2021年9月9日から12日、WRC(世界ラリー選手権)第9戦アクロポリス・ラリー・ギリシャがラミアをベースに開催され、トヨタのカッレ・ロバンペラが優勝。2位にはヒュンダイのオィット・タナク、3位にはトヨタのセバスチャン・オジェが入った。
「次代のチャンピオン候補」ロバンペラが2勝目
2021年に8年ぶりの開催となった「カーブレイカー・ラリー」アクロポリス・ラリー・ギリシャで、第7戦エストニアでWRC史上最年少となる初優勝を飾ったばかりのロバンペラが、「次代のチャンピオン候補筆頭」の呼び声に恥じない圧勝劇で早くも2勝目を飾った。
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ロバンペラはまだ20歳で当然アクロポリス・ラリーも初出場だが、選手権の大量リードを考えてやや慎重なラリーを展開するオジェ、トラブルに見舞われて後退したティエリー・ヌーヴィル(ヒュンダイ)とエルフィン・エバンス(トヨタ)のランキング上位勢を尻目にSS3で首位に立つと、そこからはタナックとほぼ一騎討ちの優勝争いを展開。一発のスピードで当代一との評価の高いタナックを相手に一歩も引かないどころか、むしろそれを上回るパフォーマンスを披露して見せた。
結局ロバンペラは最後まで首位を譲ることなく、終わってみれば42.1秒の大差で最終ステージのフィニッシュに飛び込んだ。2020年まではやや苦手としていたルーズグラベルの路面での戦いを制したロバンペラは「ラリーが始まる前は、勝てるとは思っていなかった。でもチームがいいクルマを用意してくれて、すべてがうまく行った」と喜びを爆発させた。
これでロバンペラはドライバーズ選手権で3位のヌーヴィルに1ポイント差まで追い上げている。
ライバルふたりにトラブル、オジェが選手権V8に前進
オジェ、エバンス、ヌーヴィルの3人の争いとなっているドライバーズ選手権は、ラリー序盤にエバンスがギアボックストラブル、ヌーヴィルがパワーステアリングトラブルで早々に上位争いから脱落。これで先頭スタートの不利が予想されていたオジェは楽な展開となり、トラブルを避けるややリスクを抑えた走りで3番手をキープ。その後も大過なくそのままの順位でゴールした。
これでポイントを180点に伸ばしたオジェは、エバンス(136点)、ヌーヴィル(130点)との差をさらに広げ、8回目のドライバーズ選手権獲得に向けて大きく前進している。
なお、TGR WRCチャレンジプログラムの勝田貴元は、今回もヤリスWRCで出場する予定だったが、コ・ドライバーであるキートン・ウィリアムズが急を要する家族の事情により帰国したため、今回はラリー本番への出場を取り止めている。
次戦WRC第10戦ラリー・フィンランドは、10月1日から3日、フィンランド中部のユバスキラを中心に開催される。ラリー・フィンランドはWRCを代表するハイスピードグラベル(未舗装路)ラリーで、夏に行われていた従来のスケジュールを秋にずらして2年ぶりの開催となる。TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamにとってのホームイベントで、ロバンペラの母国でもある。なお、ヤリスWRCは2017年から2019年にかけて3連勝中だ。
2021年 WRC第9戦アクロポリス・ラリー・ギリシャ 結果
1位 K.ロバンペラ (トヨタ ヤリス WRC)3h28m24.6s
2位 O.タナック(ヒュンダイ i20クーペ WRC)+42.1s
3位 S.オジェ(トヨタ ヤリス WRC)+1m11.3s
4位 D.ソルド(ヒュンダイ i20クーペ WRC)+3m01.0s
5位 G.グリーンスミス(フォード フィエスタ WRC)+5m45.0s
6位 E.エバンス(トヨタ ヤリス WRC)+6m42.7s
7位 A.フルモー(フォード フィエスタ WRC)+6m54.4s
8位 T.ヌーヴィル(ヒュンダイ i20クーペ WRC)+8m41.1s
9位 A.ミケルセント(シュコダ ファビア ラリー2 Evo)+9m02.5s
10位 M.ブラシア(シュコダ ファビア ラリー2 Evo)+9m19.2
2021年 WRC ドライバーズランキング(第9戦終了時)
1位 S.オジェ(トヨタ) 180
2位 E.エバンス(トヨタ) 136
3位 T.ヌーヴィル(ヒュンダイ)130
4位 K.ロバンペラ(トヨタ) 129
5位 O.タナック(ヒュンダイ)106
6位 勝田貴元(トヨタ)66
2021年 WRC マニュファクチャラーズランキング(第9戦終了時)
1位 トヨタ 397
2位 ヒュンダイ 340
3位 Mスポーツ フォード 153
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