現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 新車時よりスゴイ「911」に再生して送り出す! いま世界のポルシェファンが熱視線を送る「シンガー」って何?

ここから本文です

新車時よりスゴイ「911」に再生して送り出す! いま世界のポルシェファンが熱視線を送る「シンガー」って何?

掲載 更新 1
新車時よりスゴイ「911」に再生して送り出す! いま世界のポルシェファンが熱視線を送る「シンガー」って何?

 この記事をまとめると

■ポルシェ911のレストモッドで注目される「シンガー・デザイン・ビークル(SDV)」

「ボクサーエンジン」と「180度V型エンジン」は別もの! 水平対向エンジンの識別は「クランクシャフト」にあった

■SDV初の量産車となるDLSは75台限定で約2億円、すでに完売

■ターボのスタディモデルをグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでお披露目予定

 964ベースとは思えないほどのクオリティの仕上がり

 ポルシェファンならずとも、シンガーの名を冠した911が話題になっているのはご承知のとおり。これは、ロブ・ディキンソンという英国人が2009年に南カリフォルニアで始めた「シンガー・ビークル・デザイン(SVD)」という会社によるレストモッドモデル。これまで数々の空冷911がSVDによってレストア、そしてモディファイされて路上に送り出されてきました。

 ベースとなった空冷911はほとんどが964タイプで、いずれもナロー911風のボディにオーバーフェンダーやダックテール、あるいはライトウェイトモデルの始祖911R風プレクシグラスをリヤフードに用いるなどクラシカルかつ、レーシーなルックスが特徴。なお、シンガーを見わけるポイントとして(例外あり)簡単なのはワイパーの設置方法が993のように2本がセンターに寄り添っているところがあげられます。

 また、SVDはコスワースやウィリアムズといった外部チューナーにエンジンチューンを委託し、3.6リッターから4リッターまでさまざまなステージのエンジンをラインアップ。もちろん、シャシーもハイパフォーマンスにマッチしたもので、フロントサスをダブルウイッシュボーンに換装したり、カーボンローターをブレーキに用いたり、まさに金に糸目をつけないカスタムが目白押し!

 さらに、ポルシェマニアを唸らせたのが高品質なインテリアのフィニッシュ。顧客のオーダーを反映しながらも、ポルシェの文法を巧みにモダナイズする手法はシンガーの名を高めた大きなファクターといえるでしょう。

 そもそも、このセンスにあふれたSVDの創始者であり、CEOを務めるディキンソン氏の経歴からして特筆に値する人物です。18歳からコヴェントリーでアート、デザインを学んだ後はかのロータスでピーター・スティーブンス、サイモン・コックスといった今をときめくカーデザイナーと一緒に仕事をしたかと思うと、突如のジョブチェンジ。故郷のグレート・ヤーマスでシュゲイザーバンド「キャサリン・ホイール」を結成し、ギタリストやボーカルとして活躍したのでした。

 やがて、10年間のバンド活動にピリオドを打つと、ソロアルバムの制作を目的に渡米。南カリフォルニアに本拠を構えることに。

 このキャリアから、社名に「Singer(歌手)」とつけたかというとさにあらず。会社創立前にディキンソン氏が友人のバーヴィル氏と相談した際、ポルシェの名エンジニアたるノルベルト・ジンガー(Norbert Singer:956/962や911GT1などポルシェのレーシングカー開発で超有名)にちなみ、「ノルベルト」はどうかと打診されたのです。が、ディキンソン氏はこれをあっさり却下。理由は「ノルベルトは気に入らない。シンガーならアリ」とのこと。もちろん、自身のキャリアとの整合性もあったのでしょうが、いかにもポルシェフリークな氏らしいネーミングではありますね。

「シンガー」初の量産モデルは75台限定で約2億円

 そして2003年には自身がカリフォルニアで乗るためにナロー911をカスタムビルド。現在のSVDらしさが早くもにじみ出たマシンはブラウン・ボンバー(茶色い爆撃機)と呼ばれ、各方面から大注目を浴びることに(現在このマシンはLAのピーターセン自動車博物館に所蔵されています)。この際、数多くの人から「譲ってほしい」と乞われたことで、シンガー設立の決意を固めることになったのでした。

 その後2009年、ついにSVDがローンチされると、モナコ・コミッションやらル・マン・コミッションといった車名で素晴らしいリイマジンド(再解釈)911をリリースしていったのはご承知の通り。当時はオーダーから納車までは8カ月から12カ月ほどかかり、30人程度のスタッフで年間30台から60台程度のキャパシティでしたが、現在はやや増加している模様。

 ただし、SVD初のプロダクションモデル(量産車)となる「DLS(Dynamics Lightweight Study)」はどうやら英国で大半の製造が行われるようです(量産といっても75台限定で、しかも発売と同時に完売)。

 このDLSもまたすさまじいモデルで、まず乾燥重量990kgというグループ5の935に追いつきそうな車重(970kg~)を実現! 搭載エンジンはウィリアムズがチューンした4リッターフラットシックスで、500馬力以上を発揮するとされ、これまた935(1976モデル)の600馬力に肉迫! 当然、お値段も相応でおよそ2億円! ただし、レアではありますがシンガーのなんちゃらコミッションが中古市場に出てくるとたいてい100万ドル(約1億3500万円)くらいしているので、見方によってはお買い得かもしれません。

 SVDではレストモッドの費用をつまびらかにしていませんが、ひと声2000万円くらいからスタートし、天井は「DLS」並みにキリがないってところでしょうか。

 この「DLS」のほかにも、シンガーはついにターボのスタディモデルを発表。450馬力を発揮する3.8リッターツインターボが搭載され、全輪駆動の可能性も示唆されるなど、これまたSVDらしい仕上がりになりそうです。

 お披露目(的な受注イベント)は6月のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードなので、手に入れたい方はお見逃しなく!

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

プライベート空間重視な人におすすめ! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
プライベート空間重視な人におすすめ! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
熊本「交通系ICカード廃止」はむしろ良かった? “大危機”から垣間見える「地方の選択肢」と、都心で広がる可能性とは
熊本「交通系ICカード廃止」はむしろ良かった? “大危機”から垣間見える「地方の選択肢」と、都心で広がる可能性とは
Merkmal
スズキ初ってマジか!! 新型フロンクスの新アイテム採用のヒミツが衝撃
スズキ初ってマジか!! 新型フロンクスの新アイテム採用のヒミツが衝撃
ベストカーWeb
12月7日(土)京都お東さん広場(東本願寺門前広場)で「京都モビリティ会議」開催(入場無料)
12月7日(土)京都お東さん広場(東本願寺門前広場)で「京都モビリティ会議」開催(入場無料)
ベストカーWeb
ルーミー/トール受注再開! 現行は2027年まで販売ってどうよ!? 3年も生き延びるってマジか!? ビッグマイチェンは2025年!
ルーミー/トール受注再開! 現行は2027年まで販売ってどうよ!? 3年も生き延びるってマジか!? ビッグマイチェンは2025年!
ベストカーWeb
全車[EV]化計画を撤回!? ベンツもボルボもEV化減速してるけど…[ホンダ]はどうするん? 
全車[EV]化計画を撤回!? ベンツもボルボもEV化減速してるけど…[ホンダ]はどうするん? 
ベストカーWeb
ホンダが激カッコいいSUV発表! [アキュラADX]みたいなクルマが日本にも必要だろ!
ホンダが激カッコいいSUV発表! [アキュラADX]みたいなクルマが日本にも必要だろ!
ベストカーWeb
[車検]費用が増える? 2024年10月より車検での[OBD検査]を本格運用へ
[車検]費用が増える? 2024年10月より車検での[OBD検査]を本格運用へ
ベストカーWeb
即納って不人気車なの!? なんでそんなに待たなきゃならん!? [納期]にまつわる素朴なギモン
即納って不人気車なの!? なんでそんなに待たなきゃならん!? [納期]にまつわる素朴なギモン
ベストカーWeb
いまさら人には聞けない「ベンチレーテッドディスク」と「ディスク」の違いとは? ブレーキローターの構造と利点についてわかりやすく解説します
いまさら人には聞けない「ベンチレーテッドディスク」と「ディスク」の違いとは? ブレーキローターの構造と利点についてわかりやすく解説します
Auto Messe Web
ラリージャパン2024開幕直前。豊田スタジアムやサービスパークの雰囲気をお届け/WRC写真日記
ラリージャパン2024開幕直前。豊田スタジアムやサービスパークの雰囲気をお届け/WRC写真日記
AUTOSPORT web
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
AUTOSPORT web
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
AUTOSPORT web
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
AUTOCAR JAPAN
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
乗りものニュース
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
motorsport.com 日本版
メルセデスAMGが待望のWEC&ル・マン参入! アイアン・リンクスと提携、2025年LMGT3に2台をエントリーへ
メルセデスAMGが待望のWEC&ル・マン参入! アイアン・リンクスと提携、2025年LMGT3に2台をエントリーへ
AUTOSPORT web
TCD、モータースポーツ事業を承継する新会社『TGR-D』を2024年12月に設立へ
TCD、モータースポーツ事業を承継する新会社『TGR-D』を2024年12月に設立へ
AUTOSPORT web

みんなのコメント

1件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1694.03642.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

180.08000.0万円

中古車を検索
911の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1694.03642.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

180.08000.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村