現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 逆に新鮮よね!! 衝突しても緩衝材になりそうだし……前置きスペアタイヤ衰退の何故!?

ここから本文です

逆に新鮮よね!! 衝突しても緩衝材になりそうだし……前置きスペアタイヤ衰退の何故!?

掲載 33
逆に新鮮よね!! 衝突しても緩衝材になりそうだし……前置きスペアタイヤ衰退の何故!?

 かつてスペアタイヤを車内でも背面でもなく、ボンネットに装着していた車種が相当数あった。今やスペアタイヤすら衰退しつつあるが、なぜこのタイプは姿を消したのか!? 結構カッコいいんだけどな~。

文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部・Adobestock

逆に新鮮よね!! 衝突しても緩衝材になりそうだし……前置きスペアタイヤ衰退の何故!?

■カスタマイズで未だ残るも新車採用は絶滅

SUVの背面タイヤすら衰退しつつある今、ボンネットはじめむき出しのスペアタイヤはやはり不利なのか……

 近年ではスペアタイヤはスペース効率も重量的にも有利に働くパンク修理キットに置き換えられ、トランクスペースを占領することもなくなってきた。

 しかし過去にもトランクスペースを圧迫することを嫌ったり、そもそもスペアタイヤを収納するスペースがなかったりする車種の場合、スペアタイヤをフロント部分に装着するという荒業に出ることもあったのだ。

 例を挙げると1970年に登場したバモスホンダや1996年に登場したミゼットII。海外ではワーゲンバスの愛称でも知られるフォルクスワーゲン タイプ2のキャンピングカーなどがフロント部分にスペアタイヤを装着していた。

 さすがに現行モデルでフロントにスペアタイヤを設置している車種は存在しない。

 だがカスタマイズの手法のひとつとして、ハイエースやエブリイなどのアゲ系カスタムでフロント部分にスペアタイヤを装着するユーザーも存在しているようだ。

■衝突安全的に超不利!! 歩行者に致命傷与えるケースも

一見するとわからないが、よく見ると違いが!! そう、マイチェンモデルはスペアタイヤ風デザインに

 アクセントとしては非常にインパクトの大きな前置きスペアタイヤだが、純正採用がされなくなった大きな理由のひとつが衝突安全基準の問題と言われている。

 というのも、1996年にデビューしたミゼットIIは当初、フロント部分にスペアタイヤを装着するファニーなルックスも話題のひとつとなっていた。

 だが、1999年9月に実施されたマイナーチェンジのタイミングでフロントにあったスペアタイヤを荷台や荷室に移設しているのだ。

 本来であればただでさえミニマムなミゼットIIの荷室スペースは圧迫したくないハズ、そもそもそのために前置きスペアタイヤを採用していたと思われる。

 これは1998年10月に軽自動車規格が改定されたタイミングで衝突安全基準も強化されたことで、フロント部分にスペアタイヤを設置することが難しくなってしまったというワケなのだ。

■緩衝材にならず!! ホイールの強度ってスゴいんです

 ご覧の通り車体が損傷してもホイールはほとんど原型をとどめているほど頑丈なのだ(Elenarts@Adobestock)

 フロント部分にスペアタイヤがあると、万が一のときに緩衝材になってくれそうなイメージもあるかもしれないが、スペアタイヤはホイールに組み込まれており、ホイールの強度はかなりのもの。

 事故車などでボディはクシャクシャになっていてもホイールは比較的原形を保っているケースが相当数ある。

 じつは路面からの衝撃を常に受け続けるホイールは、クルマを構成する部品の中でもかなり上位に入るほどの丈夫さを誇っているのだ。

 そのため、万が一事故があったときも相手側のダメージを高めてしまう恐れがあるだけでなく、相手が歩行者だった場合は致命的なダメージを与えてしまう可能性も高まってしまうということになる。

 過去にはエンジンルーム内にスペアタイヤを搭載する車両も存在していたが、これらが消滅してしまったのも前突したときにホイールが車内に飛び込んできて乗員に大きなダメージを与えてしまう可能性が指摘されたからとも言われているほどなのだ。

■カスタムで楽しむのアリだけど……ハンドリング大幅悪化

 前置きスペアタイヤ車が消滅した理由は安全性以外にも存在する。それが運動性能に与える影響だ。

 クルマの運動性能を犠牲にしないためには、なるべく車両の中心に重量物を搭載するというのが基本で、そのために本格的なスポーツカーなどはミッドシップレイアウトを採用している。

 つまり裏を返せば、車両の前方先端に重量物であるスペアタイヤを搭載するというのはハンドリング性能を大きく低下させることにほかならないのだ。

 スポーツ走行をしない車種であっても、危険回避の際に急ハンドルを切るときなどに車両の動きに大きな差が出て切る可能性は否めないのである。

 またフロント部分にスペアタイヤを備えることで、冷却系への影響も少なくない点も注意したいところ。

 メーカー純正のものであればそのあたりも考慮されていることは間違いないが、カスタマイズの手法のひとつとして装着する場合は、そういった点にも配慮しないと悲惨な結果を招く可能性もあるだろう。

 とはいえ、フロント部分にスペアタイヤを装着した姿はワイルドで近年流行りのアゲ系カスタムとの親和性が高いこともまた事実。

 そのため、このようなカスタマイズを実施する場合はメリットとデメリットを把握した上で実施してもらいたいところである。

こんな記事も読まれています

疲れ知らずのドライビング体験!シート交換がもたらす快適性の秘密~カスタムHOW TO~
疲れ知らずのドライビング体験!シート交換がもたらす快適性の秘密~カスタムHOW TO~
レスポンス
なんかシビッククロスオーバーぽいぞ!!  ホンダ[新型SUV]の内装が超絶イイ!!  好みの匂いにできるってマジでなに????【北京ショー】
なんかシビッククロスオーバーぽいぞ!!  ホンダ[新型SUV]の内装が超絶イイ!!  好みの匂いにできるってマジでなに????【北京ショー】
ベストカーWeb
【原付二種/軽二輪】新開発の水冷エンジン搭載!! マットモーターサイクルが新型車「DRK-01」を発売
【原付二種/軽二輪】新開発の水冷エンジン搭載!! マットモーターサイクルが新型車「DRK-01」を発売
WEBヤングマシン
いよいよ帰省ラッシュ! 一人前のドライバーとは、渋滞時の「後続車」に配慮できる人間である
いよいよ帰省ラッシュ! 一人前のドライバーとは、渋滞時の「後続車」に配慮できる人間である
Merkmal
200万円級のトヨタ「コンパクトSUV」何がいい? 「ちょうど良すぎる」のが魅力!? 大人気の「カローラクロス」支持される理由は?
200万円級のトヨタ「コンパクトSUV」何がいい? 「ちょうど良すぎる」のが魅力!? 大人気の「カローラクロス」支持される理由は?
くるまのニュース
え、めっちゃカッコいいじゃん!!  薄目ライトがヤバい!!  巨大モニターの内装も羨ましいデキ【北京ショー】
え、めっちゃカッコいいじゃん!!  薄目ライトがヤバい!!  巨大モニターの内装も羨ましいデキ【北京ショー】
ベストカーWeb
日本一地味な高速道路は「播磨道」に決定! いったいどんな道なのか?【清水草一の道路ニュース】
日本一地味な高速道路は「播磨道」に決定! いったいどんな道なのか?【清水草一の道路ニュース】
ベストカーWeb
ヤマハ「XMAX」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
ヤマハ「XMAX」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
webオートバイ
[EV版クラウン]爆誕!? 全長5mオーバーの本格高級セダンがヤバいカッコいいゾ!!【北京ショー】
[EV版クラウン]爆誕!? 全長5mオーバーの本格高級セダンがヤバいカッコいいゾ!!【北京ショー】
ベストカーWeb
運転しやすく車内も広い! 就寝スペースもバッチリ確保できる日産NV200バネットがベースのキャンパー
運転しやすく車内も広い! 就寝スペースもバッチリ確保できる日産NV200バネットがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
ええ、[初代オデッセイ]のスペアタイヤマジかよ!! もうちょい置き場所なかったのか!?
ええ、[初代オデッセイ]のスペアタイヤマジかよ!! もうちょい置き場所なかったのか!?
ベストカーWeb
バニャイア、不調断ち切る渾身のアタックで初日最速。2年ぶりに3名がレコード更新/第4戦スペインGP
バニャイア、不調断ち切る渾身のアタックで初日最速。2年ぶりに3名がレコード更新/第4戦スペインGP
AUTOSPORT web
ヤマハ、クラッチローのワイルドカード参戦計画を発表。イタリアGPを皮切りに計3戦に出走/MotoGP
ヤマハ、クラッチローのワイルドカード参戦計画を発表。イタリアGPを皮切りに計3戦に出走/MotoGP
AUTOSPORT web
新型CX-80が待ち遠しい! マツダが今年も良いSUVを揃えて来た 今季注目のSUVも交えて一挙公開
新型CX-80が待ち遠しい! マツダが今年も良いSUVを揃えて来た 今季注目のSUVも交えて一挙公開
ベストカーWeb
周冠宇、中国マクドナルドのビーフバーガー・アンバサダーに就任
周冠宇、中国マクドナルドのビーフバーガー・アンバサダーに就任
AUTOSPORT web
【輸入車BEV販売比率1位のアウディ】 急速充電ステーションを東京都千代田区にオープン
【輸入車BEV販売比率1位のアウディ】 急速充電ステーションを東京都千代田区にオープン
AUTOCAR JAPAN
フリード&シエンタの対抗馬はこれでいい! 日産にはキューブキュービックという3列ミニバンがあったじゃないか!
フリード&シエンタの対抗馬はこれでいい! 日産にはキューブキュービックという3列ミニバンがあったじゃないか!
ベストカーWeb
【MotoGP】クアルタラロ、タイヤ内圧違反でスペインGPスプリント3位失う。代わってペドロサが2017年以来の表彰台
【MotoGP】クアルタラロ、タイヤ内圧違反でスペインGPスプリント3位失う。代わってペドロサが2017年以来の表彰台
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

33件
  • リトラクタブルヘッドライトですら人身事故の事を
    考えて禁止になったのだからタイヤなんて論外なのでは?
  • スイスイ〜クルクル〜ミゼットⅡ〜♪
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

46.959.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.8145.0万円

中古車を検索
ミゼットIIの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

46.959.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.8145.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村