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日本が誇るスーパーカーの進化──新型日産GT-R NISMOスペシャルエディション試乗記

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日本が誇るスーパーカーの進化──新型日産GT-R NISMOスペシャルエディション試乗記

改良を受けた日産「GT-R NISMOスペシャルエディション」に小川フミオが試乗した。圧倒的な走りに迫る!

一般道でも楽しい

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頭ん中が空っぽになるような刺激的なドライビング体験をしてみたいなら、日産のGT-Rが良いだろう。このスーパースポーツクーペの魅力は2024年になっても変わらない。

2023年1月に開催された東京オートサロンで公開され、大きな話題を振りまいた最新型のGT-R NISMO。3月に発表され、8月後半になって、ついに路上に持ち出すことができた。

ドライブしたのは「GT-R NISMOスペシャルエディション」だ。圧倒的な性能を誇るプレミアムスーパースポーツカーと謳うGT-Rに、レーシングテクノロジーをさらに注ぎ込み、開発されたモデルという。

「最先端の技術と匠の技を掛け合わせ、新たなデザインをまとった本モデルは、R35型の集大成ともなるべきモデルです」とは、今年の東京オートサロンでのアシュワニ・グプタCOO(当時)が語った言葉だ。その頂点にあるのが、GT-R NISMOスペシャルエディションである。

NISMO専用のカーボン製エンジンフード(NACAダクト付)によって、このクルマのすごさはパッと見てすぐ分かる。試乗中、街では通行人に、笑顔で振り向かれたりした。

驚いたのは、大型スポイラーにスワンネック型リヤスポイラーを装着するなど、かなりハードなサーキット仕様といったおもむきでありながら、一般道でも苦もなく乗れるところだ。それどころか、一般道でもかなり楽しい。

「速さだけではなく、洗練された乗り味も追求し、トータルバランスを高次元まで求めました」と、日産がプレスリリースで謳うのは、本当だなぁ、と、私も思った。

説得力のある仕上がりGT-R全モデル共通の3.8リッターV型6気筒「VR38DETT」をベースに、ピストンリング、コンロッド、クランクシャフトなどに高精度重量バランスエンジン部品を採用したのが、今回のNISMOスペシャルエディションだ。

「by NISMO」というバージョンもあるけれど、ちょっとどころか、だいぶ手の入れかたが凝っている。

実際、数値をみても標準モデルが419kW(570ps)の最高出力と637Nmの最大トルクであるのに対し、NISMOスペシャルエディションは441kW(600ps)と652Nmと、かなり上をいっている。

エンジンは“シュンシュンッ”と軽快にまわる。NISMOのプロフェッショナルがバランスどりしたコンロッドとかクランクシャフトが高回転でまわっているんだなぁ、と、想像するだけで、かなり興奮する。

エンジンがまわるのはいいけれど、マニュアルモードで高回転を出そうとすると、たとえ2速でも法定速度を超えてしまう可能性がある。なので、場所を選ぶ必要があるのだ。こればっかりは、サーキットでどうぞ。

本当にすばらしいフィールのエンジンチューニングで、回転を上げていったときのトルク感と微妙なバイブレーション、車外騒音規制をクリアしながらそれでいてクルマ好きを嬉しい気分にしてくれるサウンドの組合せは最高だった。

「空力特性の磨き込み」と、謳うだけあって、おそらく速度の伸びもNISMOスペシャルエディションはかなりいいのだろう。市街地ではそれは体験出来なかった。やはり、サーキットでどうぞ。

NISMOスペシャルエディションは、フロントメカニカルLSD追加にあわせて、全輪駆動方式における前後トルク配分を緻密に制御する。「コーナリング性能も向上させ、GT-R史上最高のパフォーマンスを発揮」(プレスリリース)と謳う。

路面に張り付くようなコーナリングとか、ダイレクトがめちゃめちゃあるステアリングフィールとかは、わかる。そして、しびれる。サーキットで走れば、もっとしびれるんだろう。

ハンドルを握りながら、そういうことを想像するのも、また楽しい。楽しいことづくめのクルマである。この楽しさはいつまで続くかわからないけれど、ずっと続いてほしい。

つまりGT-R、ずっと作り続けてほしい。そう思うのが、クルマ好きの真の気持なのだ。2024年モデルは説得力のある仕上がりだった。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)

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