昭和は遠くなりにけり…だが、昭和生まれの国産スポーティカーは、日本だけでなく世界的にもブームとなっている。そんな昭和の名車たちを時系列で紹介していこう。今回は、昭和55年発売の日産 レパードだ。
日産の新たな挑戦は高級パーソナルカーから
日産 レパード280X・SF-L:昭和55年(1980年)9月発売
スペシャリティカーという分野では、すでにシルビアで十分な実績を持っていた日産だが、昭和55年(1980年)の9月にレパードと名付けられた新型車種が登場したことで、ユーザーの選択肢は広がった。
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販売店の関係で、異型ヘッドライトのレパードと角型4灯ヘッドライトのレパードTRーX(トライエックス)がラインアップされたが、基本的には同じモデルである。
レパードに設定されたボディは、6ライトウインドーを大きな特徴とする4ドアハードトップと、2ドアハードトップの2種類。2代目のレパードでは4ドアボディは廃止されていたが、初代レパードの販売実績で実際に大勢を占めたのは4ドアボディのほうだった。
バンパー一体型の大型エアダムや、強い傾斜角でスラントするノーズセクションの処理など、当時の国産車としては斬新なスタイリングコンセプトでまとめられたレパードは、空力特性の面でも最先端であった。実際に発表されたCd値は0.37というものだったが、これは純粋なスポーツモデルと比較しても遜色のない数値だった。
搭載されたエンジンは、下からZ18型、L20E型、L28E型の3種類。最も高性能なL28E型は、電子制御燃料噴射装置のECCSとの組み合わせで、145ps/5200rpmの最高出力を発生。装備内容も日産を代表する最高級スペシャリティカーにふさわしいもの。マルチ電子メーターやオートスピードコントロールなど、斬新な装備が数多く採用されている。
1981年7月、ターボモデルが追加された。L20Eターボというおなじみのエンジンだが、初めてECCSと組み合わされた。145psという最高出力値こそ変わらないが、追い越し加速や燃費などが向上した。この後レパードは84年6月にVG30ターボを積んだ最強バージョンも登場したが、すでにモデル末期。2代目への橋渡しの感もあった。
とはいえ、レパードの登場で、日本のスペシャリティカーの定義は変わった。高級スポーツカーと呼びたくなる革新的な1台だった。
日産 レパード2ドアHT280X・SF-L 主要諸元
●全長×全幅×全高:4630×1690×1335mm
●ホイールベース:2625mm
●重量:1290kg
●エンジン型式・種類:L28E型・直6 SOHC
●排気量:2753cc
●最高出力:145ps/5200rpm
●最大トルク:23.0kgm/4000rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:195/70HR14
●価格:262万円
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