「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前の国産車は環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は「ホンダ インサイト」のワークスチューンモデルだ。
モデューロ インサイト & 無限 インサイト(2009年:ワークスチューンモデル)
ホンダ インサイトの試乗レポートは以前にも紹介したが、今回はモデューロと無限が手がけたワークスチューンモデルを紹介しよう。
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ホンダによると、インサイトのユーザー層は最近のクルマでは珍しいほど幅広いという。20~30代の若者や女性など、最近ではなかなかクルマに振り向かせるのが難しい層も取り込めている。また、オプションやアクセサリーの装着率も高いという。ハイブリッド車のユーザーは個性を求めているようだ。
今回紹介する「モデューロ インサイト」と「無限 インサイト」は、そんなニーズに応えるべく充実したラインアップを用意。ホンダ車カスタマイズの、ワークスと名門セミワークスといっていい存在のブランドだけに、クオリティへの信頼も魅力だ。
エクステリアパーツをまとったモデューロ インサイトは純正アクセサリーらしく、カタログの1グレードとしてラインアップされていてもおかしくないほどの完成度を誇る。フロントとリアのロアスカートは、それほど派手ではないもののワイド&ロー感を強調し、ノーマルの腰高な印象を払拭。インサイトはもともと空力性能が高く、それを向上させるのは至難の技だが、それでもノーマルでは追い切れない細部の煮詰めも試みているという。
車体の四隅が角張ったようなデザインは整流効果が高まるので、理に適ったエアロアイテムだろう。フィッティングのいいフロントグリルはスポーティながら上品な雰囲気だ。
また、サステイナブルなイメージのバンブー素材や植物由来のバイオプラスチック繊維のフロアマットなど、ハイブリッドらしい新鮮なインテリア アイテムも用意している。今回のサスペンションはまだノーマルだったが、現在開発中。さらに一歩進んだエアロアイテムも含め、次回のオートサロンあたりでお目にかかることができそうだ。
無限 インサイトは、一目でそれとわかる個性的なスタイリングが目をひく。とくに大型のリアスポイラーが特徴的だが、一方で空気抵抗が増すのではとも気になる。だが、Cd値は低減しつつ前後ゼロリフトを達成しているというから立派だ。
サスペンションもオリジナルで車高は20mmダウン。スプリングはノーマルLSのフロント22.0N/mm、リア30.8N/mmに対して、それぞれ23.0N/mm、30.0N/mmへ。ダンパー減衰力はノーマル比でフロントが伸び187%、縮み133%、リアが伸び159%、縮み135%となる。
ノーマルは、ちょっとした外乱でフラツキが出るのが不満点だが、無限 インサイトは格段にシャキッとしている。高速域では空力性能向上との相乗効果でビシッと安定するのだ。それでいてスプリングはそれほど硬くなく、リアは逆にソフトにしているぐらいで乗り心地の悪化を最小限に抑えている。大きな凹凸では、リアからの突き上げを感じるが、装着タイヤのブリヂストン プレイズはアタリに硬さがなく、スムーズな路面なら不快さは感じない。
ハンドリングは舵の効きが良くなりつつも安定感を損なわないもの。プリウスよりスポーティなインサイトのキャラクターをさらに伸ばしていた。
■ホンダ インサイト LS(ノーマル車) 主要諸元
●全長×全幅×全高:4390×1695×1425mm
●ホイールベース:2550mm
●車両重量:1200kg
●パワーユニット種類:直4 SOHC+モーター
●排気量:1339cc
●エンジン最高出力:65kW<88ps>/5800rpm
●エンジン最大トルク:121Nm<12.3kgm>/4500rpm
●モーター最高出力:10kW<14ps>/1500rpm
●モーター最大トルク:78Nm<8.0kgm>/1000rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:横置きFF
●JC08モード燃費:24.0km/L
●タイヤ:185/55R16
●当時の車両価格<税込み>:221万円
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