トヨタがプレミアムブランドとして1989年に北米で展開してから、今年で30年目を迎えたレクサス。フラッグシップサルーンのLSによる成功から、レクサスはプレミアムブランドの地位を着実に築いてきた。
今回はその30年間に登場したレクサスの40モデルからベスト10を選んでみたい。選者としてご登場願ったのは、レクサスの30年間を間近で見続け、自らもレクサスモデル購入歴ありの自動車評論家 国沢光宏氏だ。
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※本稿は2019年11月のものです。
文:国沢光宏/写真:ベストカー編集部、LEXUS
初出:『ベストカー』 2019年12月26日号
■最高のレクサスモデルはどれだ?
何と! 1989年にLSとESの2車種からスタートしたレクサスながら、早くも延べ40車種を数えるという。
今回ベスト10を選べというので、絶対評価じゃなく相対評価することにした次第。
いいクルマであってもライバル車のコスパが高いと厳しい評価になり、ベスト10に入らなくなることをご承知置きいただきたいと思う。
また、まったく評価できないモデルも多々あるけれど、それについちゃ今回触れません。
■10位 現行RC F
477psの5L V8を搭載するRC Fは2014年登場。ボディや足回りの強化で完成度が向上
このクルマ、BMWのM3&M4という極めて強力なライバルだけでも厳しい戦いになるのに、GT-Rという決定的な競合車が存在する。
改良によって主としてハンドリングで大きく完成度を上げてきたものの、やはりライバルに届いておらず。せめてデザインで少し頑張ってくれたら魅力度も上がるのに、と思う。
ただレクサス一途のファンなら、けっこう満足できるかもしれません。
■9位 LC500
2017年登場。LC500は477psの5L V8エンジン搭載。3.5LハイブリッドのLC500hもある
現在販売しているレクサスで最も高く評価しています。デザインや雰囲気がいい! このくらいのコンセプトでクルマ作りをしてくれたら、もっとレクサスも売れるんじゃなかろうか。
ただポルシェ911やベンツSLなどと迷ったなら、クルマの魅力だけでなくリセールバリューを含め、LC500は厳しい戦いになる。リセールバリューなんか気にしない! というお金持ちならショッピングリストに!
■8位 初代GS
アリストのレクサス版として初代GSは1993年に登場。3L直6のNAエンジンが搭載された
日本だと「アリスト」と呼ばれたジウジアーロデザインのセダン。レクサスではSCの次に投入されたモデルになります。
日本人からすればユニークなデザインだったけれど、アメリカだと案外普通。むしろSCのほうが人気あったと思う。
ただレクサスの評価を確立したという点で功績大きい。
ちなみにアリストはパワフルな3Lターボも存在したが、GSについちゃ3L NAのみ。トラッドなモデルだった。
■7位 現行LX
3代目となる現行LXは2007年に登場。5.7LのV8エンジンを搭載。2015年のマイナーチェンジと同時に日本で発売
ランクルにタンドラ用の5.7L V8を搭載したモデルで、なかなかカッコいい! 中東だと高級車です。
エンジンにもう少し手を加えパワーアップさせたら一段と存在感が増すんじゃなかろうか。
■6位 現行GX
ランドクルーザープラドのレクサス版がGX。現行型は2代目で4.6L V8エンジンを搭載
日本では販売されていないランクルプラドベースのレクサス。何とV8エンジン搭載モデルもある!
写真を見ていただければわかるとおりデザインだってオシャレ。日本で売ればいいのに、と思う。
■5位 初代RX
オンロードも快適に走れるラグジュアリータイプSUVの先駆けとなった初代RXは1998年登場
日本名ハリアー。1998年にアメリカで発売となり販売的にも大成功する。初代LSと並び、レクサスブランドの確立に貢献した。
初代LSに次ぐ2位としてもよかったけれど、クルマの内容はハリアーと大差なし。というかハリアーのクォリティが高かった?
以後、RXはクルマの仕上がりでイマイチながら、販売台数好調という不思議なクルマになる。現行RXはマイナーチェンジで大幅に質感が上がりました。
■4位 3代目LS
2000年に3代目となったLS。2代目まで4LだったV8エンジンは4.3Lに排気量アップした
レクサスの評価を決定的にした初代LSだったけれど、コストダウン&キープコンセプト過ぎた2代目はイマイチ伸び悩んでしまう。
だったら思い切り変えてやろう、となったのが3代目。初代に続き、思わず私も買ってしまった。
ただアメリカではライバルとなるベンツSクラスやジャガーXJ、キャデラックが徹底的にLSを研究し、魅力的なクルマ作りをしてきたため苦戦した。
■3位 2代目ES
日本でウィンダムとして販売されたのが2代目ESで1991年に登場。3L V6エンジンが搭載された
日本名ウィンダム。カムリプロミネントをレクサスに仕立てた初代ESも悪いクルマじゃなかったけれど、2代目はアメリカで大ヒットを飛ばした。
当時アメリカで試乗してビックリ! 乗り心地いいし、LSほどじゃないけれど静か、黎明期のレクサス、静粛性を最大のアピールポイントにしていたのである。ウィンダムも売れましたね!
レクサス品質で作ったため、トヨタ車としちゃインテリアなど高級感ありましたから。
■2位 LFA
2010~2012年に限定500台が生産された、560psの4.8L V10エンジンを搭載するスーパースポーツ
このクルマの評価は難しい。フェラーリやランボルギーニと比べたら割高だし、使っているミッションなども物足りないです。
ただLFAって当時日本の頂点の技術が投入され、今でも高い人気をキープしている。中古車相場は新車時の3750万円を確実に上回っており(ほとんど流通していないため、応談)、資産価値大。
絶対的な台数が少なく、今後も下がることはないと思う。持っていれば自慢できることは間違いなし。
■1位 初代LS
1989年登場。初代LSは静粛性や快適性をはじめ圧倒的な完成度によって海外の高級車メーカーにも影響を与えた
レクサス最初のモデルながら、歴代レクサスで最も高く評価されている。
なにしろデビューと同時に世界中のラグジュアリーカーに影響を与えたほど。BMWとジャガーはV8エンジンを新規開発。ベンツもEクラスに対抗馬を設定。キャデラックもセビルをLSのような味付けにしてきた。
LSがなければレクサスはこれほど順調な立ち上がりをしていなかったと思う。私も初めてハンドル握った時はシビレました。
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