レーシングカーの血筋を受け継ぐ
「ウラカン・スーパートロフェオ・エボやGT3エボといったレーシングカーの血筋を受け継ぎながら、公道走行が可能なホモロゲーションを取得したスーパースポーツカー」
【画像】ランボルギーニ・ウラカンSTO試乗の様子をみる 全56枚
2020年に発表したウラカンSTOのことを、ランボルギーニはそう説明している。
「レーシングカーとしてのホモロゲーションを取得するために生産されたロードカー」という話はよく耳にするが、ウラカンSTOの成り立ちは、それとは正反対。ただし「レーシングカー直系のロードカー」という捉え方をすれば、両者はまったく同じ関係にあるといってもいいだろう。
なるほど、ウラカンSTOにはレーシングカーと共通のテクノロジーが数多く採用されている。その最たるものが、コファンゴと呼ばれるフロントカウルだ。
これはボンネット/フェンダー/フロントスポイラーなどをコンポジット素材で一体成型した部品のことで、素早い部品の交換などが重要となるレーシングカーではよく見られる手法。
また、一体成型することで軽量化にも役立つが、デザイン的には往年のミウラや限定モデルのセスト・エレメントなどにインスパイアされたことも事実のようだ。
そのほかにも、攻撃的な形状のフロントスプリッター/ボンネット上のエアダクト/ボディ後部のシャークフィンと巨大なリアウィングなど、レーシングカーさながらのエアロデバイスについては枚挙に暇がないほど。
この結果、空力効率を37%改善するとともに、ダウンフォースの量は53%も増加させることに成功したという。
希少となったNA、しかもV10
軽量化への努力にもぬかりはない。ウラカンSTOではボディパネルの実に75%以上をカーボンコンポジット製として1339kgの乾燥重量を達成。これは同じく軽量化に取り組んだウラカン・ペルフォルマンテより43kgも軽いという。
エンジンはウラカン・エボやウラカン・スーパートロフェオに搭載されるのと同じ超高回転型自然吸気V10エンジンで最高出力640ps/最大トルク57.61kg-mを発揮。
ここで生み出されたパワーは7段DCTを経て後輪にのみ伝達される。この点が、前作ペルフォルマンテとの最大の違いといっていいだろう。
シャシー面ではトレッドを拡大したほか、サスペンションブッシュやアンチロールバーを強化。さらに4WSやトルクベクタリングを装備し、ステアリングレシオをよりクイックにするなどして、さらにダイナミックなハンドリングを実現したという。
このSTO、レーシングカー直系のモデルだけあって、公道を走るにはいささか我慢が必要となる。路面からのゴツゴツとした衝撃は比較的はっきりと乗員に伝わってくるほか、波打つようなうねりが続く路面ではボディが上下に揺さぶられるため、快適性は決して高くない。巨大なリアウィングが後方視界を妨げている点も、人によってはストレスを感じるところだろう。
いっぽうで軽量設計の恩恵もはっきりと感じられる。とにかく発進時の動き出しが軽快なうえ、ステアリングレスポンスも極めてシャープ。期待値以上に反応が軽快なため、ワインディングロードでは何度となくオーバースピード気味でコーナーに進入しそうになったほどだ。
サーキットでの印象
しかし、ウラカンSTOが本領を発揮する舞台は、なんといってもサーキットである。私は一度だけ、STOで富士スピードウェイを走行したことがあるので、そのときの印象をここでお届けしよう。
STOならではの軽快さや反応の鋭さはサーキットでも存分に満喫できる。ただし、私にとってとりわけ印象的だったのは、後輪がスライドしてからのコントロール性だった。
ドライビングモード切り替え「アニマ」のストラーダは公道向き、コルサはサーキット向きで、どちらも不用意なテールスライドを抑制して安定したドライビングを可能にする設定。そのなかで、ストラーダは快適性重視、コルサはパフォーマンス重視という違いがある。
いっぽうのスポルトはキャラクターが大きく違って、積極的にテールを振り出してドリフト走行を楽しめるセッティングとされている。私が富士でSTOのテールスライドを楽しんだのも、このスポルトを選んだときのこと。コーナーに進入するスピードを徐々に上げていけば、あるところからスムーズにテールが流れ出し、勇ましいドリフトの姿勢を簡単に作り出せるのだ。
しかも、STOは後輪駆動でありながら、テールスライドの状態でもしっかりとトラクションがかかるうえ、そこから体勢を立て直すのも容易なのだから恐れ入る。この辺のコントロール性は、4WSやトルクベクタリングなどを統合制御することで実現したものだろうが、電子制御による不自然さを一切感じさえないところもウラカンSTOの魅力といえる。
ガヤルド以降のベイビー・ランボは4WDを基本としてきた。そこで培ったドライビングダイナミクスの知見を、後輪駆動でここまで昇華させたランボルギーニの技術力には畏敬の念を抱かずにはいられない。
試乗車のスペック
価格:4125万円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:4547×1945×1220mm
最高速度:310km/h
0-100km/h加速:3.0秒
燃料消費率:13.85L/100km(WLTP)
CO2排出量:331g/km(WLTP)
駆動方式:MR
車両重量:1339kg
パワートレイン:V型10気筒5204cc
使用燃料:ガソリン
最高出力:640ps/8000rpm
最大トルク:57.61kg-m
ギアボックス:7速オートマティック
タイヤサイズ:245/30R20(フロント)305/30R20(リア)
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