BEV、PHEV、HVが話題になるいっぽうで、数十年以内の段階的廃止となる可能性が高い化石燃料を使用したクルマ。なかでもディーゼル車は悪者扱いされているが、実はあらゆる面でメリットが多いエンジンって知ってた?
文/FK、写真/トヨタ、マツダ、三菱、写真AC
ランクルやデリカD:5! お財布にも環境にも優しい! 走りも抜群に良いクリーンディーゼル車4選
■絶滅危惧種なんてとんでもない! ディーゼルエンジン搭載車の火は消えず
ダーティな排気ガスのイメージばかりが先行し、悪者のレッテルが貼られてしまったディーゼルエンジン。
脱炭素社会を実現するべく、世界各国でガソリン車やディーゼル車の新車販売を禁止する動きがあることは周知のとおり。
日本でも経済産業省が自動車・蓄電池分野等の実行計画の改定に向けて関係業界からのヒアリングを行うために立ち上げた「カーボンニュートラルに向けた自動車政策検討会」では“遅くとも2030年代半ばまでに乗用車新車販売で電動車100%を実現できるよう包括的な措置を講じる”と、今後の取り組みとして明文化されている。
これすなわち、2030年半ばには新車のガソリン車やディーゼル車が販売されなくなるということを意味するが、では、実際にはガソリン車やディーゼル車にいつまで乗れるのかといえば、経済産業省が策定した「カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」が遂行される2050年まで。
そう考えるとまだ27年もある……ということで、ここでは“走りがいい!! お財布にも環境にも優しい!!”という側面からクリーンディーゼル車に注目。
一概には言えないものの、クリーンディーゼルはHVやPHEVよりも走りは良いし、ガソリンよりも安い軽油が使えるなどメリットは多数。
加えて、クリーンディーゼルエンジンは年を追うごとに厳しくなるマイクロメートル単位の微粒子(PM)や窒素酸化物(NOx)の排出量規制に対応していて、実は驚異的な進化を遂げているのだ。
車両本体価格はガソリン車に比べると値が張るけれど先述のメリットを知ったいま、乗りたくなってきたんじゃない?
■MAZDA2は比較的お手頃な価格!! なのにすべてが充実した万能選手!
写真は最廉価モデルのXDグレード。そのクリーンディーゼル車は4WDが217万5800円、2WD車なら200万円を下回る195万5800円とリーズナブルで、かつ環境性能割やエコカー減税など、いいこと尽くめ
現在新車で購入できるクリーンディーゼル車のなかでもっともお手頃なのは、2023年3月に商品改良が行われたMAZDA2(ディーゼルエンジン車の車両本体価格は195万5800円~262万2400円)。
マツダブランドの鮮明化を目的に2019年7月にデミオから車名を変更したMAZDA2の今回の商品改良では、前後バンパーやグリルなどの意匠変更や内装を見直しつつ、インパネにも植物由来原料の材料を採用して石油資源の使用量削減やCO2排出量の抑制、無塗装による揮発性有機化合物の削減などによる環境負荷の低減などが図られている。
そんなMAZDA2に搭載されているのが、燃料をきれいに燃焼し尽くすことで有害物質が発生しにくく、かつ高価なNOx後処理装置を必要としない画期的な量産クリーンディーゼルエンジンのSKYACTIV-D 1.5だ。
このSKYACTIV-D 1.5は排気量が1.5リッターでありながら25.5kg・m(AT車)という2.5リッターガソリンエンジンなみの最大トルクを発生するだけでなく、シングルターボチャージャーの小型化などで徹底した高効率化と軽量化を両立。
加えて、排ガスの吐出量を可変ノズルで制御して過給効率を高める可変ジオメトリーターボの採用で低速域から高速域まで幅広く十分な過給圧を発揮。高速での出力・トルクを保証する回転センサーの採用とも相まって高回転域でも伸びのあるパワーフィールを実現しているのだ。
それでいて、燃費性能は25.2km/L(WLTCモード、XD SPORT+の6MTモデル)と良好でお財布にも優しい側面もある。
そんないいこと尽くめにもかかわらず、新車が200万円代で買えるのだからクリーンディーゼル車を狙っている人は買うしかないかも!?
■高嶺の花だけれど、いつかは乗りたいトヨタ・ランドクルーザーのディーゼルエンジン車
納車待ち1年以上と言われて久しいランドクルーザーの300シリーズ。
2021年8月にフルモデルチェンジが行われた現行モデルでは3.5リッターのV6ツインターボガソリンエンジンとともに、3.3リッターのV6ツインターボディーゼルエンジンがZXグレードとGP SPORTに設定されている。
ピストン燃焼室、吸気ポート、インジェクターなどエンジン各部の構造を最適化することで309psの最高出力と700N・mの最大トルクに加え、9.7km/L(WLTCモード)の優れた燃費性能を両立した3.3リッターのV6ツインターボディーゼルエンジン。
走りの面においても、新採用の可変ノズル付2ウェイツインターボがあらゆるシーンで抜群の過給性能を実現。低速域ではシングルターボならではの鋭いレスポンスによる力強い加速を、高速域ではツインターボの大吸気量による伸びやかな加速を披露してくれるので、走行中にストレスを感じることもいっさいナシ。
そんなエンジンの性能をさらに引き出してくれるのがDirect Shift-10ATで、発進時を除くほぼ全域でロックアップを作動させてダイレクトなフィーリングを実現。加えて、駆動力特性と変速タイミングも最適化されており、ディーゼルエンジン特有の低回転から盛り上がるようなトルク特性を活かした力強い加速も魅力のひとつとなっている。
ディーゼルエンジンといえば“うるさい”というイメージをもっている人も多いだろうが、ランドクルーザーでは広範囲に遮音材や吸音材を最適配置した高剛性・軽量ボディの恩恵でエンジン始動中の音がほとんど気にならない高い静粛性も特筆点。
“どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ”をうたうタフさが自慢のランドクルーザー、その最新モデルのディーゼルエンジンも歴代最高にして最強の一機であることは疑いようもない。
■16年選手とは思えない三菱・デリカD:5の走りを支える2.2リッターのクリーンディーゼル
デリカD:5は従来のデリカから継承してきた高い走破性能を感じさせる力強いデザインはそのままに上質感を加え、よりプレステージ性を高めた洗練されたアクティブなデザインが特徴
これまでにマイナーチェンジや一部改良を重ねることで進化を果たしてきたデリカD:5。
世界でも類を見ないオールラウンドミニバンとして人気を集めるデリカD:5は発売当初、ガソリンエンジンの2.4リッターMIVEC DOHC16バルブ直列4気筒のみのラインナップだった。
しかし、欧州仕様のアウトランダーで実績のあった4N14型2.2リッターDOHC16バルブ4気筒コモンレール式DI-Dクリーンディーゼルエンジン搭載車を2012年12月に追加設定。
148psの最高出力と360N・mの最大トルクを発生するデリカD:5のクリーンディーゼルエンジンは、タービン容量を可変制御するVGターボチャージャーを採用することで低回転域では力強いトルクを発生しつつも高回転域まで滑らかに加速する、多人数乗車や長距離移動での使用頻度が高いミニバンにとって最適かつ快適な動力性能を実現した。
加えて、高精度なコモンレール式燃料噴射システムや最先端の排出ガス浄化システムなどの採用で大気汚染の原因となるNOXやPMを大幅に低減して平成21年排出ガス規制に適合するとともに、JC08モード燃費においても13.6km/Lを実現して平成27年度燃費基準+20%を達成。
また、8速スポーツモードATとの組み合わせはパワフルな走りをもたらし、All Wheel Control思想に基づいた電子制御4WDシステムも高い悪路走破性を実現している。
空前のブームに沸く現代のアウトドアシーンにおける使い勝手も良く、また三菱のフロントデザインコンセプトであるダイナミックシールドや縦型マルチLEDヘッドライトを採用したアクティブなエクステリアデザインも相まって、デビューから16年以上が経過したロングセラーモデルとは思えない存在感をいまもなお放ち続けている。
■使い倒せるピックアップトラックとして世界で活躍するトヨタ・ハイラックス
顔の厚み感を表現する台形の大型グリルがいイカつい印象を与えるハイラックス。日本専用となるバンパーガードガーニッシュもよりアクティブなイメージも強調する
初代モデルの登場から2023年で55年。一時は販売が途絶えたものの、2017年10月に復活を遂げたハイラックス。
これまでに世界180以上の国と地域にデリバリーされてきた世界的なピックアップトラックもクリーンディーゼルエンジンを搭載している。
当時、国内初導入となった2.4リッターのディーゼルエンジンは全回転域で力強い走りを披露する一方で、11.8km/L(JC08モード)の低燃費化で航続距離を伸長。低回転域でも図太いトルクを発生するだけでなく、高熱効率による優れた環境性能を実現した。
加えて、優れた発進加速性能&動力性能や滑らかな変速フィールを実現した6 Super ECTとの組み合わせにより、エンジン性能を最大限に活かすことにも成功。
ダイヤル操作で駆動方式を選択できるパートタイム4WDシステムも市街地や高速道路では静粛性や燃費性能に優れた2輪駆動とし、不整地や滑りやすい路面では4輪駆動に切り替えることで快適性と走破性を高いレベルで融合。
ヒルスタートアシストコントロール、アクティブトラクションコントロール、ダウンヒルアシストコントロールも設定することであらゆる路面状況に応じた駆動力を制御することもでき、本格4WD車としての高い走行性能をいかんなく発揮した。
そんなハイラックスは2019年6月にプリクラッシュセーフティなどの安全装備を充実する一部改良を実施。
さらに、2020年8月にはタフさや力強さを強調したデザインへの変更やアイドリングストップ機能の追加による燃費向上などを行うマイナーチェンジを、2021年10月にはGR SPORTの追加設定などを、2023年9月にはパノラミックビューモニターを搭載する商品改良を行うなど、いまもなお着実な進化を遂げている。
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みんなのコメント
こんなクソ燃費の車のどこが環境に良いのか?
ばかも休み休み言え。