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「ジムニー」「シャンテ」「フロンテクーペ」!  我が青春の「2スト」国産名車4選

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「ジムニー」「シャンテ」「フロンテクーペ」!  我が青春の「2スト」国産名車4選

軽量ボディをトルクで引っ張る! 走り甲斐があった2スト車

 4ストロークと比べ構造的にトルクフルな特性で、小排気量のクルマに多く採用された2ストロークのエンジン。排ガスの清浄化が難しく現在は姿を消してしまったが、絶大な人気を誇った2ストの名車を振り返ってみよう。

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低速トルクが必要な悪路で活躍したスズキ2代目ジムニー

 まずは2ストのクルマと聞いて真っ先に思い浮かぶ人も多いであろう、1981年にデビューした2代目となるSJ30型ジムニー。当時は排ガスの規制が厳しくなりつつあり、2ストのエンジンを搭載していた軽自動車が次々に消えていくなか、低速トルクが求められる悪路での走行を重視したジムニーは、変わらず2ストのエンジンを使い続けたのだ。

 同じスズキでも他の軽自動車は4ストロークの『F5A』に移行していたが、ジムニーだけは本格的なクロスカントリー車というコンセプトを守り、初代からのエンジン『LJ50』を継承したところに開発者のコダワリを感じる。1984年に2代目の第2期と呼ばれるJA71型に切り替わるも、2ストのSJ30型は1987年まで併売というカタチで生産を継続。SJ30型は日本で最後まで残ったクランクケース圧縮型2ストロークエンジンで、絶版となってから軽く30年を過ぎた現在でも熱烈なファンが多い。

 中古車は安くても50万円で程度がよければ100万円オーバー。同時期の4ストロークであるF5Aと比べると、パワーはF5Aが31psでLJ50が28psと低いが、トルクは4.2kg-mに対して5.4kg-mと大きなアドバンテージがあった。しかも最大トルクを発生する回転数もF5Aは4000rpm、LJ50は2500rpmと低いのも2ストが支持された理由だろう。

RRらしい軽快なハンドリングだったスズキ・フロンテクーペ

 同じくスズキでは1971~1976年に生産された、フロンテクーペも外すことができないモデルだ。エンジンは2ストローク3気筒の『LC10W』で、3連のキャブレターを装備し37ps(後期モデルは35ps)を発揮。エンジンの排気量が356ccだったことを考えれば、グロス値ながら驚異的なハイパワーといえた。

 フロンテクーペが名車たる理由は2ストのエンジンだけではなかった。最大の重量物であるエンジンをリヤにマウントすることで高いトラクション性能を発揮し、さらに4速のクロスミッションを組み合わせエンジンの性能をフルに引き出す。当時の記録によれば0→400mの加速は19.47秒で最高速は120km/h、RRらしい軽快なハンドリングと相まって現在も根強い人気を誇る。デザインからして、かのジウジアーロが原案を手掛けたクルマだ。

広大な室内空間がウリだったマツダ・シャンテ

 続いてはフロンテクーペと同時代を生きたマツダのシャンテ。本来はロータリーエンジンが搭載されるはずだったが、諸事情により359ccの2ストロークである『AA』が採用された。

 エンジン自体はすでに実用化されていた空冷の2ストを水冷化し、フロントに搭載したFRで最大の特徴は2200mmのロングホイールベース。そのため競合車に比べ室内や足もとのスペースが広く、エンジンのスペックも35ps/4kg-mと遜色ないことから、走りと実用性を兼ね備えるクルマとして高く評価された。我が家のクルマを探す庶民にとっては、やはりマツダならではのひと味違う主張の表れがひとしおだった。

 余談だが昔からのチューニングカー好きにとっては、プロショップ『RE雨宮』の手によって世に送り出された、12Aロータリーエンジンを積んだシャンテがあまりにも有名。

「大衆車のパイオニア」スバル360も2ストから

 スバルからは日本初の大衆車として名高い360と、後継モデルであるR-2の2台を推したい。360が発売されたのは戦後から10年と少しを経た1958年で、エンジンは強制空冷の2ストロークで排気量は356cc。手本にしたフォルクスワーゲン・ビートルと同じくリヤに搭載し、初期モデルのスペックは16psでエンジン型式は試作の『TB-50』から『EK31』に変更されている。以降はよりパワフルにすべく改良を行い、段階的に出力を向上させつつ最終的には25psまでアップ。

 生産数は12年間で39万台を軽くオーバーし、2ストに限らず日本の自動車史に大きな足跡を残す名車となった。1968年に追加された『ヤングSS』ではソレックスのツインキャブにより、驚異の36psを絞り出す『EK32』も大きな話題を呼んだ。

 360を発展させたモデルが1969年デビューのR-2。エンジンはEK32を改良した『EK33』で30ps/3.7kg-m、1970年に追加されたスポーツグレード『SS』などでは、さらに手が加えられ36ps/3.8kg-mとパワーもトルクも上乗せされた。1971年には水冷式の『EK34』が投入されるも、1973年にはR-2が生産を終えEK型エンジンも4ストローク化となる。

2輪2ストで青春謳歌の若者も

 締めは番外編でバイクの2ストローク車を取り上げたい。1970年代にアメリカで強化された排ガス規制を受け、ヤマハが最後を飾る2ストとして開発したRZ250だ。

 ボア×ストロークは当時のレースエンジンを踏襲した54mm×54mm、水冷2ストローク並列2気筒のレイアウトで35psを誇っていた。クラス最高レベルのパワーに加えサスペンションや軽量化も妥協せず、排気量に勝る4ストロークの400ccとも互角の走行性能で、結果として他メーカーも次々に2ストのモデルを発売。RZ250のデビューは1980年で翌年に排気量を350ccに高めたRZ350、さらに125ccや50ccといった小排気量モデルも追加される。

 1980年代のバイク文化を牽引した名車のひとつであり、もっとも排気量が小さいRZ50は国産で最後の2ストスポーツモデルとして、2007年の自動車排出ガス規制まで生産され続けた。

 マフラーチャンバーから立ち上がる白煙の匂い、2ストロークエンジンには、いい味がありました。

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みんなのコメント

3件
  • 今と比べて安全基準の制約が緩かったから
    エンジニアが思う存分ウデを奮えたんだろうな。
    より軽くより速くより広く と工夫を懲らせたはずだよ。

    たぶんここにも『棺桶』コメンターがツバ吐きに来ると思うけど、
    この時代の軽だったら一億歩譲って一理あるかな。

    だけど この時代はこれが当たり前だったんだよ。
    建築現場だって農林水産業だってソバ屋の出前だって、現代の安全感覚でいえば「人命軽視」だよ。
    それを今言ってもどしようもないだろうに。

    70年代のドライバーが当時の環境の中で楽しんでいたことを揶揄しちゃダメだよ。
    現代の価値観で特攻隊員はバカだと貶めるのに等しい傲岸不遜だ。

    ここに集う人はもっと平穏に楽しく語り合おうぜ。





  • シャンテロータリーは他メーカーが性能良すぎるとイチャモンつけられ
    挙げ句の果てに、当時の運輸省まで潰しにかかって
    結局、レシプロにせざるを得なかったんよな
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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