現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 日産ついにルノーと対等に!! 20年目の悲願達成で日産車はどう変わる?

ここから本文です

日産ついにルノーと対等に!! 20年目の悲願達成で日産車はどう変わる?

掲載 49
日産ついにルノーと対等に!!  20年目の悲願達成で日産車はどう変わる?

 2023年2月6日17時半(日本時間)、イギリス・ロンドンでルノー・日産・三菱自動車アライアンスによる共同会見が行われた。懸案であったルノーから日産への出資比率が引き下げられ、相互に15%となった。企業としての立場が対等になったルノーと日産。新アライアンスで日産が次に起こすアクションとは?

文/桃田健史、写真/NISSAN

日産ついにルノーと対等に!! 20年目の悲願達成で日産車はどう変わる?

■ついに次のステップへ

2023年2月6日、ロンドンでルノー・日産・三菱自動車アライアンスによる共同会見が行われた

 「皆さん、おはようございます」。

 日本時間で2023年2月6日の17時半、英国ロンドンで開催されたルノー・日産・三菱自動車(以下、三菱)アライアンスによる共同会見が始まった。

 会見は日本時間の19時まで続いたが、ネット媒体やテレビのニュース番組では3社のアライアンスが新たなる段階に入ったことについて、さまざまな視点で検証していた。

 なかでも、ルノーと日産各々の出資比率に関する新たなる契約内容について、各メディアが独自の見解を示した。

 出資比率は、ルノーは日産に対して43.4%から15%に引き下げられ、その差分である28.4%の株式についてはフランスの信託会社に信託される。これにより、ルノーと日産の出資比率は相互に15%となり、2社各々が議決権を自由に行使することが可能となる。

 つまり、ルノーと日産の企業としての立場が対等になったというわけだ。

 これを、一部メディアでは、「日産がルノー傘下から脱却した」と書く。

 自動車系メディアでも、これまでルノーと日産の企業としての関係性について、アライアンス(協業体制)としながらも、出資比率が「アンバランスではないのか?」という観点で何度も記事化してきた。

 そうした出資比率のアンバランスさが解消されたことは、日産のクルマ作りにどのように影響するのだろうか?

■赤色と黄色でオレンジになっては意味がない

ルノーのルカ・デメオCEO

 時計の針を少し戻すと、ルノーは1999年、経営危機に陥った日産に対して資本参加し、メディアではコストカッターと名付けられ、ルノーから送り込まれたカルロス・ゴーンCEOによって日産の業績は、いわゆるV字回復を遂げる。

 だが周知のとおり、長きに渡るゴーン体制によって日産社内および、日産とルノーの間で歪が生じ、最終的にはゴーン氏の逮捕、そして海外逃亡という、まるで映画のようなストーリー展開になったことは多くの人の記憶に新しいだろう。

 その後、日産の改革についてさまざまな視点で検証が進み、内田誠CEO体制において2020年5月に事業構造計画「Nissan NEXT」が発表された。

 ユーザーにとっては、このなかで資本導入が確定した新型「フェアレディZ」の存在に歓喜し、また「サクラ」と「ARIYA」を筆頭とする日本市場でのEVシフトを現実のものとして捉えることができたと言える。

 また、「Nissan NEXT」とほぼ時期を同じくして、ルノー・日産・三菱は、「競争力と収益性を高める新たなるアライアンス」について発表している。

 ここでは、3社の得意とする車両(車体)、電動化や自動運転などの技術、そして製造・販売の地域で「リーダーとフォロワー」という考え方を強調した。

 さらに、長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」で示した日産の夢に向けて着実に歩んでいく姿勢を強調した。

 だが、2022年になると、筆者を含めてユーザーのなかにも「Nissan NEXTの次」の段階で登場する量産モデルの「具体的なロードマップをそろそろ見せて欲しい」という想いが芽生え初めていたのではないだろうか。

 なぜならば、「Nissan NEXT」は2023年度までの4か年計画であり、また「Nissan Ambition 2030」はあくまでもビジョンという名のイメージに止まっていたからだ。

 その背景について、今回の会見での内田CEO、ルノーのルカ・デメオCEO、三菱の加藤隆雄CEO、そしてルノー会長でアライアンスオペレーティングボード議長のジャン=ドミニク・スナール氏の発言を聞いていると、ルノーと日産との出資比率に関する課題によって、アライアンスのポテンシャルが100%発揮できていなかった、ということがわかる。

 例えば、ルノーのデメオCEOが「赤色と黄色、それぞれを作りたくても、結局(2色が混じって)オレンジになってしまう」という表現を使った。

 これは、日産は日産、ルノーはルノーとして、それぞれがやりたいことを臨機応変に行い、そこに三菱がうまくかかわるために、抜本的な考え方(出資比率)を見直すことが必然だった、ということを示している。

 そのうえで、登壇した関係者は各社がこれまで進めてきた事業戦略を着実にこなしていくことを、改めて強く協調したのが印象的だった。

■キーポイントは、やはり「アンペア」

ルノー会長のジャン=ドミニク・スナール氏

 今回の会見の質疑応答では、ルノーEV関連の新会社「アンペア」に関する質問が多かった。

 ルノーは株式の過半数を維持し、日産は「まずは15%出資から始める」(内田CEO)として、三菱はアンペアへの出資を今後の検討課題というにとどめた。

 一方、アライアンスで今後強化する地域としたラテンアメリカとインドではAセグメントEVを、また政治的な思惑によってEVシフトが急激に進む欧州ではBセグメントEVと、電圧800V対応のCセグメントEVについてルノーと日産が協業を検討するとしている。

 こうした「アンペア」にかかわるEV戦略と、日産が独自に進んている全固体電池の早期量産化などがうまく融合すれば、各種EVの価格は抑制され、また「GT-R」を含む日産の次世代スポーツカーのEVシフトが加速する可能性も充分にあるはずだ。

 ついに大きく羽を伸ばした日産。大いなる躍進を期待したい。

こんな記事も読まれています

ホンダ 新型「シビック」初公開! 3年ぶり顔面刷新に「カッコよくなった」の声も! 精悍デザインの「新モデル」米での“先行発表”に反響集まる
ホンダ 新型「シビック」初公開! 3年ぶり顔面刷新に「カッコよくなった」の声も! 精悍デザインの「新モデル」米での“先行発表”に反響集まる
くるまのニュース
元々の意味を知ってる? ヘッドライトのバツ印
元々の意味を知ってる? ヘッドライトのバツ印
バイクのニュース
決勝でもマクラーレン優勢? レッドブルF1重鎮マルコ、フェルスタッペンのスペインGP予選2番手で“ホッと一息”
決勝でもマクラーレン優勢? レッドブルF1重鎮マルコ、フェルスタッペンのスペインGP予選2番手で“ホッと一息”
motorsport.com 日本版
280馬力モーター搭載の「ヴェローチェ」仕様、アルファロメオ『ジュニア』に設定…欧州市場
280馬力モーター搭載の「ヴェローチェ」仕様、アルファロメオ『ジュニア』に設定…欧州市場
レスポンス
カーナビを購入した後に感じる不満TOP3、3位道案内がわかりづらい、2位地図の更新が面倒、1位は?
カーナビを購入した後に感じる不満TOP3、3位道案内がわかりづらい、2位地図の更新が面倒、1位は?
@DIME
自転車がサイドミラーに「ゴン!」その時どうする!? あなたも被害者・加害者になるかも! お互い「知らんぷり」が絶対ダメな理由とは
自転車がサイドミラーに「ゴン!」その時どうする!? あなたも被害者・加害者になるかも! お互い「知らんぷり」が絶対ダメな理由とは
くるまのニュース
夏は、すぐそこまで来ている! 暑い日にバイクに乗る際の注意点
夏は、すぐそこまで来ている! 暑い日にバイクに乗る際の注意点
バイクのニュース
メルセデス旗艦SUV『GLS』がダウンサイジング!? 電動化でV8と決別か、デザインを予想
メルセデス旗艦SUV『GLS』がダウンサイジング!? 電動化でV8と決別か、デザインを予想
レスポンス
最強のND型「ロードスター」街のディーラーで実車展示中! 日本仕様初の2リッターエンジン車「マツダスピリットレーシング」の実力とは
最強のND型「ロードスター」街のディーラーで実車展示中! 日本仕様初の2リッターエンジン車「マツダスピリットレーシング」の実力とは
VAGUE
トヨタ「新型プリウス“スポーツ”」発売!? 超カッコイイ「ハイブリッドスポーツカー」に変身? ド迫力エアロ「トムスパーツ」7月に登場
トヨタ「新型プリウス“スポーツ”」発売!? 超カッコイイ「ハイブリッドスポーツカー」に変身? ド迫力エアロ「トムスパーツ」7月に登場
くるまのニュース
首都高の二輪事故発生件数 2023年度は過去5年で最小に 重大事故も減少
首都高の二輪事故発生件数 2023年度は過去5年で最小に 重大事故も減少
バイクのニュース
生産終了を撤回、ジープ『ラングラー』最強の470馬力V8搭載「392」を継続
生産終了を撤回、ジープ『ラングラー』最強の470馬力V8搭載「392」を継続
レスポンス
新車販売に不正問題はさほど影響なし! ダイハツも復活してこの先6月から9月までは「新車がお買い得」な時期が続く!!
新車販売に不正問題はさほど影響なし! ダイハツも復活してこの先6月から9月までは「新車がお買い得」な時期が続く!!
WEB CARTOP
【新刊紹介】「日本のオートバイの歴史」二輪車メーカー興亡の記録<増補三訂版>発売
【新刊紹介】「日本のオートバイの歴史」二輪車メーカー興亡の記録<増補三訂版>発売
モーサイ
ケータハムのヘリテージレンジ“スーパーセブン”がスズキ製660ccエンジンを搭載して登場
ケータハムのヘリテージレンジ“スーパーセブン”がスズキ製660ccエンジンを搭載して登場
カー・アンド・ドライバー
小型SUVにさらなるパワーとエレガンスを アップデートされた新型トヨタ ヤリス クロスのファーストチェック!
小型SUVにさらなるパワーとエレガンスを アップデートされた新型トヨタ ヤリス クロスのファーストチェック!
AutoBild Japan
三菱デリカ『D:6』準備中、D:5が19年ぶりにフルモデルチェンジ
三菱デリカ『D:6』準備中、D:5が19年ぶりにフルモデルチェンジ
レスポンス
トヨタ・ホンダ対抗!? 日産「斬新・小型ミニバン」どんな人が買う? 「車中泊最強かも」 バネットとは
トヨタ・ホンダ対抗!? 日産「斬新・小型ミニバン」どんな人が買う? 「車中泊最強かも」 バネットとは
くるまのニュース

みんなのコメント

49件
  • 日産はスライドドアを装備したキューブを復活させた方が良い。エントリーしやすいお値段で。
  • またまた内紛が起きると思うよ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

379.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

-万円

中古車を検索
ビジョンの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

379.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

-万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村