緊急事態宣言明けの昨年6月に好調なスタートを切った
2020年前半は新型コロナウイルスの第一波により景気が大きく後退、自動車のような高価格帯な耐久消費財も動きが鈍くなりました。その最初の緊急事態宣言が解除されたタイミングで、6月に日本デビューを果たしたのが「日産 キックス」です。
全長4.3m足らずのコンパクトなSUVは、すでに海外市場で販売されていたモデルで、日本仕様もタイで生産される輸入車です。日本仕様のパワートレインは日産の十八番といえるe-POWERのみで、駆動方式もFFのみ。現在のグレードは、X、Xツートーンインテリアエディション、オーテックという3タイプです。
そんなキックスは、スタイリッシュなフォルムとe-POWERの先進的なイメージもあってデビュー直後は注目を集めました。初期受注も好調で、最初の1ヶ月強で1万台を超えたほど。ただ最近は、その名前を聞かなくなったような気もします。
ヤリスクロスに比べ割高感や選択肢の少なさが懸念点だが
周囲を見回すと、同じカテゴリーのSUVとしてトヨタから「ヤリスクロス」が登場。ヤリスクロスはガソリンエンジンとハイブリッドがあり、それぞれにFFと4WDが用意されるという選択肢の多さもあって、毎月1万台規模で売れています。
幅広いラインナップが選べるヤリスクロスに対して、FFでe-POWERの設定しかないキックスはユーザーを選ぶ傾向もあり、価格帯もヤリスクロスの179万8000円~281万5000円に対してキックスは275万9900円~311万4100円と割高感が否めません。
タイ生産の日産車として三度目の正直で結果を出せている
では、キックスの販売状況はというと、2021年に入ってからは1月の販売台数が4667台、2月の販売台数は5069台と、価格帯を考えると好調といえる数値を並べています。2020年の累計販売が1万8326台(月平均2618台)だったことを考えると、むしろ人気は高まっているほどです。
割高感のある価格帯ですが、先進運転支援システムであるプロパイロットや、緊急通報システムのSOSコール、衝突時にドライバーの足を守るSRSニーエアバッグが標準装備になっているなど、安全装備の充実を考えると妥当であるとユーザーは捉えているのかもしれません。日産の登録車の中では「ノート」、「セレナ」につづく3番手を確保している状況で、いまや国内販売の柱に成長しているようなのです。
「日産 マーチ」や「三菱 ミラージュ」など、過去に日本に導入されたタイ生産モデルは販売で成功したとはいいがたい状況で、キックスも「二度あることは三度ある」になるという声もあったわけですが、むしろ「三度目の正直」として結果を出していたのでした。
エクストレイルやヴェゼルがモデル末期なのも理由か
もちろん、こうした好調ぶりには日産SUVの定番モデルである「エクストレイル」がモデル末期になっていることや、日本市場がダウンサイズ指向になっている中で、キックスのサイズ感がちょうどいいと受け止められたことなどもあるでしょう。
ちなみに、2021年に入ってからの国内SUV販売をランキング的にみると、キックスはヤリスクロス、「トヨタ ライズ」に次ぐ3位を堅守しています。車格が異なりますが「トヨタ RAV4」よりも売れていると聞くと、確かに人気モデルになっていると実感できるのではないでしょうか。もっとも「ホンダ ヴェゼル」がフルモデルチェンジ直前で販売台数を落としていることも無視できませんが…。
ちなみに、2月の販売台数でいえば、キックスと同クラスの「マツダ CX-30」が2017台、「マツダ CX-3」は1006台、ひとクラス上の「トヨタ C-HR」でも2125台となっています。このあたりの数字から見ても、キックスが定番モデルになってきていることが見て取れそうです。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
※写真
1枚目:日産 キックス
2枚目:トヨ タヤリスクロス
3枚目:ホンダ ヴェゼル
4枚目:日産 エクストレイル
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みんなのコメント
ノルマかけてるからでしょ!!!