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カリフォルニアからポルトフィーノまで。2+2シーターのV8シリーズ(2008-2017)【フェラーリ名鑑】

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カリフォルニアからポルトフィーノまで。2+2シーターのV8シリーズ(2008-2017)【フェラーリ名鑑】

2008年、エントリーモデル「カリフォルニア」デビュー

2+2GTのモンディアール・シリーズが生産を中止した後、フェラーリはしばらくV型8気筒エンジンを搭載する2+2モデルの生産を行っていなかった。だが市場ではそれを望む声は小さくなかったのだろう、2008年のパリ・サロンでフェラーリはその後継車ともいえるニューモデル「カリフォルニア」を発表し、2009年から本格的な販売を開始した。

カリフォルニアからポルトフィーノまで。2+2シーターのV8シリーズ(2008-2017)【フェラーリ名鑑】

カリフォルニアというネーミングは、これもまたフェラーリのファンの耳には心地良く響くものだ。かつてピニンファリーナ製のボディを組み合わせて誕生した、250GTスパイダー カリフォルニアは、250シリーズの中でも最も優雅で人気の高いモデルとしてファンから羨望の眼差しを集めた1台。そのネーミングが復活したばかりか、フルオートマチックで容易にオープン&クローズが可能なリトラクタブル ルーフをもつことなど、実用性においても現代に復活したカリフォルニアの魅力は非常に高かったのだ。

カリフォルニアはまた、フェラーリのラインナップにおいては、そのボトムレンジを担うモデルでもあり、新たなカスタマーをフェラーリというブランドへと導くエントリーモデルとしての役割も果たしていた。デザインはもちろんピニンファリーナによるもので、ボンネット上のスリットや、フロントフェンダーのスリットには、250GTスパイダー・カリフォルニアのイメージが残されている。

前身ともいえるモンディアールと大きく異なるのはエンジンの搭載位置で、このカリフォルニアは460psの最高出力を発揮する4297ccのV型8気筒エンジンをフロントに搭載した。ちなみにこのカリフォルニア用のV型8気筒エンジンは、458イタリア用のそれとは異なり、90度クランクを採用したもの。直噴式の燃料供給を採用したのも話題となった。リアに搭載され、重量配分の最適化を実現するトランスミッションは、デュアルクラッチ式の7速F1マチック。なおフレームもボディも、このカリフォルニアはすべてがアルミニウム製だ。

30ps向上&30kgの軽量化された「カリフォルニア30」

2012年にはマイナーチェンジが行われ、さらに30psのエクストラと、フロントセクションの剛性強化、そしてサスペンションセッティングの変更などが行われた「カリフォルニア30」が誕生。“30”とは30psの強化ともに30kgの軽量化(剛性などの強化策が施されながらも重量は維持)を意味する。また同時に、よりスポーティなハンドリングを可能とする「ハンドリング・スペチアーレ」がオプションにより選択できるようになった。

V8ターボを搭載した「カリフォルニア T」

そして真のビッグマイナーチェンジはその2年後、2014年に行われる。「カリフォルニア T」がこの時に誕生したモデル。Tはもちろんターボを表す。

カリフォルニアTに搭載されたエンジンは、3855ccの直噴V型8気筒ツインターボ。排気量はそれまでのカリフォルニアから大きく縮小されたものの、最高出力はターボによって大幅に向上、552psという数字が新たにスペックシートには記された。エクステリアでは灯火類やマフラーのデザインが変更されたほか、フロントグリルやボンネット、フロントフェンダーのアウトレット等々もリニューアルされ、より洗練されたスタイルが実現している。

2017年「ポルトフィーノ」として生まれ変わる

そして2017年には、フェラーリの2+2GTは、現行モデルの「ポルトフィーノ」へとフルモデルチェンジされた。ハードトップを採用したクーペ・カブリオレのデザインは、このポルトフィーノでも同様。そのスタイルはカリフォルニア・シリーズにも似るが、ポルトフィーノはフェラーリのデザイン・センターが担当している。

直噴のV型8気筒ツインターボエンジンをフロントに搭載し、後輪を駆動するという基本設計に変化はなく、エンジンはカリフォルニアTのそれをベースとするものの、ピストンやコンロッドなどの主要部品は変更され、吸排気システムやマネージメントシステムにも改良の手が加わった。最高出力は遂に600psを達成。最高速度は320km/h以上と発表されている。フェラーリのエントリーモデルとはいえ、その動力性能や運動性能は、まさに世界の第一線に並ぶ実力を有しているのだ。

【SPECIFICATION】

フェラーリ カリフォルニア

年式:2008年

エンジン:90度V型8気筒DOHC(4バルブ)

排気量:4297cc

最高出力:338kW(460ps)/7750rpm

最大トルク:485Nm/5000rpm

乾燥重量:1630kg

最高速度:310km/h

フェラーリ カリフォルニア 30

年式:2012年

エンジン:90度V型8気筒DOHC(4バルブ)

排気量:4297cc

最高出力:360kW(490ps)/7750rpm

最大トルク:505Nm/5000rpm

乾燥重量:1630kg

最高速度:312km/h

フェラーリ カリフォルニア T

年式:2014年

エンジン:90度V型8気筒DOHCターボ

排気量:3855cc

最高出力:412kW(560ps)/7500rpm

最大トルク:755Nm/4750rpm

乾燥重量:1625kg

最高速度:316km/h

フェラーリ ポルトフィーノ

年式:2017年

エンジン:90度V型8気筒DOHCターボ

排気量:3855cc

最高出力:441kW(600ps)/7500rpm

最大トルク:760Nm/3000 – 5250rpm

乾燥重量:1545kg

最高速度:320km/h

※すべてメーカー公表値

解説/山崎元裕(Motohiro YAMAZAKI)

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