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走行性能、実用性、文句なしのパフォーマンスを体現するメルセデス・ベンツのコンパクトハッチバック「A200d」

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走行性能、実用性、文句なしのパフォーマンスを体現するメルセデス・ベンツのコンパクトハッチバック「A200d」

 高級車中心のクルマ造りを行なってきたメルセデス・ベンツが、コンパクトな2BOXカーのエントリーモデルを発表したのは1997年のこと。その後、モデルチェンジを繰り返しながら、2018年に4代目を発売した。今回は4代目をベースに内外装や装備をアップデートし、2023年2月に登場したモデルに試乗した。

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内装の素材は基本的にはリサイクルから得られる原材料を採用

 新型は5ドアハッチバックの「Aクラス」と4ドアセダンの「Aクラスセダン」があり、パワーユニットは直4、1.4ℓガソリンターボと2.0ℓディーゼルターボが選べる。これに加えて、2023年4月には、ハッチバックに「AMG A35 4MATIC」(754万円~)と「A45S 4MATIC+」が、セダンには「A35 4MATIC」(761万円~)が加わった。試乗は「A200d」をメインに「A180セダン」も行なった。AMG系はまだ試乗車の準備が整っていなかったので次の機会にしたい。

新型の外観だが、基本的スタイリングは、先代の「Aクラス」と変わらない。サメの尖った鼻先を想わせる前傾したフロントエンド。グリルはAMGラインではマットクローム仕上げの小さなスリーポインテッドスターとシングルルーバータイプのグリルを採用。ヘッドライト下のエアインテークは、AMGラインでは大口径デザインを採用している。



リアデザインはLEDコンビネーションランプのデザインを水平基調にすることで、シャープさを演出。AMGラインではリアホイールハウスからの空気の流れをつくるエア排気口がバンパー両端に設けられている。これは2BOXモデルも4ドアセダンモデルも同じデザインを採用。外板色には、ローズゴールドが新たに加わっている。試乗した2BOXモデルはこの色だった。

 室内のデザインやレイアウトも新しくなった。まず使用する素材は基本的にはリサイクルから得られる原材料を採用している。ハッチバックもセダンも使用するすべての材料について見直しをし、より持続可能な代替品を使えないかの検証が行なわれている。

 内装で目につくのは、ハンドルのデザインが変わったこと。オプションのAMGラインでは3本スポークのハンドルにナビやインパネ内の各種設定や安全運転支援システムの設定が手元でできるようになった。その操作もコントロールボタンを従来は指先で押していたが、新型は静電容量式センサーを備えたことで、指先でタッチするだけで反応するようになった。また、センターコンソール上のタッチパネルも廃止し、すっきりとしたデザインになった。



 安全性や快適性では交通状況に応じてハイ/ロービームの自動切り換えと、ヘッドライトの照射範囲を自動で調整する「アダプティブハイビームアシスト」を標準装備。音響も10スピーカー、225Wのシステムを採用した。対話型インフォテイメントシステムは、目的地入力、電話通話、音楽選択、気象情報、クライメートコントロール、各種ヒーター、照明などにも対応する。

 パワーユニットはガソリン仕様が直列4気筒1.4ℓターボが「A180」と「A180セダン」、ディーゼルが直列4気筒2.0ℓターボで、これも「A200d」と「A200dセダン」に搭載されている。どちらのユニットも軽量化、ノイズ低減の対策が施されている。

多目的に使えるコンパクトセダンとして注目

 試乗は「A200d」と「A180セダン」をチョイスした。「A200d」のパワーユニットは150PS、320Nmで、8速ATと組み合わされている。このエンジンはアルミのシリンダーブロックを使用し、シリンダーウォールにスチールカーボンをコーティングするなど最新技術を使用している。スタートからのトルク感もあり、速い。

ただし、音に関してはアイドリング時の室内への侵入や1500回転から高まる音の処理がいま一歩。アイドリングストップからのエンジン始動もショックが発生していた。新型なので、今後の改良に期待したい。しかし、この2ℓディーゼルエンジンの動力性能は0→100km/hの加速が7秒台と速く、燃費も実走で14.0km/Lを上回るなど、経済性能は優れているようだ。

 室内も前席の足着き性のよさ、後席も身長170cmクラスが寛げる広さを確保。ラゲージもゴルフバッグが手前にヨコに置ける長さがあるなど、実用性も高かった。セダンは「A180」のガソリン仕様。1.3ℓのエンジンは136PS、200Nm+8速ATの組み合わせ。このエンジンは、音や振動はまだ改良の余地はあるものの、燃費に関しては実走で18km/L以上と、カタログ値よりも上回る走りを見せてくれた。

現状では2.0Lディーゼルよりも燃費の点で有利だった。加速データなどでは、1.3L車のレベルだが、実用性は高い。独立したトランクスペースも奥行き95cm、左右幅1m以上もあり、高さも50cmオーバーなので、広く使いやすかった。後席の背もたれも可倒し、トランクスペースと一体となるほど、多目的に使えるコンパクトセダンとして注目だ。

 メルセデスのエントリーハッチバックと4ドアセダンは、未完なところはあるが、安全性、快適性の高さで、このクラスをリードしている。

■関連情報
https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/models/hatchback/a-class/overview.html
https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/models/saloon/a-class/overview.html

文/石川真禧照 撮影/萩原文博

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