この記事をまとめると
■FIA GT4規定に沿ったレーシングカーのロータス・エミーラGT4が発表された
ロータス・エスプリの「潜水艦」をイーロン・マスクが1億円で落札! 007に登場した異質すぎる「ボンドカー」
■公道モデルより最高出力を約10%以上も向上させ、エアロダイナミクスの最適化などを施した
■開発には英国GT選手権の優勝経験者も携わっている
世界中のGT4クラスカテゴリーレースで勝利を目指す最新マシン
「軽量化による性能の向上」という創業者コーリン・チャップマンの信念のもとに数多くの優れたライトウェイトスポーツカーを送り出してきたロータス。そんなロータスに衝撃が走ったのは2017年。親会社の変更により、これまでのライトウェイトスポーツカーブランドからプレミアムスポーツブランドへと生まれ変わることがアナウンスされたのだ。不安と期待が入り混じるなか、第一弾として発表された「エミーラ」は、これまでのロータスでは考えられなかったような快適装備を備えたミッドシップのプレミアムスポーツカーであった。しかし、その根底にはロータスイズムが確かに息づいており、熱狂をもって迎えられたことは記憶に新しい。
そんなロータス・エミーラに新たなモデル「GT4」が追加された。エミーラGT4は「FIA」のGT4クラス規定に合わせて製作されたレーシングカーで、その開発は、モータースポーツパートナーである「RMLグループ」と共同で行われた。開発ドライバーには、ロータスの車両属性担当ディレクターであり、英国GT選手権で優勝経験もあるギャバン・カーショウ氏が務めるなど、まさにオールスター体制だ。
公道モデルのエミーラの面影を大きく残すエクステリアには、フロントバンパースプリッターや巨大なリヤウィングが装着され、レーシングカーとして徹底的にエアロダイナミズムが追及されたことを物語る。
また、このエミーラGT4特有の装備として、レースアクシデントが発生した際にドライバーを守る数々の安全装置の搭載があげられる。FIA公認の6点式ロールケージやHANS(クラッシュ時のドライバーの頭部と頸部を保護するためのデバイス)を適正な位置に保つシート、車内での火災を消火するための電子消火器システム、電装系の絶縁をするアイソレータースイッチなどを装備し、このままFIA GT4クラスカテゴリーのレースに参戦できる仕様となっている。
ロールケージや電子消火器システムといった重量級装備を搭載しているにもかかわらず、車重を1360kgに抑えているあたりに、ロータスらしさと技術力の高さがうかがえる。
最速を目指すために追及した走行性能
サーキットで最速の存在となるためにパワートレインにも手が加えられた。ロータスがチューニングした3.5リッタートヨタ製V6スーパーチャージャーエンジンは、最高出力455bhp(461馬力)、最大トルク500Nmと、公道モデルのエミーラから約10%以上の数値向上を実現。Hewland社製のパドルシフト付き6速シーケンシャルトランスミッションとLSDを装備したことで、素早く正確なシフトチェンジとロスのない駆動力伝達を可能とした。
この強大なパワーを支える足まわりも強化されており、ダブルウィッシュボーン式の前後サスペンションには、2段階の調整が可能なオーリンズ社製TTxダンパーを採用。そのほか、フロント&リヤのアンチロールバー、ボッシュ製調整式モータースポーツABSなどを装着した足まわりが、ドライバーの意思に瞬時に反応し忠実に応答する高い操作性を実現した。
燃料タンクは、96リッターと大容量なタイプに変更されており、給油口にはFIA FT3認定のドライブレーキフィラーを装着する。
エミーラ GT4はイギリスのウェリングボローに新設された専用工場でRMLチームによる手作業で生産され、その価格は17万9000ポンド(約3190万円)。
なお、エミーラ GT4は、6月17日(土)~18日(日)に開催される英国GT選手権スネッタートン大会でも展示される予定となっている。
F1で7度のコンストラクターズタイトルと6度のドライバーズタイトルを獲得し、インディ500でも優勝を飾るなど、これまでに数々の栄冠を手にしてきたロータス。ブランド最後の内燃機関を搭載したミッドシップスポーツカーであり、新生ロータスの第1弾モデルでもあるエミーラをベースに製作したエミーラ GT4は、これからもロータスに数々の栄光をもたらしてくれることだろう。今後の活躍に大いに期待したい。
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みんなのコメント
BYDに買収されるよりはマシだろ