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フェラーリ「F40」やポルシェ「959」を時代遅れにしたブガッティ「EB110」とは? 現在の相場は2億円以上から

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フェラーリ「F40」やポルシェ「959」を時代遅れにしたブガッティ「EB110」とは? 現在の相場は2億円以上から

2台同時出品に注目が集まる

 2022年11月上旬、クラシックカー/コレクターズカーのオークショネア最大手であるRMサザビーズ社が開催した「LONDON」オークションでは、さる著名なコレクターからブガッティ「EB110GT」と「EB110SS」が2台同時に出品され、大きな話題を呼んだ。

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貴重な2台のブガッティ「EB110」

 第二次世界大戦前に全盛期を迎えたものの、戦後は事実上歴史の歩みを停めていたブガッティにとって、1991年9月にパリのラ・デファンス地区にて、故アラン・ドロンをプレゼンターに迎えて世界初公開したEB110は、計り知れないほど重要なモデルだった。

 このモデルは、開祖エットレ・ブガッティが設立したオリジナルブランドの復活を期したロマーノ・アルティオーリ氏が、1987年に「ブガッティ・アウトモービリ(Bugatti Automobili)SpA」として再出発を図った新生ブガッティによって開発された、初のモダンスーパーカー。そして20世紀の自動車テクノロジーの到達点というべき、究極のハイテク・スーパーカーだった。

 EB110は、市販車としては世界でも最も早い時期にカーボンモノコックを採用するとともに、現代では常識と化しているフルタイム4WDシステムも採用。ハイレベルのハンドリングを達成しつつ、全天候下における素晴らしいスタビリティも確保し、それまで世界のハイパースポーツの代表格であったフェラーリ「F40」やポルシェ「959」などを、一気に旧世代のクルマへと追いやってしまった。

 その開発は、会社の再起動と時を同じくする1980年代中盤より、元ランボルギーニの故パオロ・スタンツァーニをはじめとするレジェンド的エンジニアたちによってスタート。

 ところが、設計・開発プロセスが当初の予定よりも大幅に長引いてしまったことから、市販第1号車の顧客へのデリバリーは1992年まで遅れ、結果として商業的には成功を得られなかったというのが定説となっている。

 ブガッティ・アウトモービリ社は、まずは単一グレードとしてEB110を発売したが、直後に追加発表された軽量+ハイパワー版「EB110SS」の登場により、スタンダードモデルは新たに「EB110GT」を名乗ることになる。

 両バージョンともに、ブガッティ自社開発の3.5L V12に4基のIHI社製ターボチャージャーつきエンジンを搭載。「GT」バージョンは560psを生み出すいっぽう、「SS」バージョンは、さらに610psまでチューンアップが施されていた。

 しかし、アルティオーリ時代のブガッティ・アウトモービリ社は1995年をもって経営破綻。時を同じくしてEB110の生産を終了し、プロトタイプやファクトリーカーを含む総生産台数は、139台(ほかに諸説あり)に終わったといわれている。

再評価されているEB110

 2019年夏、現在の「ブガッティ・オトモビル(Bugatti Automobiles)S.A.S」社から限定モデルの「チェントディエチ」が発表されたあたりから、そのオリジンたるブガッティ「EB110」の評価も急上昇しているようだ。

 クラシックカー/コレクターズカーのオークションハウスとしては双璧を成すRMサザビーズとボナムズ・オークションが、2022年2月上旬にパリ市内で相次いでおこなったオークションでは、ともに約180万ユーロ、日本円に換算すると約2億3000万円という高額で落札されている。

 またEB110SSについては、2022今年8月の「ペブルビーチ・コンクール・デレガンス」公式オークションにて316万7500ドルで落札されるなど、少なくとも3億円以上がマーケット相場として成立しているようだ。

 今回RMサザビーズ「LONDON」オークションに出品された2台のEB110は、「グランツーリスモ・コレクション」の名のもと、フェラーリのスペチアーレ各モデルや1980年代のグループBラリーマシンなどを保有している、プライベートコレクターから出品されたものという。

「ブルー・ブガッティ」のEB110GTは、1993年4月にモデナ近郊カンポ・ガリアーノ工場からラインオフ。当初はサウジアラビアに輸出された個体とのこと。いっぽう「ビアンコ・モナコ(白)」のEB110SSは1996年4月に完成し、モナコで新車登録されたという記録が残る。いずれも2012年3月に現在のオーナーが入手し、グランツーリスモ・コレクションに加わることになった。

推定落札価格には届かず

 そして世界のコレクター注目のもと、11月9日に行われた競売では、EB110GTは141万1250ポンド、日本円に換算すれば約2億3400万円で落札。150万~200万ポンドというエスティメート(推定落札価格)には届かなかったとはいえ、国際マーケットにおけるこのモデルの堅調ぶりをうかがわせた。

 ただもう1台のEB110SSは、わずか2台のみが作られたとされるビアンコ・モナコのSSということで、250万~300万ポンド(邦貨換算約4億1500万円~約5億円)というかなり高めのエスティメートが設定されていたものの、グランツーリスモ・コレクション側の希望していた最低落札価格には至らなかったようで、現在でもRMサザビーズ欧州本社の営業部門によって販売が継続されているとのことである。

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みんなのコメント

9件
  • 日本にもニコルの手により数台が入っています。発表時は大々的にプロモーションもされたのに数年で破綻とは残念でした。その破綻も設備投資のし過ぎとかロータスの買収が原因とか言われているけれど事実は不明のようで今でも謎とされています。実車を見たことがありますが今のスーパーカーに比べるとコンパクトシャープなデザインがカッコいい。4ドアのEB112もお蔵入りになってしまい本当に残念。
  • フェラーリF40が過去の車だと?
    永遠の伝説だ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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