ヤリスクロスの人気が絶大だ。ロッキー&ライズも売れているし、ハリアー、RAV4の人気も上々。この4月には新型ヴェゼルも登場し、さらなる新型の登場も目されている。
そんなわけで、いま国内SUVは新世代に突入し、その人気もさらに上昇している。
欧州トヨタの秘密兵器!! 次世代SUV「アイゴX プロローグ」登場!! これ…売れそう…
そんななかで、デザインや走り、コストパフォーマンス…などなど、切り口別にオススメの国産SUVを選出してもらった!
●ラインナップ
・デザインでイチオシのSUV(清水草一)
・走りが今イチオシのSUV(松田秀士)
・使い勝手のよさが今イチオシのSUV(鈴木直也)
・誰にでもススメられるイチオシのSUV(渡辺陽一郎)
・個性派にオススメのイチオシSUV(清水草一)
・コストパフォーマンスがイチオシのSUV(渡辺陽一郎)
●参考:2021年2月販売台数 上位の顔ぶれとSUVの順位
1位 ルーミー(1万1954台)
2位 アルファード(1万110台)
3位 ヤリス(9950台)
4位 ヤリスクロス(9490台)
5位 ハリアー(8006台)
6位 ライズ(7900台)
13位 キックス(5069台)
18位 RAV4(4010台)
※本稿は2021年3月のものです
文/清水草一、渡辺陽一郎、松田秀士、鈴木直也 写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』 2021年4月26日号
【画像ギャラリー】ジムニー XV RAV4PHV… 選択肢が多すぎるのも困りもの! 評論家イチオシのオススメSUVをギャラリーで見る
■デザインでイチオシのSUV(清水草一)
ジムニー/ジムニーシエラをSUVと言っていいのでしょうか?
ジムニーファンは「そんな軟派なモンと一緒にするな!」と言うかもしれないし、クロスオーバーSUV勢には「ジムニーは本格クロカン4WDだろ」と言われそうな気もするけれど、ジムニーもジムニーシエラもSUV! という前提ならば、文句なしのブッチギリにジムニーシエラがナンバー1で、ナンバー2はジムニーです。
両者の差はオーバーフェンダーの有無だけだけど、やっぱクルマって下半身が幅広いと、安定感がまるで違って見えるでしょ。
これは自動車デザインの基本中の基本なので、デザインを比べれば、ジムニーシエラが上なのです。
別にジムニーシエラとジムニーが競ってもしょうがないのですが、とにかくジムニーシエラのカッコよさはすさまじい。
そのデザインは、「何もせず、ただ機能に従う」とも言うべき悟りの境地。超自然体の達人ですね。一瞬で秘孔を突かれ、「お前はもう死んでいる!」っていう感じだよ。
ジムニーの前には、ほかのSUVはもう死んでるんだよ! 抵抗できないんだよ!
「ジムニー系は反則!」と言うならば、なんだかんだでCX-5になりますかね……。CX-30もいいけど、より直球デザインなCX-5の勝ち。
微妙な差ですが。全体的に国産SUVのデザインは非常にレベルが上がってる。ダメなデザインなんてあんまりないもんね。
確かにジムニーシエラとジムニーの外観上の違いは前後のオーバーフェンダー装着の有無だけだが、デザインにはかなり差が
■走りが今イチオシのSUV(松田秀士)
MX-30はEVモデルも追加されたことで、チョイスに迷うこととなった。つまり、MX-30そのものに走りのキャラクターが増えたのだ。
マツダ車にはGVC Plus(Gベクタリングコントロールプラス)という技術が採用されている。
一般道ではなかなか気づきにくいが、同乗者の揺さぶれ方が減少し、乗り心地にも寄与する。
特に滑りやすい雪道走行では顕著にその差を感じられる。雪道におけるパイロンスラロームでは、驚くほど狙ったラインに乗せることができるのだ。
また、EVは電気モーターゆえGVC Plus制御が積極的でより繊細だ。バッテリーパッケージによるボディ剛性アップも後押しする。
足回りの設定はCX-3など、最近のマツダ車らしいコーナリングでは締まりのあるしっかり系、ながら凸凹路での外乱をしっかりと吸収する。
ボディ剛性がカッチリしているので、より足の動きがいい。コーナーでの躍動感とスタビリティの高さ。また室内静粛性が高いので、メンタルを落ち着かせてどんな状況でも慌てない。平常心で走りを楽しめるSUVだ。
松田氏はMX-30EVの持つEVモデルならではのボディ剛性のカッチリ感を高く評価している
■使い勝手のよさが今イチオシのSUV(鈴木直也)
ひと言で「使い勝手」というけど、ここではボク個人の使い勝手についてまず述べたい。
使い勝手のよさはふたつあり、ひとつが移動するうえでの快適性と走破能力、ふたつ目が居住性とユーティリティでふたつのうち、ボクが重視するのは前者だ。
これは家族構成、子どもの有無など個人のライフスタイルにも大きく影響されるんだけどね。わかりやすく言うと、ボクは使い勝手にミニバン的なシートアレンジやカーゴルームの広さなどは求めないワケ。
そこで真っ先に挙がってくるのはRAV4PHV。CO2排出量に関しても優等生だし、ボディサイズ的な余裕も充分。悪路走破性も高く、ドライバビリティもいい。
リアに強力なモーターを積んだおかげでオフロードでも豪快なドリフト走行が自在に可能。SUVとしての魅力をテンコ盛りにしたモデルで、ちょっと弱点が見当たらないクルマだと思う。
鈴木直也氏はSUVとして多岐にわたる使い勝手の高さを評価してRAV4PHVを選出
■誰にでもススメられるイチオシのSUV(渡辺陽一郎)
「誰にでもお薦めできる」SUVは、すべてのニーズに対応せねばならない。初心者が運転しやすく、ベテランが乗ってもスポーティに走って楽しめる。
ファミリーで使える居住性と積載性を備えながら、2名以内の乗車でも車内の広さを持て余さない。舗装路では安定性と乗り心地に優れ、なおかつ多少の悪路なら走破できる。集合住宅のユーザーには、立体駐車場を利用しやすいことが不可欠だ。
これらのニーズをすべて満たせる数少ない車種がXV。全長は4500mm以内で最小回転半径も5.4mだから、初心者にも扱いやすい。
インプレッサスポーツがベースだから走行安定性にも優れ、ベテランドライバーが峠道で機敏な運転感覚を味わえる。
最低地上高は200mmだから悪路のデコボコを乗り越えやすく、全高は1550mmだから立体駐車場も使いやすい。SUVとしては低重心だから、高速道路でも左右に振られにくく安心して運転できる。
ベースのインプレッサが優れているからXVもさまざまなユーザーを満足させられる。
渡辺陽一郎氏が選出した、「誰にでもススメられるSUV」はXV
■個性派にオススメのイチオシSUV(清水草一)
個性派ユーザーにオススメなのは、私がずーっと「いいな、いいな」と思ってるスズキのイグニスです! 一応クロスオーバーSUVです!
イグニスを選ぶ時点で間違いなく個性派でしょ? ちょっと偏屈な人かな~と予感させるくらい。実際、かなり美意識の高い、こだわりを持った人だと思うんだ。
イグニスはカッコいいんだよね~。あの小さいながらに大地を踏ん張る感じがイイ!
リアピラー形状はとっても力強い。きかん坊な雰囲気の顔つきもステキだ。インテリアはイタリアの小型車みたいにセンス抜群! 1.2Lエンジンはトルクがあって乗りやすい。
これでMTがあれば完璧な個性派になれたんだけど、そこは惜しい。んでもって、室内は広くない。ハスラーよりも狭いよね。厳密な比較はしてないけど、たぶん。
日本じゃ売れないよね、スズキの販売店で軽と比べちゃうわけだから。
でも、そんなハードルを乗り越えてイグニスに乗る人は、クルマ好きから絶対に一目置かれる。実際、個性のカタマリだ! ある意味ガイシャだ! イタリア車だ! フィアットっぽい! 初代パンダの後継っぽい!
と私は思ってます。
謎とも思える存在感を放つイグニス。フィアットっぽさを清水氏は指摘
■コストパフォーマンスがイチオシのSUV(渡辺陽一郎)
SUVのボディサイズ、エンジン排気量、価格は幅広い。そのためにサイズや価格帯に応じて買い得車も異なり、RAV4やCX-8も機能を考えると割安だ。
ただし価格自体は330万~440万円に達するので、「買い得」という感覚ではない。
そこでヤリスクロスを選んだ。1カ月に9000台から1万台を登録する人気車だ。2WDのハイブリッドZは258万4000円だから、同等の装備を採用するキックスXよりも約18万円安い。
価格が明らかになった新型ヴェゼルe:HEV・Zと比べると約31万円下回る。ヤリスクロスはホイールベースがヤリスとほぼ同じで、後席と荷室はキックスやヴェゼルよりも狭い。その代わり価格も安い。
ヤリスクロスの価格は、ハッチバックのヤリスと比べても、装備の違いを補正すると18万円高い程度だ。
一般的にSUVの価格は、共通のプラットフォームを使うハッチバックを35万~40万円上回るが、ヤリスクロスは価格上昇を少なく抑えて買い得になっている。
背景にはライバル競争に加え、トヨタ特有の事情もある。仮にヤリスクロスハイブリッドZの価格がキックスXと同等の276万円前後になると、ひと回り大きなCH-RハイブリッドSと同等の価格になってしまう。
トヨタにはコンパクトSUVが豊富で、今後はカローラクロスまで加わってくる。トヨタ車同士の価格干渉を防ぐために、おのずから価格が決まってしまうのだ。
ヤリスシリーズ随一の人気を誇るヤリスクロスが渡辺陽一郎氏イチオシのコストパフォーマンスに優れるSUVに
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そして、必ずと言っていいほど、ネガティブキャンペーンのコメントが入ってますよね。
納車から3か月になりますが雨漏りはしてないし、リコールも無いですよ。v(^^)v