11月18日~19日、 モビリティリゾートもてぎで全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権(SFライツ)の最終大会(第16戦~第18戦)が行なわれた。その年間結果チャンピオンとなったのは、B-Max Racing Teamの木村偉織だった。
今シーズンのSFライツは、木村とTOM'Sの平良響を中心にタイトル争いが繰り広げられた。そして9月の岡山大会で3連勝した小出峻(TODA RACING)もそこに加わる形で、最終もてぎ大会のレースが行なわれた。
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まず予選では、木村が第16戦、第17戦のポールポジションを獲得し(第18戦のグリッドは第16戦のレース結果で決まる)、ポイントリーダーの平良との点差を8点に縮めた。しかも木村は第16戦の決勝レースでポールから逃げ切って優勝とファステストラップを記録し、4位に終わった平良と同点に並んだ。
そして第17戦でも、木村はポール・トゥ・ウインを記録。平良は5位に終わったため、俄然優位な状況となった。第18戦でもポールスタートとなった木村は、スタートでチームメイトの菅波冬悟の先行を許して2番手となるも、冷静に順位を守り切り2位チェッカー。シリーズタイトルを手中に収めた。
木村は2018年、2019年と鈴鹿サーキット・レーシングスクール(現ホンダ・レーシングスクール鈴鹿)のスカラシップ最終選考に残るも、惜しくもスカラシップ獲得ならず。同時期に受講したドライバーの中には、岩佐歩夢や太田格之進など、既に国内外のカテゴリーで実績を挙げている者もいる。
しかし木村は2021年にホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)からFIA F4に参戦して年間3位に入ると、翌年からHFDPのサポートの下でSFライツに参戦。2年目にして悲願のタイトルを獲得した。
今季は山本尚貴の代役としてスーパーGTのGT500クラスに参戦するなど、大いに経験を積んだ木村。実はレース人生でチャンピオンを獲ったことがなく、それがコンプレックスであったという。相当な覚悟を持って臨んだシーズンだっただけに、今回SFライツのチャンピオンを獲得できたことで、直後は涙が出てきたようだ。
木村はチームのプレスリリースに次のようなコメントを寄せた。
「6歳で始めたカート時代から数多くのレースに出て優勝はしてきましたが、実はチャンピオンは獲ったことがなく、それが自分としてはコンプレックスでした。最高の形で殻を突き破ることができて本当に嬉しいです」
「この週末、チャンピオンのことはできるだけ意識しないようにしていました。自分自身でやれることはすべてやり切って臨んだ最終大会でしたので、緊張するというより集中することができていたと思います。とにかくシンプルにポールを2つ獲って3連勝しようと、それだけを考えていました」
「2年目の今年はチャンピオン獲得が使命でしたので、ファクトリーの近くに住まいを移すなど環境を変え、私生活でも日々のトレーニングや食事などで自分を律してきました。それだけに、最後のチェッカーを受け、チャンピオンが決まった瞬間は、サポートしていただいた人の顔が浮かんで涙が出てきました。年末までは自分に課した制限を少しだけ解放して、また来年に向け精進しようと思います」
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