この記事をまとめると
■韓国・キアのコンパクト・クロスオーバーSUVであるニロに試乗した
【試乗】キア EV6 GTは1000万円の価格にも納得! 韓国車の急成長っぷりに日本車の危機しか感じなかった
■キア・ニロはHEV、PHEV、そしてBEVと3タイプを用意するが、今回はBEVに乗った
■コンパクトなボディに広いキャビン、そして優れた乗り心地を実現している
キアのコンパクトクロスオーバーSUVのニロに試乗
昨2022年に、2023年モデルとして販売が開始されたセカンドジェネレーションのキア・ニロ。初代ニロは、2016年にデビューを飾ったヒョンデのアイオニックとプラットフォームを共通するモデルだったが、アイオニックはEVモデル専用の新型プラットフォームを採用したアイオニック5へと進化。それまで兄弟車だったニロはそれを使用せず、ヒョンデのアイオニック5とキアのニロは、互いに別々のモデルとして進化を遂げることになった。
とはいえニロのパフォーマンスは、高い評価を受けた先代のものからさらに進化を遂げている。全長で4318mm、全幅と全高は各々、1826mm、1544mmというコンパクトなクロスオーバースタイルのボディを持ち、ホイールベースは2720mmを確保。それによって高い実用性を生み出しているのが、カスタマーにとっては第一の魅力だ。つまり、この優れたパッケージングがあればこそ、その先にある電動化という新たな魅力が生きてくるのだ。
スタイリングは、先代モデルと比較するとかなり洗練されたものになった。キアの特徴ともいえるタイガーノーズグリルは、より鋭利でスタイリッシュなデザインとなり、ボディ全体のシルエットは、とてもシャープな印象に仕上げられている。とりわけ特徴的なのはリヤセクションの造形で、カスタマーの選択によってはリヤフェンダーの一部からルーフまでをブレードのように、別カラーでペイントすることも可能になっている。
インテリアの機能性もこのクラスでは十分なアドバンテージを持つものだ。ドライバーの前に広がるディスプレイは2個のパナソニック製タッチスクリーンを組み合わせた20インチインターフェイス。
キャビンの広さも外観から想像する以上に広く、キアは、レッグルームを始めパッセンジャーの室内空間は、ライバルモデルのひとつともいえるテスラのモデル3より広いと胸を張る。
快適性も力強さも乗り心地も国産車と遜色ないレベル
HEV、PHEV、そしてBEVと、デビュー時から新型ニロに3タイプの電動モデルを設定してきたキアだが、やはり気になるのはBEVの存在だろう。実際にそのステアリングを握ってみて感じた第一印象は、スペックシートから予想していた以上の力強さとスムースさだった。
フロントに搭載されて前輪を駆動するエレクトリックモーターの最高出力は204馬力。最大トルクは255Nmと、とりたてて驚くべき数字ではないのだが、乾燥重量で1688kgという軽さも影響しているのだろう、発進直後の加速感は爽快のひとことに尽きる。ちなみにキアから発表されているデータによれば、0-100km/h加速は7.8秒。街中で流れをリードするには必要にして十分だろう。
乗り心地の素晴らしさも、このニロEVの大きな魅力。今回はひとりでの乗車がほとんどだったが、それでもサスペンションの動きには落ち着きがあり、日常的に使用するオールラウンダーとしては疲れも最小限に抑えられる。ここで気になるのは、このニロEVの最大航続距離なのだが、これは約462km。搭載されるリチウムイオンバッテリーの容量は64.8kWhで、その充電にはACの普通充電では約2.5日を必要とするが、DCの急速充電器を使用すれば、10%の状態からでも80%までの充電を43分以内に実行することができる。
それにしてもニロEVとは何と快適なクルマなのだろう。エンジン音がないのはあたりまえのことだが、そのほかのノイズや振動もじつに巧みに処理されている。ステアリングのフィーリングにも十分な手応えと正確さを感じるから、長距離の高速道路での移動や、あるいはワインディングロードの走りでも、精神的な疲れはないに等しい。ブレーキのフィーリングもじつに自然だ。HV、PHEV、そしてBEVの各々で、このような同様のフィーリングを生み出すための努力は相当なものだったに違いない。
このBEVモデルでは、総ラゲッジ容量も495リットルが確保されるというから、仮に日本上陸を果たせば、コンパクトなクロスオーバー車としてその存在感は大きくクローズアップされるに違いない。
はたしてキアのBEVが日本の道を走る日は訪れるのだろうか。個人的にはそれを大いに期待したいと感じた試乗だった。
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みんなのコメント
他に良い車いっぱいあるから先ず買わない。