■新車?中古?買うならどっち
新社会人がクルマを購入する際、悩むことといえば「新車・中古車のどちらを選ぶか」ということではないでしょうか。新車は、性能が良いものが多く長い間安心して乗れますが、車両保険などを考えると高くなってしまいます。
一方で、中古車は安価なうえ、納車までの期間も早くすでに生産終了している珍しいクルマを購入することもできますが、同時に、コンディション面で不安要素が存在するほか、修理代がかさむことも考えられるのです。
また、クルマは購入時以外でも維持していくためにお金がかかるものです。無理のないカーライフを送るためにも、『クルマのお金』に関する知識をしっかりため、ファイナンシャルプランナーと共にどのようなカーライフが最適かを紐解いていきます。
今回は、保険会社に勤務するファイナンシャルプランナーの境淳一氏に、カーライフに関するお金の話を伺います。
―― 新社会人のカーライフに関する「お金」について教えて下さい。
やっぱり新社会人だと予算的にどうしても限定されてしまいます。そのため、無理のないカーライフを実現するために、中古車をおすすめします。
元々、クルマに強い興味や憧れを持っている人だったら車種なんかに対しても理想があると思うので、中古の方が選択肢も広がるでしょう」
―― クルマの固定費のひとつ、保険料について教えて下さい。
保険料も月々の支払いとして考えなくてはいけません。車両保険は、車両自体の価値に比例するものなので、ここも新車と中古車で保険料が大きく変わってきます。
新車は、車両保険料が高くなる傾向です。それと、強制ではないですが任意保険は絶対入っておくべきもの。最初は等級が低いために支払額も高いです。
任意保険は、『初めて保険に入りました』というところから無事故無違反の年月を積み重ねることで、少しずつ等級が上がり安くなっていく仕組みなのです。なるべく抑えられるところは、抑えつつ無理のない支払い計画を立てるためにも、中古車をおすすめします。
※ ※ ※
最初の1台は、無理して新車を購入するより、無理のない支払い計画を立てられる中古車からお気に入りを見つけるのが良さそうです。
■多種多様なカーライフのスタイル
多様性が重視される昨今、カーライフにおいてもその兆候はみられるようになってきました。クルマを購入するということ自体が必ずしも必要ではない時代に突入していることもあり、代表的なカーライフプランを紹介します。
●購入(ローン)
一番無難で定番の購入方法は、新車中古車問わず、やはりローンを組むことでしょう。ローンとは、借入先へ毎月決まった額を返済していくシステムです。
大きな出費を防ぐことができ、金利がお得な場合には一括とそれほど変わらない総支払額になるのが特徴です。今までは、自動車ディーラー経由でローンを組むケースが一般的でしたが、最近では、銀行や信用金庫、信販会社、損害保険会社、消費者金融など、ローンの種類も多様化しています。
「ローンを組めるか組めないかは審査次第なので、販売店に任せてしまえば大丈夫です。自分で考えることは支払い方の検討ですね。
ローンを組んでしまうと、月々の支払いが固定されてしまいます。そのため、ローンを払うだけでガソリン代が捻出できない状況を回避するためにも、必ず無理のない支払額を設定する必要があります。
おすすめは、極力ボーナス払い無しで均等に払っていく計画を立てること。ボーナスは、会社の都合で変動するため、なるべくアテにしない方がいいです」(境淳一氏)
●カーリース
最近は、カーリースを利用する人もどんどん増えてきました。カーリースとは、一定の契約期間内に自分で選んだクルマを月々定額で乗れるシステムです。
契約先の会社や車種によって異なりますが、頭金が0円から利用できるほか、期間中の税金や車検費用なども月額費用に含まれているので、まとまった出費もなく気軽に新車に乗れるのが大きなメリットのひとつ。大きな貯蓄がないうちは、初期費用が掛からないことだけでもすごく魅力的です。
注意点としては、契約終了時に違約金が発生する場合があることや、満期で乗ったときの総支払額が購入金額を上回る可能性があること。汚れや傷、走行距離などに応じて支払いが加算されることもあり、あくまで契約した上で借り受けている状態なので、自分のクルマという意識で乗っていると大変なことになるかもしれません。
「注意点としては、契約満了前に途中で辞めるとなると、残金の支払いが発生する場合があること。下取りに出して売ることも出来ないほか、飽きたから別のクルマに乗り換えることもできません。そういうデメリットの部分も理解して乗るなら、最も手軽にカーライフをはじめることができるサービスです」(境淳一氏)
●カーシェアリング
新しいクルマとの関わり方として、近年注目を集めているカーシェアリング。事前に登録を行った会員限定で、自動車を共同使用できるサービスです。
レンタカーと近い存在ではありますが、もっと短時間で安価に利用できるシステムとなっています。専用駐車場で無人管理されているクルマに乗り込み、元あった場所に返すだけと利用方法も簡単。駐車場代が高価な都心部のビジネスシーンでは、今やカーシェアは必須のサービスといっても過言ではありません。
「コストパフォマンスという点では使い方次第で変わってきます。短時間で近場なら、カーシェアが一番安いといえます。ただ、丸一日かかる日帰りや一泊二日なんかになると、同じレンタルでもレンタカーを利用した方が安くなる可能性があります」
※ ※ ※
クルマに乗るためにはさまざまな選択肢があります。新社会人だからといって、理想のカーライフを諦める必要は全くありません。 【了】
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