5 GTI」の高い実力
デジタル装備が進化、走行性能もアップ!フリークも納得した新型「ゴルフ8.5 GTI」の高い実力
@DIME
【MotoGP】ホンダは思ったより大丈夫? アプリリアから加入のアルベシアーノ「革命は必要ない」
【MotoGP】ホンダは思ったより大丈夫? アプリリアから加入のアルベシアーノ「革命は必要ない」
motorsport.com 日本版
「これが普段使い!?」メルセデスAMG A35が“異次元”サウンドマシンに進化 Pro Shop インストール・レビュー by レジェーラ 後編
「これが普段使い!?」メルセデスAMG A35が“異次元”サウンドマシンに進化 Pro Shop インストール・レビュー by レジェーラ 後編
レスポンス
スーパーフォーミュラの改革は話題づくりだけじゃない。さらなる発展に不可欠な“制度整備”……ハンドボールリーグ元事務局長が荒地を耕す
スーパーフォーミュラの改革は話題づくりだけじゃない。さらなる発展に不可欠な“制度整備”……ハンドボールリーグ元事務局長が荒地を耕す
motorsport.com 日本版
スバル新型「S210」登場! 計算された“300馬力”の意図は? めちゃ速いのに室内が超快適なワケとは? 「“スゴい”スポーツセダン」についてSTI本部長に聞いてみた!
スバル新型「S210」登場! 計算された“300馬力”の意図は? めちゃ速いのに室内が超快適なワケとは? 「“スゴい”スポーツセダン」についてSTI本部長に聞いてみた!
くるまのニュース
 今や“シールドあり”が主流!? 「オフロードヘルメット」とは?
今や“シールドあり”が主流!? 「オフロードヘルメット」とは?
バイクのニュース
タナク、2.5秒差の3番手から虎視眈々「明日を楽しみにしている」/WRCスウェーデン デイ2コメント
タナク、2.5秒差の3番手から虎視眈々「明日を楽しみにしている」/WRCスウェーデン デイ2コメント
AUTOSPORT web
ランチア「ストラトス」やアウディ「クワトロ」など貴重なラリーカーが富士を逆走!「トヨタ7」のエンジンにも火が入りました
ランチア「ストラトス」やアウディ「クワトロ」など貴重なラリーカーが富士を逆走!「トヨタ7」のエンジンにも火が入りました
Auto Messe Web
Genbの『ハイエース』用ブレーキパッドが進化、同乗者や積載物にも優しい自然なフィーリング実現
Genbの『ハイエース』用ブレーキパッドが進化、同乗者や積載物にも優しい自然なフィーリング実現
レスポンス
神童アントネッリ……実は普通の18歳。好物は和牛!? 「鈴鹿を走るのは楽しみだけど、東京とか日本の色々な所に行ってみたい!」
神童アントネッリ……実は普通の18歳。好物は和牛!? 「鈴鹿を走るのは楽しみだけど、東京とか日本の色々な所に行ってみたい!」
motorsport.com 日本版
インテグラなのにおっさんセダン! マークXなのにFF!! 名前は「名車」中身は「迷車」なクルマ4選 
インテグラなのにおっさんセダン! マークXなのにFF!! 名前は「名車」中身は「迷車」なクルマ4選 
WEB CARTOP
路面電車にも「スピード違反」はあるのか 最高速度制限の法律と運用どうなっている?
路面電車にも「スピード違反」はあるのか 最高速度制限の法律と運用どうなっている?
乗りものニュース
わずか全長4m! マツダ「ベリーサ」に反響多数!「まさに小さな高級車」「エンジンが良く回って楽しい!」 コンパクトカーに“豪華内装”実現した「プレミアムハッチ」は今注目の1台!
わずか全長4m! マツダ「ベリーサ」に反響多数!「まさに小さな高級車」「エンジンが良く回って楽しい!」 コンパクトカーに“豪華内装”実現した「プレミアムハッチ」は今注目の1台!
くるまのニュース
死亡リスク大!! 楽しいバイクライフに潜む事故の原因とは?
死亡リスク大!! 楽しいバイクライフに潜む事故の原因とは?
バイクのニュース
F1日本GPアンバサダー、市川團十郎親子が鈴鹿サーキットに見参! レースの世界を満喫……スポーツ走行のエンジン音にも興奮「すごい緊張感」
F1日本GPアンバサダー、市川團十郎親子が鈴鹿サーキットに見参! レースの世界を満喫……スポーツ走行のエンジン音にも興奮「すごい緊張感」
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

3件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1390.01764.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

598.01490.0万円

中古車を検索
X7の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1390.01764.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

598.01490.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村