現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 速さよりも楽しさを追求! ドライビングプレジャーあふれるローパワー車3選

ここから本文です

速さよりも楽しさを追求! ドライビングプレジャーあふれるローパワー車3選

掲載 更新 5
速さよりも楽しさを追求! ドライビングプレジャーあふれるローパワー車3選

■ドライビングプレジャーあふれるローパワーなモデルを振り返る

 速く走ることに特化したクルマというと、スポーツカーやスーパーカーが挙げられます。また、セダンなど一見するとスポーツカーではないモデルでも、大出力なエンジンを搭載したハイパフォーマンスなクルマが存在します。

トヨタ「スターレット」復活! 21年ぶり新型モデル発売へ

 そうしたクルマは高性能なエンジンだけでなく、足まわりやブレーキなどトータルでチューニングされているのが一般的で、ドライビングプレジャーも申し分ありません。

 一方で、軽量な車体にそこそこのパワーのエンジンを搭載し、しっかりとしたシャシ性能を確保したクルマも、十分に運転を楽しむことができます。

 むしろ、日本の道路環境で法的に許される速度域ならば、パワーよりも車体の軽さや足まわりをつくり込んだクルマの方が、楽しめるレンジが広いといえるでしょう。

 そこで、現行モデルの国産車のなかからローパワーでもドライビングプレジャー満載のクルマを、3車種ピックアップして紹介します。

●マツダ「ロードスター」

 1989年にマツダのブランドのひとつであるユーノスから、オープン2シータースポーツカーの初代「ロードスター」が発売されました。

「人馬一体」をコンセプトに開発された初代ロードスターは、決してハイパワーなモデルではありませんでしたが、軽量なボディとシャープなハンドリングのドライビングプレジャーあふれるクルマとして、国内外で大ヒットを記録しました。

 その後、人馬一体を継承しつつ代を重ね、排気量やボディサイズを拡大するなどよりパワフルさを求めるニーズに対応していきました。

 しかし、マツダはロードスターの原点に立ち返るため、2005年に登場した現行モデルの4代目では、エンジンは最高出力132馬力を発揮する1.5リッター直列4気筒にダウンサイジング。ボディサイズも全長3915mm×全幅1735mm×全高1235mmとワイド化しつつも全長を3代目よりも105mmも短くなりました。

 また、ボディの各部にアルミや超高張力鋼板を効率的に使い分けることで、高剛性化と100kgもの軽量化に成功し、ベーシックな「S」グレードでは990kgと1トン未満を達成しました。

 132馬力のエンジンと990kgの車重という組み合わせは、初代の1.8リッターモデルとほぼ同じで、まさに原点回帰したといえるでしょう。

 そして、すでにロードスターのファンミーティングで先行公開されていますが、Sグレードをベースにブレーキのチューニングや軽量ホイールを装着した特別仕様車「990S」の登場も2021年中に控えています。

 990Sは990kgの車重に由来しており、足まわりのファインチューニングもおこなわれるなど、これまで以上のドライビングプレジャーと大いに期待されています。

●ホンダ「N-ONE RS」

 ホンダは1967年に、同社初の軽乗用車として「N360」を発売しました。当時のライバルを圧倒する最高出力31馬力(グロス)を誇り、FFを採用したことから室内も広く、若者を中心に大ヒットを記録しました。

 このN360をモチーフに開発されたのが、2012年に誕生した軽セダンタイプの初代「N-ONE」です。そして、2020年11月には現行モデルの2代目へとフルモデルチェンジされました。

 2代目N-ONEではプラットフォームが一新され、外観は初代のシルエットを継承しながらも細部のデザインをブラッシュアップ。内装も水平基調のインパネに変更され、各種収納を使いやすい位置にレイアウトするなど、実用性も高められています。

 グレードは、自然吸気エンジンの「オリジナル」と「プレミアム」、そしてターボエンジンの「プレミアムツアラー」と「RS」の全4グレードを展開。

 エンジンは全車660cc直列3気筒で、自然吸気エンジンは最高出力58馬力、ターボエンジンは64馬力を発揮し、トランスミッションはCVTだけでなく、RSグレードではFF軽ターボ車では初の6速MTが設定されました。

 この6速MTは「S660」と同じく1速から5速をクロスレシオ化し、かつショートストロークで小気味よいシフトフィールを実現。さらにシフトノブの形状は「S2000」のデザインをモチーフとし、クラッチの踏力軽減やペダルに伝わる振動を低減するなど、細部にまでこだわっています。

 また、CVTもRS専用のセッティングとされ、マニュアルシフトが可能なパドルシフトを装備しており、2ペダルならではのスポーティな走りも可能です。

 全車共通の装備では2WDモデルのサスペンションに前後スタビライザーが装着され、4輪のブレーキを制御することでコーナリング時に車体の挙動を安定させる「アジャイルハンドリングアシスト」を搭載するなど、2代目N-ONEは走りの性能を重視しています。

●スズキ「スイフト RS」

 スズキの現行ラインナップには、今や日本を代表するホットハッチの「スイフトスポーツ」があります。

 スイフトスポーツは最高出力140馬力を発揮する1.4リッターターボエンジンを搭載し、車重は970kg(MT)を達成するなど、ドライビングプレジャーは国内でもトップクラスに君臨しています。

 一方で、スタンダードなスイフトにも、ローパワーながら走りの楽しさはスイフトスポーツに負けないモデルとして「スイフト RS」がラインナップされています。

 RSのエンジンは最高出力91馬力の1.2リッター直列4気筒で、トランスミッションは当初5速MTのみでしたが、現在はCVTもラインナップされています。

 外観は上位グレードの「SZ」に準じてスポイラー形状の前後バンパーやサイドステップ、小ぶりなルーフスポイラーが装着され、フロントグリルにRS専用で赤いストライプが入れられおり、よりスポーティに演出。

 特筆すべきは車体の軽量化で、車重はスイフトスポーツよりも100kg軽量な870kg(MT車)を実現。もはや軽自動車の領域です。

 また、RSの足まわりは欧州仕様と同じチューニングが施され、軽量なボディながら4輪ディスクブレーキが装着されるなど、走りに一切の妥協がありません。

 RSはパワー的にスイフトスポーツよりも大きく見劣りしますが、ちょっとしたワインディングでもパワーを使い切る楽しさが味わえるという点で、優れたドライビングプレジャーを有するモデルといえます。

※ ※ ※

 300馬力、400馬力を発揮するスポーツカーも大いに魅力的ですが、やはりローパワーでも軽量なクルマを操る楽しさは格別なものがあります。

 昭和の時代のクルマは装備が簡素ということもあって、軽量なクルマがたくさんありましたが、現在は衝突安全性の向上や、安全運転支援システム、エアバッグ、各種快適装備の搭載が当然ですから、軽量なクルマをつくるのは難しくなりました。

 しかし、スズキのように軽量化技術を駆使することで、軽いクルマの開発が可能なことが証明されています。安全性の向上と軽量化という、相反することを同時におこなっているのは、もっと評価されてもいいでしょう。

こんな記事も読まれています

ランド・ノリスが0.02秒差で自身2度目のPP獲得。RBは揃って後方に沈む【予選レポート/F1第10戦】
ランド・ノリスが0.02秒差で自身2度目のPP獲得。RBは揃って後方に沈む【予選レポート/F1第10戦】
AUTOSPORT web
 アリストって完ぺきじゃね!? FFのスペース効率とFRの運動効率を備えた究極のクルマ説をガチ検証
 アリストって完ぺきじゃね!? FFのスペース効率とFRの運動効率を備えた究極のクルマ説をガチ検証
ベストカーWeb
電動化の[新型ロードスター]でもこだわりたい”人馬一体”感!! でもやっぱり内燃機関でしょ!!!!
電動化の[新型ロードスター]でもこだわりたい”人馬一体”感!! でもやっぱり内燃機関でしょ!!!!
ベストカーWeb
スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第7戦SUGOは小出峻がポール・トゥ・ウインで今季2勝目
スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第7戦SUGOは小出峻がポール・トゥ・ウインで今季2勝目
AUTOSPORT web
宮田莉朋、2番手チェッカーもペナルティで後退。マルタンスが今季初優勝/FIA F2第6戦レース1
宮田莉朋、2番手チェッカーもペナルティで後退。マルタンスが今季初優勝/FIA F2第6戦レース1
AUTOSPORT web
角田裕毅、F1スペインGPは為す術なく19位がやっと「うまくいかなかった理由を理解すべく、全てを分析しなきゃいけない」
角田裕毅、F1スペインGPは為す術なく19位がやっと「うまくいかなかった理由を理解すべく、全てを分析しなきゃいけない」
motorsport.com 日本版
雨でびしょ濡れ! タッチパネルがめんどい! オッサンが最新式のクルマにキレる「ハイテクトラブル」急増中!
雨でびしょ濡れ! タッチパネルがめんどい! オッサンが最新式のクルマにキレる「ハイテクトラブル」急増中!
ベストカーWeb
ル・マンでサーキットの救急車に乗ることに! お土産は「カルフール」のレース関連グッズ、特にエコバッグがオススメです【みどり独乙通信】
ル・マンでサーキットの救急車に乗ることに! お土産は「カルフール」のレース関連グッズ、特にエコバッグがオススメです【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
“尋常じゃない上げ幅”のTEAM MUGENにどう対抗? セカンドロウの坪井翔&牧野任祐が得た手応え/第3戦SUGO
“尋常じゃない上げ幅”のTEAM MUGENにどう対抗? セカンドロウの坪井翔&牧野任祐が得た手応え/第3戦SUGO
AUTOSPORT web
フロントロウ独占の裏に“共闘”アリ。TEAM MUGEN陣営が振り返るそれぞれのアジャスト/第3戦予選
フロントロウ独占の裏に“共闘”アリ。TEAM MUGEN陣営が振り返るそれぞれのアジャスト/第3戦予選
AUTOSPORT web
F1 Topic:マクラーレンのモーターホームで火災発生。搬送者が出るなか、代表が被害状況把握に務める
F1 Topic:マクラーレンのモーターホームで火災発生。搬送者が出るなか、代表が被害状況把握に務める
AUTOSPORT web
フィアット600 詳細データテスト 500より増した実用性と快適性 フィアットらしい元気さは不在
フィアット600 詳細データテスト 500より増した実用性と快適性 フィアットらしい元気さは不在
AUTOCAR JAPAN
F1スペインGP決勝速報|フェルスタッペンがノリスとの接戦制す。RB角田裕毅は19位と苦戦
F1スペインGP決勝速報|フェルスタッペンがノリスとの接戦制す。RB角田裕毅は19位と苦戦
motorsport.com 日本版
フェルスタッペン、猛追ノリスを退け掴んだ今季7勝目に喜び爆発。角田裕毅は終始苦戦19位|F1スペインGP決勝
フェルスタッペン、猛追ノリスを退け掴んだ今季7勝目に喜び爆発。角田裕毅は終始苦戦19位|F1スペインGP決勝
motorsport.com 日本版
今見ても美しい!! 5ドアクーペルックのBMW3シリーズ320iグランツーリスモ試乗プレイバック
今見ても美しい!! 5ドアクーペルックのBMW3シリーズ320iグランツーリスモ試乗プレイバック
ベストカーWeb
豪華装備のダイハツ「アトレー」は街乗りもアウトドアも両立! ケイワークスならではのハイエンドマルチ軽キャンパーとは
豪華装備のダイハツ「アトレー」は街乗りもアウトドアも両立! ケイワークスならではのハイエンドマルチ軽キャンパーとは
Auto Messe Web
「1つ以外は」最新ミニに求めるすべて! 1.5L 3気筒の新型クーパー Cへ試乗 活発な子犬のよう
「1つ以外は」最新ミニに求めるすべて! 1.5L 3気筒の新型クーパー Cへ試乗 活発な子犬のよう
AUTOCAR JAPAN
ベントレー「ベンテイガ」に世界5地域からインスピレーションを得た限定シリーズが登場! マリナーが仕立てた極上旅を表現した5台とは
ベントレー「ベンテイガ」に世界5地域からインスピレーションを得た限定シリーズが登場! マリナーが仕立てた極上旅を表現した5台とは
Auto Messe Web

みんなのコメント

5件
  • 日本の制限速度内で走らせるのには最近の車はパワーが有り余ってしまう車が多くなってしまった。
    乗りやすいのは良いんだけど、時々思いっきりエンジンを回して走りたいと思うときには不便?なんだよね。
    最近は軽自動車くらいが丁度いいのかなと思うようになってきた。
    時々会社の軽自動車のマニュアル車に乗ると楽しくなってしまう自分がいる。
    NAだから回さないと加速しない、こまめに変速をしないと一定速度で走ってくれない。
    ほぼ全開で走るのが楽しい。
    遅いんだけど楽しい。
  • 普通に遅いよ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

289.9368.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.0586.0万円

中古車を検索
ロードスターの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

289.9368.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.0586.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村