新型は走行中でも開閉可能。ソフトトップは軽量設計
4シリーズに予定通りカブリオレが追加された。ニュースはリトラクタブルハードトップ(RHT)をついに諦めて「ソフトトップ」へと回帰したことだ。
最大の利点は軽量化である。ルーフ開閉システムだけで従来に比べ40%軽くなった。利便性も向上している、以前は18km/h以下でしか開閉操作ができなかったが、新型では50km/hまでなら可能となった。開閉時間も短縮され、約18秒で完了する。
2997cc直6DOHC24Vターボ 387ps/5800rpm 500Nm/1800~5000rpm Mパフォーマンスチューンの絶品ユニット WLTCモード燃費:10.9km/リッター
ソフトトップは専用スペースにきれいに収納される。フルオープン時のスタイリングはスッキリとした印象。ラグジュアリーオープンらしく華やかだ。クローズドの状態での見栄えは激変した。ボディとトップの2トーンコーディネーションはエレガント。しかもトップデザインがロードスター並みに流麗で美しい。このスタイリングは新型の最大のチャーミングポイントである。やはりソフトトップはいい。
もちろんRHT派にも言い分はあるだろう。例えばクローズド状態で4人乗車を余儀なくされた場合、新型は後席の閉塞感が強い。リアサイドウィンドウが小さめだからだ。クローズド時のセキュリティ効果もRHTにアドバンテージがある。
もっとも、RHTのメリットはもはやその程度。クローズド時の静粛性や剛性感はソフトトップとなってもRHTに負けず優秀だ。新型のソフトトップは、内側にハードトップが入っているんじゃないか、と思ったほどに頑丈で硬いトップである。
珠玉のストレート6。スポーティな乗り味
日本仕様にのラインアップは2リッター直4ターボ(184ps)を搭載したの420iと、Mパフォーマンスチューンの3リッター直6ターボ(387ps)を積む4WDのM440iの2シリーズ。試乗車はM440iだ。パワートレーンや各種装備類はクーペに準じており、BMWの最新仕様でまとめられている。
珠玉のストレート6ターボに火を入れ、まずはクローズドで走り出す。大径タイヤの影響か、低速域で路面からのショックをはっきりと感じる。スポーティな乗り味はクーペと同様だ。速度を上げるにつれて硬さは消えていくが、ハードな印象は持続する。ちなみにソフトトップによる風切り音は皆無だった。
速度を50km/h以下に落としてオープンにした。ウィンドウを上げ、デフレクターを立てておけば風の巻き込みは最小限。快適なドライブを楽しめた。オープン状態では乗り心地が少しだけまろやかになるのも嬉しい。仔細に観察すると、速度を上げていくにつれボディの緩みを感じるが、それも気づくかどうかのレベル。上手にまとめられていた。4シリーズ・カブリオレは、スポーティでエレガントなラグジュアリーオープンの新基準と言っていい。
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