私事となるが、私の父が6月にRAV4 PHVを購入し、父本人はガソリンを入れに行っただけというほとんど乗っていない状態で私に貸してくれ、約1か月で約1000km走った(慣らし運転を任されたと言ってもいいかもしれない 笑)。
登場から約1年が経ったRAV4 PHVだが、ここではジックリ乗った印象をお伝えすると同時に同じトヨタ車で価格が近いこともあり迷う人もいるかもしれない、ハリアーハイブリッド4WDの最上級グレードとの選び方の決め手も考えてみた。
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文/永田恵一、写真/TOYOTA
【画像ギャラリー】父が購入して息子が試乗!? 父子鷹の共同作業(笑)でトヨタ RAV4 PHVをレポート!!
■RAV4 PHVってどんなクルマ?
RAV4 PHVは簡単に言えば、トヨタにとって重要車種の1台であるミドルSUVのRAV4のハイブリッドの駆動用バッテリーを、床下に搭載する18.1kWhに増やし、充電すれば公表値で95kmのEV走行も可能というプラグインハイブリッドカーである。
プラグインハイブリッドなのでガソリンが入っている限り100V1500Wの給電も可能なため、停電や災害、アウトドアの際などにも力強い存在だ。
さらにリアはモーター駆動の4WDとなるRAV4 PHVはそれだけではなく、フロントモーターの大幅なパワーアップによりフルパワーとなるシステム出力は306馬力に向上。
さらに0-100km/h加速はスポーツカー並みの6.0秒、カタログに乗るWLTCモード燃費もハイブリッドの20.6km/Lから22.2km/Lに向上しているという万能なSUVでもある。
トドメにRAV4 PHVは価格も469万円からと、RAV4ハイブリッドの上級グレードとなるG 4WDの402万9000円を基準にすればプラグインハイブリッドとしては使わなくとも速さだけでも納得できる約66万円高というだけではなく、補助金なども加味すると実質40万円程度に縮まるという非常にリーズナブルなモデルだ。
そんな魅力あるクルマだけに登場当初はバッテリーの関係で月300台しか供給がないのに対し注文が殺到するのも当然で、早々に受注が停止になったのは記憶に新しい。
■父がRAV4 PHVを買った経緯
購入を検討していた際、RAV4 PHVは受注を一時停止していた。そのため写真のRAV4ハイブリッドも選択肢に入っていたという
私の父は登場した当初から「RAV4 PHVが欲しい」と言っていた。非常にまっとうな選択だったが、その時にはすでにRAV4 PHVは受注を停止しており、受注再開を待っていた。
しかし、昨年秋になってもRAV4 PHVの受注は再開されず、「いつ買えるかわからないRAV4 PHVを待つよりも、ハイブリッドにするか」とRAV4ハイブリッドの購入が濃厚となっていた。
そんな頃に父がアクシデントに遭い(それほど大きなことではない)、一旦クルマの購入は白紙になった。
だが、これがRAV4 PHV購入には怪我の功名だった。
交渉していたのが付き合いのあるトヨタディーラーだったため「RAV4 PHVの受注が再開したら即教えてほしい」と頼んでおり、RAV4 PHVが正式に受注を再開した3月初旬の少し前となる2月下旬に情報を教えてくれた。
父はそのままグレードが3つあるRAV4 PHVでは中間の上級グレードとなるG“Z(車両価格499万円)を契約し、6月中旬に納車された。現在、RAV4 PHVは納期が相当掛かることを考えると、幸運に恵まれた素晴らしいタイミングだった。
■乗ってどうか?
床下に追加バッテリーを搭載することでプラグインハイブリッド化を可能にしたRAV4 PHV
結論から書くと、RAV4 PHVは一部RAV4ハイブリッドに及んでいないところもあるが、全体的には価格アップ分を大幅に超える高級感も持つプレミアムRAV4ハイブリッドである。
まず、動力性能などのハイブリッド関係から見ていこう。
普通に乗っているとRAV4 PHVはRAV4ハイブリッドと同じTNGA-Kプラットホームでも、重量増などに対応し海外専売でさらにボディサイズが大きい3列シートを持つSUVのハイランダーなどと同じものを使うことや遮音にも気を使っているのか、RAV4ハイブリッドより全体的に静かに仕上がっている。
また、RAV4 PHVの静粛性の高さにはバッテリーがなくなったハイブリッドモードでも、発進からエンジンが掛かるまでの時間、つまりモーターで加速する領域が広くなっていることも貢献しているように感じた。
RAV4 PHVのハイライトの1つとなる306馬力のシステム出力は、アクセルを深く踏むと、エンジンの存在感薄く、タイムラグもなく、モーターの存在感が強い怒涛の加速が始まる。
RAV4 PHVは速さの必要性はともかくとして、後述する燃費も良く、スポーツカーのような加速力も持つという新しい提案だけで、高い存在意義を持つと断言できる。
ハイブリッドモードでの燃費は常時20km/L以上と、ボディサイズや約1.9トンという車重、速さを考えると花丸である。
ただ、7月後半には最高気温が30度を超えるようになっていたためエアコンや、約1.9トンの巨体を発進させる際の負担はやはり小さくないのか、特に街乗りの燃費はRAV4ハイブリッドにちょっとだけ劣る印象もあった。
また、街乗りでのEV走行可能距離を充電設備がなかったため、チャージモードでバッテリー残量を95%まで溜めたイメージで計測したところ電費6.5km、EV走行可能距離71kmと、こちらは期待以上だった。
RAV4 PHVのEV状態での電費を見ると、来年出るトヨタとスバルが共同開発するEVの電費も期待できる予感がした。なお、実家にRAV4 PHVを返しに行くと、ガレージに借りた際にはなかった200V充電設備が設置されていた(笑)。
ハンドリングと乗り心地は、ハンドリングは床下に大容量バッテリーを積むことによる重心の低さはあまり感じなかった。
それでも重量増に対応し前述のプラットホームや車体がシッカリ補強されているためか、RAV4ハイブリッドに対し約200kg重い点を意識することはなく、ワインディングロードもRAV4ハイブリッド同様に軽快に走ることができた。
ただ、RAV4ハイブリッドに及んでいないのがステアリングフィールと乗り心地だ。どちらも悪くはないのだが、全体的に実によくまとまっているRAV4ハイブリッドに比べるとステアリングフィールはRAV4ハイブリッドほど滑らかではない。
乗り心地も走行約1000kmまでしか確認できていないため、今後慣らしが進んでよくなる可能性もあるが、重量増にダンパーの質が追い付いていないのか現時点では路面の悪いところでゴツゴツ感を覚えることもあった。
RAV4 PHVは素性がいいだけに、現状のモデルでは特に乗り心地を早急に改善してほしいのに加え、乗り心地を確保した上で引き締めたサスペンションやGRヤリスの1.6ターボの4WD系のブレーキを移植するなどしたGRスポーツのようなモデルを600万円でもいいから追加してもらいたいくらいだ。
いずれにしてもRAV4 PHVに対しては私も父も「いいクルマを買った」と確信しているのは共通した認識だ。
■RAV4 PHVとハリアーハイブリッド4WDで迷ったら、どう選ぶ?
同じトヨタのハリアーハイブリッドと迷うところもある。HVを好むのか、PHVを好むのかが選択の決め手となるだろう
2台の価格はRAV4 PHV G“Z”が499万円、ハリアーハイブリッド4WDのZグレードが474万円と25万円の差はあるが、前述の補助金などを加味すると実質的にはほぼ変わらず、私の父も少し迷ったのと同様に、迷う人もいるだろう。
しかし、結論は明確で、選び方は2台のキャラクターの違いとプラグインハイブリッドに対する評価や必要性の折り合いに尽きる。
具体的には動力性能やEVとしての使用などプラグインハイブリッドの方を評価するならRAV4 PHV、プラグインハイブリッドよりシティ派のキャラクターを好むならハリアーハイブリッド4WDとなるだろう。
それぞれ魅力的なだけに、どちらも納期が見通せないほど売れているのもよく分かる。それだけにもしハリアーPHVが出ると、価格差はあるにせよ迷わなくて済むようになり、可能ならハリアーPHVも加わると、よりミドルSUV選びが選びがいのある楽しいものになるのではないだろうか。
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みんなのコメント
って言われても…、シャーシ共通ですし味噌クソですね。
高速でも後ろからミサイルみたいにかっとんでいくハリアー新型ハリアー良く見かけるわ