ポルシェと共同開発したPPEを使用
アウディがポルシェと共同開発したプレミアム・エレクトリック・プラットフォーム(PPE)を使用する最初のモデルは、A5スポーツバックと同等サイズの背が低い4ドア・クーペになるようだ。
アウディは2025年までに4種類のプラットフォームを使った20車種の電気自動車を発表するという計画を立てている。ドラマティックなニューモデルは、その1台となる。
アウディとポルシェが開発したPPEプラットフォームは、フルサイズのラグジュアリーカー向けで、伝統的な乗用車とSUVのどちらにも使用できる。全長やトレッド幅も調整可能だ。800Vの高電圧システムを採用し、350kWの超急速充電に対応。様々なサイズのバッテリーも搭載でき、最大容量なら一度の充電で500kmの距離を走れるという。
このプラットフォームは、リアに1基のモーターを搭載するレイアウトが標準だが、フロント・アクスルにもう1基のモーターを搭載して四輪駆動にすることも可能だ。トルクベクタリングや四輪操舵を組み込むこともできる。アウディはフォルクスワーゲン・グループのMEBプラットフォームを使ったEVも開発中だが、MEBにこれらの機能を搭載することはできない。
アウディはPPEプラットフォームのパフォーマンスに関する数値を明らかにしていないものの、「基本的にはMEBと同等」と述べている。
フロントはeトロンGTと似たデザインに
この新型電動4ドア・クーペは、アウディによれば大体A4と同サイズで、A7スポーツバックのようなクーペ風のスタイリングになるという。フロント・バンパーとグリルは、2018年に発表されたコンセプトカーのeトロンGTに似たデザインになるようだ。
アウディは公式にこのモデルがPPEプラットフォームを使って製品化されると認めたわけではないが、同社デザイナーのパリス・ツィブルスキは、概要を「述べる」ことができると語った。
ツィブルスキによれぱ、このモデルはまだデザインの初期段階にあり、「PPEプラットフォームを使った最も重要なモデルになるだろう」とのこと。なぜなら、将来その後に登場する様々なモデルの方向性を示すことになるからだ。
アウディはPPEを使ったモデルの生産を2020年代初めより始めると述べている。その先陣を切るスポーツバック・タイプのモデルは、「アッパーミドル・クラスからラグジュアリー・クラスまで」カバーするように開発されたPPEアーキテクチャのお披露目という役割を担うことになる。PPEは他に、クロスオーバーやSUV、セダン、ステーションワゴンのベースとしても使用される。これはつまり、現行ラインナップでいえばA6アヴァント、A7スポーツバック、A8、Q7、Q8に相当するEVモデルが登場する可能性を示唆する。
4種類のEVプラットフォームを使い分け
アウディではPPE以外にも3種類のEVプラットフォームを使用する。既に発表済みのeトロンには、 内燃エンジン搭載モデルと共有するMLB Evoプラットフォームを改変したものが使われている。間もなく発表予定のeトロン・スポーツバックと、それに続く3番目の派生モデルについては、どのプラットフォームが使われるか、まだ明らかにされていない。
そして現在市販化に向けて開発が進められているeトロンGTは、ポルシェ・タイカンの姉妹車となる。これはポルシェが高性能モデル向けに独自開発したJ1アーキテクチャが使われる。
アウディはまた、フォルクスワーゲン・グループのMEBプラットフォームを使った量販モデルも開発中だ。MEBはフォルクスワーゲンをはじめ同グループのセアトやスコダでも使用されている。アウディのMEBを使った最初のモデルは2020年、Q4 eトロンとして市場に投入される予定だ。
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